9 甘い誘惑 2002.3.1


ほっと一息ついた時には、温かいお茶やコーヒーと一緒に、ちょっとつまみたくなる甘いお菓子。甘いものは人の心を幸せにする力があるように思います。
でもその甘いお菓子の主役であるお砂糖、一体どうやって作られるのがみなさんご存知でしょうか?

砂糖は、さとうきびやてんさいなどを加工して出来た糖蜜を煮詰めて作ります。そして最初に出来た結晶、これを精製して出来るのがグラニュー糖や上白糖です。
製糖会社は「1番上等の砂糖」と言いますが、精製の過程でビタミンやミネラルは取り除かれてしまうので、酸性度がもっとも高く、栄養分が1番少ないものです。また、これらは真っ白に仕上げるために化学物質を使って漂白をし、サラサラに仕上げるために様々な加工をほどこします。(漂白はしていないと業界の方々は言われていますが、真偽ほどはいかがなものでしょう?)
さて、最初に出来た結晶を取り除いて残りの液糖から、三温糖やザラメが出来ます。あの独特の黄色褐は製造過程による加熱のためと言われていますが、三温糖の袋のパッケージの下の方に小さく「着色料 カラメル色素」と書いてあるのは何故なのでしょう(笑)
化学的な工程をいくつも通って出来るこれらの砂糖たちは、「分蜜糖」と呼ばれます。

一方、黒砂糖はさとうきびの絞り汁をそのまま煮詰めたもので、「含蜜糖」と言います。不自然な化学工程はされていませんから当然ビタミン・ミネラルの含まれる量は多く、白砂糖と比べて多いものだと数百倍以上の量が含まれています。
またてんさいの絞り汁を必要以上に精製せずに作られるてんさい糖も、「含蜜糖」の仲間です。

さて、白砂糖が問題なのは、化学工程を経て出来上がるその不自然な経歴だけではありません。
ここで少し、からだのお話をします。

食べ物が体内に入ってくると、体は当然それをエネルギーに還元しなければなりません。車に例えればガソリンを入れても、着火しないとエンジンはかからず動きませんね。それと同じ仕組みです。その着火の役目をするのが、5種類のビタミンB群(ビタミンB1・B2・B3・B6・B12。このすべてが必要)です。
白砂糖はこのビタミンB群を破壊する働きがあります。

白砂糖が消化されてエネルギーとして還元されるためには、どうしてもビタミンB1が必要です。白砂糖自身にビタミンB1はありません。ならばどうするかと言うと、体内からちゃっかり泥棒して来るのです。
また白砂糖は酸性度が非常に強いため、体内でそれを中和するために大量のカルシウムも消費されます。
白砂糖をエネルギー化するだけで、もともと体内にあった大切なビタミン・ミネラル・酵素たちが総動員される。何だか理不尽だと思いませんか?

ビタミンB群の不足は、肉体的、神経的な疲労を起こします。筋肉には疲労物質がたまるので疲れやすくなり、脳細胞や神経系などに充分なエネルギー供給が出来ないので、イライラや不安、気力の減退などを起こします。
カルシウムの不足は感情のアンバランスにつながり、ささいなことでカッとなったりヒステリックになったりしがちです。
いわゆる「キレる食事」には、必ずと言っていいほど白砂糖が関わっており、その背景には、こんな体の中での出来事があるのです。

しかし、私は砂糖のすべてを否定するつもりはありません。お菓子を作るのも食べるのも大好きだし、何より甘いものは生活に彩りを与えてくれると思うからです。
でも、今の日本人はあきらかに糖分の取りすぎで、その弊害で様々な病気(未病も含む)になっている。でもそれは、砂糖の種類を選んだり、量を控えたり、摂取する時間を考えたりするだけで随分と改善されるものだと思うのです。
家庭で作る料理やお菓子に、白い砂糖は必要ですか?
どうしてもその料理は真っ白に仕上げないといけないのでしょうか?
白砂糖への執着がないのなら、今日からやめましょう。それが体と心が健康になる第一歩につながります。

最後に面白い実験の話を。
蟻が行列を作っている所に、白砂糖が入った小皿と黒砂糖が入った小皿を置いてみます。
さて、蟻はどちらに多く群がるでしょう?
答えは黒砂糖でした。
不思議ですね、きちんと本能で見分けているんです。
蟻ですら食べない代物を食べている人間って、何なんでしょう?
私達はもう少し、体が真に欲しているものを感じ取る力をつけなければならないのかも知れませんね。