5 パンは生きている 2000.9.1


この夏は大手乳業メーカーをはじめ、食品への異物混入の話題が目立った気がします。食品に入る異物といえば添加物もそうと言えるでしょう。そこで今回は主食として食べることの多いパンへの添加物についてお話したいと思います。

パンは小麦粉に含まれるグルテンと酵母の働きでふっくらと出来上がるのですが、その酵母には「天然酵母」と化学物質を加えて工業的に生産された「イースト」とがあり、市販のもののほとんどは「イースト」が使われています。どちらも培養其(酵母菌に栄養を与えて増殖・成長させるもの)がないと発酵しません。発酵しないとパンはふくらみませんから、この段階がパン作りの中での1番の要と言えるでしょう。「天然酵母」は小麦粉、「イースト」は主として砂糖を培養其として作るのが本来ですが、大量生産の場合「イーストフード」というものが培養其として使われています。これは一体何なのか?

「イーストフード」は名前に「フード」とつくから、食べられるもの=安全と思われがちですが、これは立派な食品添加物で、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、炭酸カリウム(無水)等から作られる化学物質のことを指します。
イーストだけでもパンは作れますが、「イーストフード」を使うと短時間で大量のパンを発酵させることが出来るので、少量の原料でもふわふわとしたパンが生産できます。だいたいどこのメーカーのパンも、手でぎゅっと押さえるとぺちゃんこになって戻りませんよね。あれって少量の材料を「イーストフード」によって強引に膨らまして製造したって証拠だと言えませんか?

更に「イーストフード」はそれを加えることで機械で製造するための管理がしやすくなるので、工場での生産ラインにのせるためには不可欠と言えます。
また他にも乳化剤、酸化防止剤などの添加物が入っている場合が多く、もはやパンなのか小麦粉入り添加物なのか分からない状態です。菓子パンになると更に多くの添加物が・・・・
これって本来の食品の姿なんでしょうか?

1度でも自分でパンを作ったことのある方ならお分かりでしょうが、パンは生き物です。炊きたてのご飯と一緒で、焼きあがったそばから味は落ちて行くし、ほんの数日でカビたり腐ってしまいます。腐らない、日持ちのするパンなんて食べ物ではありません。

安全で美味しいなパンを選ぶには、まず良質な店を探すこと、そして市販品は表示をチェックして購入するだけでもずいぶんと違います。また「天然酵母使用」と銘打っておきながらイーストもイーストフードも添加されている悪質な商品も結構多く出回っていますのでご注意を。

どうか小麦の味のする本来の姿のパンを食べてみて下さい。