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| ■故郷■ |
多分、ゼクセン生まれ。物心つくころにはすでに他人のポケットに手を出してた。
親の顔も知らないし本当の名前も知らねえ。事実物心つくまでは、自分の髪の色もよくわからなかったくらいだ。
家族といえば…この若い国に希望に胸膨らませてやってくる旅人たちの財布を狙う…仲間たちだけ。
グループの中でも年長が、(それでもまだ十五もいっていたかどうだか)傭兵になって金を稼ぐんだと飛び出した。
いいかげん荒っぽくなってきた兵隊の間をちいさいのをつれて逃げ回るのも飽きてきたし、俺もその年になったら傭兵になるんだと思った。
ある日、町の三分の一をしめようかというスラム街を一斉に、なんだっけ?改築?いや、ともかく、うっとおしくて汚ねえ犯罪者を評議会がいい顔するはずもなくて、
雑多にとりあえず組み立てとけって感じに広がっていた町並みを、美しーく作り直すために、狩りが始まった。
俺はちょうど仕事に出てた、最近は酒のんでへろへろになってるやつらを狙って酒場の裏を夜更けに歩き回ってた、そのせいで。
町を逃げ出した俺は、このままどっか遠い国にでもいくかと思った。出てったヤツのこと思い出して、俺も傭兵になるか、と思った。
うろ覚えの住所を頼りに、俺は軽いサイフばかり狙って旅をして。
いい加減帰り道もわからなくなったころ、俺はたどり着いた。
その名前を名乗ってるかわからないが、知り合いの名を出したら、そいつは町の隅にすんでいるときいて、俺は胸を躍らせる。
傭兵ってのは家をもてるくらいかせげるもんなのか、そう単純に思って俺はいわれたとおりに行ってみた。
ひどい眺めだったね、あれは。いやひどいなんてもんじゃあなかった。
ごうごうと風が強くて、ふきっさらしの丘の上に、木切れがいくつもつきささってた。
そう、墓場さ。みんな死んじまってた。何人も出てったはずだったが一人残らず、そんなもんさ。
俺は墓場で一晩過ごした。宿賃もなかったし、仕事につくつもりのこの町でヘタに盗みなんかするのもまずいかと思ったし。
でかい木があって、その下で俺は星を見た。自然に口をついて出てきたのは、昔よく小さいのに歌って聞かせた子守唄。
歌ってきかされた記憶なんてこれっぽっちものこっていないのに、不思議なもんだ。今でも忘れてない。
丘の上から目をこらせば、はるかなるビネ・デル・ゼクセの灯が見えた。そうじゃなかったかもしれないが、俺にはそうだった。
エース過去は考えれば考えるほどグロくなります。グロー!(叫
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| 2003/03/05/BXB |
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