知る人ぞ知る、リベッティングの友、仮留めの王者、クレコ様だ。
銅色のボディ部分がシリンダーで、銀色の部分がプランジャ(ピストン)になっている。
ピストンの先端は矢印を二つに割った形でわずかに内側に湾曲したピンが一対ついていて、ピンの間には、根元あたりにスペーサーが挟まっている。
プランジャを解放した状態で、スペーサーを含むピンの太さはリベットと同じになっている。
銀色のプランジャヘッドとボディのフランジを専用のプライヤーでつかんで縮めると、プランジャ先端のピンが飛び出し、内側に湾曲したピンは先端が互いにくっつく。
すると直径が細くなり、矢印状の「カリ」部分が、リベット穴に入るサイズになるのだ。
プランジャのピン先をリベット穴に差し込んで、プライヤーを解放すると、ボディ内のスプリングの力でピンが戻り、ピン先がスペーサーにより広げられて、ピンの直径がリベットと同じに広がり、同時にピンの「カリ」部分と本体の端部が、板同士をがっちりはさんでくれる。
主として航空用の工具だが、クルマにだって便利なことこの上ない。
クレコがないと、M3とかの細いビスを大量に使って仮留めしなければならない。手間も凄いが、締め具合がなかなか一定しないため、仮留め後の微調整が難しくなる。小さなビスナットはコロコロとよく転がったり落ちたりするし、それがまたイラダチを募らせたりするので、健康に良くない。クレコは作業者の健康にもいいのだ。
なお、この銅色のボディは#4(3.2mm径)のリベット用。
サイズによって、
#3(2.4mm径) = 銀色
#4(3.2mm径) = 銅色
#5(4.0mm径) = 黒色
#6(4.8mm径) = 真鍮色
と、色が異なり、一目で必要なサイズがわかるようになっている。
購入は、航空用の工具を扱っている店からが早いだろう。
私はここから、通販で購入した。値段は為替レートで変動する。納期は3週間程度で、初回取引は前払い。通関手数料などを含む送料がけっこうな金額になるので、他の物とまとめて買い物するのがいいかもしれない。私は、シートベンダーという薄板折り曲げ器や、インチ目盛の巻尺など、数点を同時に購入した。
アメリカの大手航空部品通販会社の代理店なので、リンクからそこのWebカタログを見ることもできる。
見積もりはすぐに作ってくれるので、興味のある方は問い合わせてみるといいだろう。