水 琴 窟 とは

水琴窟は、
日本庭園の蹲踞(つくばい)や縁先の水鉢からあふれでた水を利用する、
日本独自の音響装置です。

 そのルーツは江戸時代初期、
作庭家でもある大名茶人、小堀遠州が考えた
つくばい周りの排水装置「洞水門(どうすいもん)」から
発祥したといわれています。

 底に小さな穴を開けた甕(かめ)が伏せてあり、
底に溜まった水面に滴が落ち、
甕中に反響する音色が琴に似ていることから
いつしか「水琴窟」と呼ばれるようになりました。

時代と共に消え去りましたが、
近年再び甦り日本の音風景として見直されています。





当寺の水琴窟

水琴窟には、
かめを地中に埋める方法や、地上に出す方法等 いろいろあります。

当寺の水琴窟はかめを地上に出す方法で、
信楽焼きのかめの肌が境内の草木の緑に映え、
心和む落ち着いた雰囲気をかもし出しております。

かめが地上に出ているので、
水琴窟の音が少しはなれたところからでも聞くことが出来ます。

かすかに落ちる水の音の響きは、幽玄の世界へといざなってくれます。
江戸時代の昔から、
風流人の音遊びとして続いてきた水琴窟の音色は、
混迷深まる現代こそ、
その清音に接していただき、心の清涼剤としていただきたいものです。
 
 水琴窟の名前は、
創作者のお名前の一字「弘」を戴き、
経典の一字と組み合わせて「弘誓琴(ぐぜいきん)」と命名しました。

【弘誓:衆生(しゅじょう)を救おうとしてたてた菩薩(ぼさつ)の誓願
四弘誓願(しぐぜいがん)のこと】

この弘誓の音色が新たなご縁の輪を広げ、
大行寺が癒やしの場となることを念じます。
大行寺の新たな寺宝として末永く受け継いでいきたいと思っております。

合掌