◆月と言えば「お月見」、秋は晴れる日が多く、本当に月がきれいに見える時期です。旧暦の8月15日の夜と、9月13日の夜に月を見ることを「お月見」といいます。前者を「仲秋(中秋・ちゅうしゅう)の名月」、後者を「後(のち)の月」と呼びます。しかし暦とお月見の日付は関連しているわけではなく、毎年変わります。また実際の月齢が一致しない時もあります。「仲秋」とは、8月15日は秋(旧暦の7〜9月)の真ん中なのでそう呼ばれています。

◆ところで皆さんは時々、「赤い月」をご覧になったことがあると思います。昇ったばかりの時が多いと思いますが、月はたいてい黄色に見える事が多いので、赤く見えるとなんだか別の天体のようで、少し不気味な感じさえします。どうしてあんなに赤く見えるのでしょうか?
◆私達は地球上から天体を見る時、必ず大気の層を通して見ています。月が天空高く、自分の上にある時(図中A)と、地表近くの低い位置にある時(図中B)とでは、月の光が大気の中を通ってくる距離が違います。

 Aの場合は光が大気中を通ってくる距離が短いので黄色に見えても、Bの場合は距離が長い上、大気中には目には見えないけれど塵やホコリがたくさんあるので、月の光は減光されてしまいます。

◆光の中で赤色は波長が長いので、それらに邪魔されずに一番遠くまで良く届く為、昇ったばかりの低い位置にある月は赤く見えるのです。夕日や朝日が赤いのも同じ理由からです。

 

◆月の呼び名は見える時期によっていろいろあります。簡単にあげてみました。

「新月」
(しんげつ)
陰暦で月の第一日目に出る月。
太陽と月が重なるため、ほとんど見えない。
「三日月」
(みかづき)
陰暦で三日に出る月。
陰暦では新月から1と数えるので、正確には月齢2になる。
月齢2は一般的な三日月型よりも細く、見えにくいので、
月齢3〜4位の方が三日月としてなじみがあるのでは?
「上弦」
(じょうげん)
新月から満月になるまでの夕方に見える右半分が輝いている半月。
日没時に南中し、真夜中に弦を上にして沈むので、上弦と呼ばれる。
「十三夜」
(じゅうさんや)
陰暦で毎月十三日の夜の月を指す。
特に九月十三日の夜の事を指す事もあり、
八月の十五日に対して「後(のち)の月」と呼ぶ。
「満月」
(まんげつ)

「十五夜」
(じゅうごや)

もちづき、望、望月、十五夜とも呼ばれる。
太陽と正反対にあるので、ほぼ日没時に月の出となり、
月の全部が丸く見える。

陰暦で毎月十五日の月を指す。特に八月十五日の月をさす事もある。
八月十五日は秋(7〜9月)の最中にあたるので仲秋といい、
観月の好時期なので、神酒や団子、秋の花を盛ってお月見をする。

「十六夜」
(いざよい)
陰暦十六日の月。「いざよう」とはためらうという意味で、
十五夜よりしばらく遅れて昇る事からそう呼ばれるようになった。
また既望(きぼう)とも呼ばれる。
「立待月」
(たちまちづき)
陰暦十七日日の月で、特に陰暦8月17日を指す場合も。
日没後、立って待っているうちに月が昇る事から。
「居待月」
(いまちづき)
陰暦十八日の月。居待ちとは座って待つという意味で、
座って待っているうちに月が昇る事から。
「寝待月」
(ねまちづき)
陰暦十九日の月。寝待ちとはその字のとおり、寝て待つという事で、
月が出るのが遅い事から。また「臥待月(ふしまちづき)」とも言われる。
「更待月」
(ふけまちづき)
陰暦二十日の月で、「二十日月(はつかづき)」とも呼ばれる。
夜が更ける頃に昇ってくるのでこう言われている。
「下弦」
(かげん)
満月から新月までの間の明け方に見える半月。
陰暦で毎月22〜23日頃。
日の出に南中し、弦を下にして沈むので、下弦と呼ばれる。

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