○おもな内容
特集 署名運動と国・県の動き/ちいさいなかま読者のつどい/保育センターチャリティコンサートのお知らせ/トピックス 柏こばと30周年
○「特集 署名運動と国・県の動き」より抜粋
年明けからも県へ国へ大運動を!
国から保育が消える
10月30日、地方分権改革推進会議(首相諮問機関)がひとつの報告書を出しました。
幼保一元化について特に言及し、漢詩の起承転結の作法に準じて、まず、「幼・保は地域によっては均等化しており、強固な差はない」とし、「構造改革特区」の内容と同様に「 幼稚園教諭と保育士の一元化を推進し」と展開し、次に「保育所への国の関与が強すぎるなら、児童福祉法の国の関与を根源から見直すべき」と転換し、「保育所運営負担金の一般財源化等も検討すべき」と結論づけています。
さらに、給食調理室に言及し、「保育に対する施設整備費補助負担金の一般財源化も検討されるべき」とし、「その他の最低基準についても国の関与の見直しと同時に補助負担金の廃止・縮減が図られるべき」と結び、この報告書を今後の議論のたたき台にするとしています。ちょうど20年前の「 国の役割は外交と防衛だけ」とした「第二臨時調査委員会報告」とその10年後に出した「 公立保母人件費を一般財源化の方針(実現させなかった)」 の再来で、これを許せば、この20年間にどうしても実現できなかった「国家の方向」を保育からいっきに実現させることにほかなりません。
県もかすんでいく!
千葉県でも、来年度予算で県単事業を大幅に廃止・見直しをし、市町村総合補助金制度を導入する方針であることが明らかになりました。保育分野で廃止されるのは、公立の保育所施設(設備)整備費補助と、いずれも民間の社会福祉施設の整備資金借入金助成・職員健康診断補助・民間保育所職員待遇改善報償金で、見直しとなるのは、いずれも民間の保育所施設(設備)整備費補助・社会福祉施設整備資金等利子補給金です。
このことが保育現場にもたらすことは、とりわけ民間での施設整備の困難さと職員の健康(職業性疾患の早期発見)および待遇改善を今よりさらに悪化させることに他なりません。
民間保育所職員待遇改善報償金は、30年以上と長い歴史のある制度で。これまで3〜5年ごとに少しずつ改善されてきました。同じ保育に携わる保育士にもかかわらず、賃金には大きな公私格差がありますが、少しずつ改善されており、民間で働き続ける上での励ましとなってきたものです。
職員健康診断補助は、職業性疾患の早期発見を目的としたもので、これも長い歴史があり、今日のように過密保育が行われているにもとでは、必要性がさらに増しています。
千葉県は「待機児の解消は認可保育所の整備等によって対応しているので、無認可保育所ほ助成等は考えていない」と常々言っています。国の公立から民間への動きの中、待機児の解消と老朽化した保育所が次々と建替・修繕が必要になってくる今、その中心的役割を担わせようとしている民間保育所に対してこのような方針を打ち出すことは民間保育所の経営悪化と職員の待遇悪化を招くものであり、とうてい容認できません。
国の保育所運営費・施設改善費の一般財源化・最低基準の見直し、および、県の単独事業の廃止・見直しと市町村総合補助金制度が実施された場合、認可保育所はその基盤を失い、とりわけ善良な民間保育所の存立は極めて困難となり、受け皿としては営利企業しか残らなくなることは容易に想像できます。
そして、このことは、待機児解消や多様な保育ニーズにしっかりと応えることにはならないことは明らかです。
基本ニーズの対応を!
今、「多様な保育ニーズに応えるために」と叫ばれ、多彩なメニューがうちだされていますが、それは本道ではなく、対応は必要ですが、まずは待機児をなくす(それも定員超過をせずに)という基本的なニーズに応えることが最優先ではないでしょうか。その意味から、国・県の方針は、公的責任を投げ捨て、保育の未来の展望を放棄する失政以外のなにものでもありません。
県交渉結果について
私たちは、12月18日に県児童家庭課と懇談を持ちました。「認可保育所で待機児を解消する」と言いながら、いっこうに解消できないばかりか、無認可保育所の児童は増える一方。にもかかわらず、無認可保育所にいる子どもには何の施策も持たないことへの悲痛な要望が出されました。担当課としては、「かなり努力をしたが、廃止に抗することができなかった。」との説明がありましたが、受け入れることはできません。
翌12月19日には県健康福祉部と交渉をし、この間の説明を受け、民間保育所職員待遇改善報償金が、事実上唯一の民間保育所職員の待遇改善であり、職員の精神的励みになっていること、県内の保育所は、20年以上経過したものが95%あり、中小修繕の必要性がこれから急速に増えてくることなどの実情と、職員健康診断補助では、すでに「県予算が廃止になれば実施しない」という話し合いがされているなど、すでに現れている影響を訴えました。しかし、県は「財政事情」を述べるのみで、県の子育て支援施策との整合性がないことは明らかで、論戦が必要であることを痛感しました。
12月19日の交渉後、1時間ほど県庁前で宣伝行動を行いました。ビラの受け取りはよく、人通りが少ないにもかかわらず、200枚がなくなり、私たちの訴えをずっと聞いている人や「本当にそうなのか。知らなかった。」と話しかけてくる人もあり、早急に県民に広く知らせることが重要です。
県保問協は、日本の、千葉の保育を大きく変えようとするこのたくらみに対して論争と宣伝を重視し、知事との懇談実現にも全力で尽くす決意を表明するとともに、会員各位の奮闘を訴えます。