●●●ブレーキシステム●●●

ここではVIVIO&Bistroのブレーキ性能向上に関して、
いくつか対策を挙げたいと思います。

最近まさやんランドの掲示板でブレーキの話題が出ていますが、過去ログを調べていると、たかひさ@りえ
さんのカキコに凄いのを発見。要約すると"初期制動を改善するには、リアドラムとライニングの隙間を手動
でギリギリまで詰めるるとかなりカッチリしたフィーリングになる。ライニングにはサイドブレーキを引いたとき
の自動調整機構があるので普通そこまで調整しないが、この自動調整がくせ者で手動に比べると甘い"初
期の踏み味はリアの隙間調整で解消されるんです。

●NAブレーキとS/Cブレーキ●

まず、VIVIOのブレーキシステムはNAとスーチャで若干異なります。
ホイールサイズの違いに伴い、通常モデルが12インチのディスクブレーキ、
S/Cモデルは、13インチのベンチレーテッドディスクブレーキとなっています。
ベンチレーテッドディスクとは、ディスクブレーキに通風口が設けられ、
放熱性を高めたタイプです。リアは全車共通ドラム型です。
これがもしフロント同様にディスクでしたら全然利きが違うのでしょうが・・・。
また、純正ディスクパッドの種類も、NA用とS/C用で効き味が少し異なり、
S/C用はよりスポーツ性能が高く効き味の良い物になっているそうです。
ちなみにディスクパッドの形状自体は全車共通ですので、
NA車にも問題なくS/C用を流用することが可能です。


●VIVIOブレーキの利き(効き?)味●

VIVIOの特徴の一つに、欧州車に近い?スバル独特のフィーリングを
備えたブレーキの利き味があります。他の車に慣れた人にとって、
VIVIOに乗った際に一番の違和感となるのが、
このブレーキの利き味とCVTの変速感覚ではないかと思います。
私は免許を取って最初の車がBistroであるにもかかわらず、
未だにこの二つには慣れません(爆) 端的に言ってしまうと、
利きが悪いのです。ブレーキに対するスバルの解釈の結果ではと思いますが、
スポーツ系に振るにしても、一歩間違うと実用上危険なレベルに来てます。
ポジティブに受け止めると、初期制動力よりも豊かなコントロール性や
踏み味の階調?を意識したセッティングだろうとは思いますが、
これが只のお買い物&町乗りユースの使い方では結構難儀なんですね。
余りにブレーキが利かないので(ぐっと力を込めれば効くのです)、
VIVIO乗りの方はついつい前車との車間を空け気味になり、
並行車線から頻繁に割り込まれてしまう場合も多いのではと思います。
そして、たまーに別の車に乗ったりすると、踏み代の遊びが遙かに少なく、
初期制動が利き過ぎる余り、いつもの感覚で踏もうものなら
パニックブレーキになってしまい同乗者に白い目で見られたり(汗)。

通常、一般的な国産車に標準装備されているブレーキの多くは、
初期制動力が高く、軽いトー力でもカツンとした利き味を発揮します。
町乗り等、社則が緩やかで比較的車間距離が狭い通常運転域での
扱い易さに重点が置かれた設定です。この様なブレーキパッドは
初期の効き味が良い代わりに、加熱時にフェードしやすく、
ハードブレーキング時にロックし易くコントロールが難しい等、
スポーツ走行には余り向かない特性があります。また強いブレーキングでは
スポーツパッドと比べて利きが悪い反面、寿命が長く、
ホイールが汚れにくい等のメリットがあります。それに対し、
SUBARU車の場合は伝統的に人車一体感やスポーツ性を重視した
乗り味を追求している結果、他国産車の一般的な解釈とは異なる、
独特のスポーツ性を加味したブレーキとなっているのではと思います。
VIVIOに限らず他の車種でもそうですよね。ポンピングはしやすいです。
ただ、上位車種とVIVIOの決定的な違いは、こういった感触の魅力以上に、
VIVIOの場合は対車重比で酷く利き味が悪い気がするのですが・・・(^^;

対策としては、とりあえず慣れろ!でしょうか(笑)。アグレッシブに
ガンガン踏んで、パッドを暖めてこそマトモに機能すると理解し、
とにかくガンガン踏み込むこと(爆)。そうすれば、走ってる間に
気持ちも乗ってきて、ブレーキも良い感じに効き始めます。
また足の筋力も鍛えられて一石二鳥です。ついでにこの最、
左足ブレーキまで覚えてしまいましょう。CVT車の場合ブレーキは左足?
と疑いたくなるようなペダルレイアウトですから(笑)
うぬぬぅぜんぜん対策になって無いなぁ・・・・・(死) 
やはり力の弱い女性にはこの利き味は厳しそうです(汗)。
冗談はともかく、以下に真面目な対策をいくつか挙げていきます。


●ブレーキの利きを改善するには?●

これにはいくつかの方法がありますが、他の車と狭い車間で合わせていても、
スポーツ走行で攻めていても、本格的に安心できる状態まで持っていくためには、
以下に挙げる複数の条件を積み重ねて強化するのが良いと思います。

@パッドの交換

Aタイヤ・ホイールの交換

Bフルードの交換

Cローター研磨

@パッドを交換する

純正パッドは最初に挙げたように、独特の感触が魅力ですが、反面
その割に効きは良くない、やたらとホイールが汚れる等の問題もあります。
そこで、自分に合ったブレーキパッドを他社製品からチョイスして、
補修交換する手があります。有り難いことにVIVIOのパッド自体は、
現在もなお社外品で多くのメーカーから発売されています。
内容も標準同等品?程度の一般汎用クラスから、ストリート向け、
スポーツ走行向け等に特別チューンされたパッドまで、
乗り手の要求に合わせて色々な選択肢があります。ご興味がおありの方は、
カー用品店などの店頭にあるブレーキパッドカタログをめくってみましょう。
主なものでも、スポーツ用途ではプロジェクトμ(青緑)エンドレス(青・蛍光黄)
WINMAX(赤)、汎用標準クラスでは、トキコ(緑)住友(ピンク)ボッシュ(赤)など、
割と店頭でみつけやすいと思います。価格も色々で、標準クラスはFセットが
実売6〜7千円程度+シュー、スポーツ用は前後セットにすると
2〜3万クラスの物まで幅があります。カッコ内はブレーキパッド&シムの色。
社外品を選ぶ際は、こんな部分のファッション性もポイントとなりますよね(笑)。
ちなみに社外パッド、特に標準クラスの物の場合、各車種毎に実走行に基づいた
専用設計が施されている訳ではなく、多くは、車重・構造などで近似的な
代表車種で開発された物を、各車種用に形状加工して割り振っているのが普通です。
VIVIOの場合、当時の規格の・FディスクRシューの標準軽自動車の枠ですね。
たまたま、VIVIOを使って開発したものも中にはあるかも知れませんけど・・・。
ですから、標準社外品を利用する場合、パッドの利き味・踏み味の感覚は、
スバル独自のスポーツ性のあるものから、初期制動が高くホイールが汚れにくい
もっと一般的なイメージのブレーキ効き味により近くなると思います。

私は今まで社外品を使用した経験がありませんので、
ここでのインプレは他の方にお委ねしますが、S/C乗りになってから
かなり強烈にブレーキの制動不安を感じているので、次回交換は
社外品から選ぶ事になると思います。ホイールも汚したくないですし・・・。
その最に社外品を選ぶポイントは、純正のようにホイールが鉄粉で汚れる物は却下、
(基本的にスポーツパッドは減りが早く、ブレーキダストも盛大に出るらしいです)
利き味は初期制動力を重視しながらも、あからさまに純正より効きの良い物。
そして、出来れば安くて、綺麗な色(笑)の物が良いですね〜。
社外品の使用経験がおありの方がいらっしゃいましたら、
是非情報を寄せてくださると幸いです。


Aタイヤ・ホイールの交換

S/C車のブレーキパッド&ディスクはNA比で強化されている筈なのに、
実際、ノーマル状態ではNAよりも利きが悪いと感じました。その最大の理由は、
フロントの車重が重くなっているにも関わらず、標準装備されているタイヤが
ミシュランのMXTだからではと感じています。(PLEOにも標準装備ですね)
それまで13"5JホイールにダンロップのW10やBSのGRIDUを
NAに履かせていて、そのグリップに慣れてしまったのもあるのでしょうが、
4Bホイールの細さ以上に、このタイヤ自体が止まらないタイヤではと感じます。
12"4.00B時代に経験したBS SF270やYOKOHAMA SCIENCEの70Sタイヤでも、
こんなにまで止まらない恐怖感は感じませんでしたので・・・。
詳しくはタイヤ・ホイールのページに委ねますが、とにかく、低グリップタイヤを
履くことで燃費は良くなりますが、逆にグリップが低下して、制動力や
運動性能が大幅に犠牲になることを忘れてはいけません。
もしかしたら、パッドを換えなくてもこの部分を別銘柄にするだけで
不安は大きく解消されるのではと推測します。
また、ホイールの太さも大切。純正は全て4インチ(4.00B)幅ですが、
はっきりいって限界まで細いと思います。ホイールが細ければ必然的にトレッド幅も
細くなりますので、燃費も乗り心地も良くなりますが、反面、必然的にグリップ力は
小さくなります。同じ銘柄の155/65・60R13や70R12タイヤを使っているとしても、
使うホイールの幅如何で、実効接地面積(幅)は大きく異なるからです。
市販汎用ホイールの場合は、このような細さの製品はまずありません。
殆どが4.5Jか5Jで、それぞれ1/2・1インチも純正比で太くなり、同一タイヤを
履き替えても見た目でハッキリ解るほど装着時の太さと接地面積が異なります。
太いホイールを使うことで、燃費や加速性は犠牲になりますが、その分
グリップと制動安全性が天秤に掛けられていると考えて、
ドレスアップ目的だけではなく安全・制動力改善のために太いホイールへ
換装するのも一つの方法になると思います。ちなみに
現在はプレオ用で純正規格の5.00Bも出ていますので、デザインの好みは
ともかく、純正アルミにこだわる場合はこれも良いかなと思います。


Bブレーキフルードの交換

VIVIOに限らず、通常の車の場合ブレーキフルードはDOT3が指定されています。
レガシィもインプレッサもです。これはブレーキフルードとしての上限性能よりも、
ごく大人しい一般走行を仮定した経時耐久性を重視している結果ではと思います。
フルードに無頓着な一般ユーザーが長期間に渡り無交換で過ごしても、
決定的なトラブルに繋がりにくくする為です。ちなみにブレーキフルードの性能は、
DOT3<DOT4<スーパーDOT4<DOT5.1と、
数字が大きくなるにつれて上限沸点が上がり高性能になりますが、
それと引き替えに吸湿耐久性が落ち、寿命が短くなります。その代わり
ベーパーロックを起こしてエアを噛む確率が改善される訳です。
山道などを攻めて走る人にはこの差が体感出来ると思います。
純正のDOT3では直ぐにエアを噛み、ペダルフィーリングがぐにょつきますから。
私の場合、NA時代に、峠の後などエア抜きを何度も繰り返す羽目になったため、
それからはSuperDOT4を使うようになりました。これは、DOT5に匹敵する沸点ながら、
DOT4規格並みの吸湿耐久性を持たせたフルードで、( 弱点は、確か氷点下での
低温流動性がさほど良くない点だったかな ) これを使うようになってからは、
慢性的にエアを噛んだりペダルフィーリングが悪化したりする事は無くなりました。
ちなみに使用している銘柄は「BP」です。1Lではなく500ml缶で2000円弱と高価ですが、
VIVIOの場合、丁度500ml1本で足りてしまうのでこれを選んでいます。交換後は、
ペダルフィーリングがダイレクトになり、制動距離が大きく改善されるのが良く判ります。
寿命を考慮し、一年点検時に必ずブレーキメンテ・フルード交換をする
甲斐性がある方は、安全運転のためにこちらを使ってみるのも一つの方法です。

DOT5.1について:良く誤解されていることに、DOT3〜4のフルードは
グリコール系で、DOT5はシリコン系だから、これらを混ぜてはいけない、
普通の車にDOT5を使ってはいけないと言われる事があります。
異種フルードを混ぜるとブレーキが正しく利かなくなり事故に繋がるそうです。
それは確かにそうなのですが、一般的にカー用品店等で売られている
DOT5のフルードは、良く見るとDOT5.1と書かれているモノが多く、
これはシリコンではなく、DOT3〜4と同じグリコール系の高沸点フルードです。
ですから混用に対する親和性もありますし、当然、グリコール系が
使われている一般車両に使用しても、経時耐久性の低さ以外問題はありません。
一年おきと言わず、頻繁にフルード交換される方の場合はこちらもアリだと思います。
DOT5.1購入時は店頭で表示成分を確かめてください。グリコール系と
書かれている場合は問題なく使用できます。ちなみにちょっとイケナイ使い方になりますが、
DOT3や4を使用していて劣化が酷くなった場合に、リザーバータンク内の
200cc程度だけでもDOT5.1と入れ替えてあげると、短期間ではありますが
ペダルフィーリングが改善されます。以前バ○クスでこのメニュー(1000円)を
扱っている店舗があったんです。混用によるトラブルに関しては自己責任ですが、
普通のフルードでグリコール系同士であれば一応大丈夫な筈です。
スタンドでこのようなメニュー(DOT3ですが)を行っている場合もありますし・・・(汗)

Cディスクローター研磨

皆さんのVIVIOのブレーキディスクの状態は如何でしょうか?私の場合、
NAを購入した当初から左側のローターのみ凸凹スジが入り、
ガタガタに削れる症状とキーッという異音に悩まされ、最初の一年に
クレーム分解整備やらパッドの交換(有料っす)を何度かお願いしたのですが、
結局最後までこれを直すことは出来ませんでした。ブレーキング時にも
小さな音ですが鳴きが片側から発生してました。これらは何故か
左側のみで発生し、右側のローターには全く異常無し。ディーラーでは
最後まで個体差で片づけられてしまいましたが、タイヤがロックする位の
フルブレーキング時などは、車が横を向いてしまいそうになり、かなり怖かったです。
そして現在乗っているS/C車では両側とも綺麗な削れ方で異音も全く発生しません。
今考えるとあのディーラーの対応は幾ら何でも不味い気がする・・・(汗)
こんな時にはとりあえずローターを研磨してみるのも手でしょう。
目視で判るほどローターのスジが波打っている場合、それが
足回りのアライメント等の根本的なズレ、もしくはキャリパーやパッドの
異常から来るものでしたらローターを削ってもいずれまた元の木阿弥でしょうが、
少なくとも原因が乱暴なブレーキングによるローター自体の偏摩耗なのか、
それとは違って車側の構造的な問題なのかを見極めることが出来ます。
研磨自体は数千円で済みますし、ローター新品でも一枚7千円程度です。
また、NA車にお乗りの場合でも、ホイールが既に13インチであれば、
S/C車用の13インチのベンチレーテッドディスクに入れ替えることも可能です。
ただ、今考えると新車から既に偏摩耗がある場合は、大切な
保安部品なのですから保証適用で無償交換して当然でしょうね。