●●●ラジエーターとクーラント●●●


●ラジエターキャップ●

水冷機構関係で、とりあえずユーザーがいじれるのは、ラジエターキャップの交換です。これが結構故障しやすい部
品で、気が付かない間にキャップが壊れてしまい、プレッシャーがゼロになってしまう事は結構あります。私も新車半
年程度の時に点検でキャップの故障を指摘され、新品へ交換した経験があります。ちなみに0になっていても、町乗
り程度でとろとろ走っている分には、ポンプやサーモスタットが壊れてなければ一応問題は起きないみたいです。よっ
て発見が遅れてしまい、いざとなって高速走行時にトラブル発生等と痛い目に遭うこともありますので、意識的・定期
的にチェックするように心掛けましょう。ディーラーやバックスでは、空気圧など一緒に日常点検時にお願いすれば、
簡単にチェックして貰えますから、正しく機能しているか定期的にチェッカーで検査して貰いましょう。

ちなみにスバル車はキャップのプレッシャーが0.9sと比較的低い数値なのですが、スポーツ用の物に交換すること
で、それを1.1sあるいは、1.3s程度の圧力へ上げることが出来、LLCの沸点を上昇させることが可能です。.
STIをはじめモンスターその他各社から上記圧力のプレッシャーが発売されています。価格が2〜3000円と標準品よ
り高価なのが難点ですが、飛ばすことの多い人は対策されるのも良いかも知れません。ディーラーで1.3sのSTIの
キッャプを使っても大丈夫?と質問したときは、極端に内圧負荷をかける訳ではないので大丈夫でしょうとの事でし
た。しかし、厳密には競技部品として保証が外れる事もありうる?と思いますので、交換は自己責任が基本となると
思われます。圧力が上がれば、それだけ冷却機構に内圧としての負荷が掛かる訳で、結果的にこの部分の機械的
な信頼性、耐圧安全性・耐久性を多少なりとも犠牲にすることになります。その為にSUBARUは自社のモデルのプレ
ッシャーを低めに設定しているのか、別に0.9sでも実用上まず問題は無いからかは、私には分かりませんけど(笑)


●LLC・ロングライフクーラント●

LLCの混合濃度は通常、水との割合がLLCが3:水が7程度、寒冷地では5:5程度が基本です。LLCは濃ければ
よいという訳ではないらしく、30〜35%程度では程良い防錆性が発揮されるが、それより濃くなると、今度は鉄には
良くてもアルミニウムには害があるとのことです。( ちなみにVIVIOのラジエーターはアルミ製です。) しかし、薄めれ
ば薄めるほどLLCの凍結防止効果、ラジエーターの錆止め保護効果等は低下しますので、使用条件に見合った濃
さにすることが大切です。また、一般のLLCは冷却性能を上げるのが目的ではなく、沸点を上げ、不凍性能や防錆
保護性能、潤滑性能を維持するのが目的です。LLCは水の4倍の粘性があり、熱伝導率も水の70%程しかありませ
ん。濃ければ冷えるというのは間違いで、冷却性能に主眼を置く場合、濃度は控えめの方が良いみたいです。また、
エンジンの冷却性能の差は、結構燃費にも影響を与えるらしく、その意味でもクーラントには気を配った方が良いみ
たいです。

高速などで全開走行を続けていると(特にNAは100qでも全開ですよね(^^;)、流石に水温系の目盛りが普段よりも
やや高めになってきます。それに対する対策として、標準品のLLCではなく、スポーツ走行用に開発された社外品の
冷却剤を利用する手があります。ちなみに私の場合、NA時代からナポレックスのM'sのスーパークールというLLCを
使用しています。通常のLLCと違い、水温上昇が早く、暖気時間が短縮される点、所定の温度に達してからの冷却
性能が、通常のLLCを大幅に上回る点などが効能として謳われています。多分粘性が低いんだと思います。あと、
濃度を上げるとそれに比例して沸点と冷却性能も向上するらしく、通常のLLCと違って濃い方がより良いみたいで
す。上手に利用すればエンジン保護、冷却効率向上に強い見方となります。対一般LLCとの性能差や水との混合
比による沸点・凍結点・温度カーブの違いに関して詳しくパッケージに記載されているので、購入前にじっくり比較す
るのが良いでしょう。
他のメーカーではビリオン、ACデルコなどがあります。ACデルコのLLCの場合、冷却剤としてのスペックは、スポー
ツクーラントと比べて控えめ(従来のものよりは良い)ですが、高性能・長寿命な新世代のLLCとしてGMの認定も受
けている代物です。M’sやビリオンの製品は一応LLCですが、他社のものではLLCとしての性能や耐久性を一切考
慮していない純粋な競技用冷却剤もみられますので、こちらを間違えて購入しないように注意が必要です。また、一
般スポーツ用のLLCの場合も、耐久性の面でノーマルのLLCより劣る場合がありますので、購入時には記載事項
等に注意が必要です。また、M’sやレッドラインなどのブランドにLLCへの添加剤タイプの冷却効果向上剤もありま
すが、LLCはそもそも異銘柄の混合による不都合があるとも云われていますので、同社製品同士で無い限りは余り
お薦めしません。特に色が違ったりすると見た目にも濁るでしょうし・・・、別にこんなの使わなくてもスポーツクーラント
は色々種類がありますし・・・(^^;。

ちなみにVIVIOのラジエーターLLC容量は2.7L〜3L程度ですので私の場合、M'sスーパークール1L缶2本(大手
量販店では1本1780円)に、残量分は水を混ぜる感じで、LLC:水を約7:3の比率に保っています。サーキット利用
等では、全く水を混合せず100%スーパークールで挑む使い方が、最大の暖気&冷却性能を発揮するそうです。但
し、あまり冷却性能が上がりすぎるとオーバークールになって逆にエンジンを傷める危険性もあり、匙加減には自己
責任が伴います。ちなみに、NA、SOHC共に、7:3の混合比では、水温計を見る限り全く問題ありません。それより全
開時や夏場でも針が標準点に安定する点や冬場の暖気が短くなる点のメリットが勝る感じです。但し推定で寿命は
長くないと思われますので(M’sには寿命が書いてないし他車のスポーツクーラントの場合半年との表記もある)、こ
れらのスポーツクーラントは1年毎に交換するのが無難かも知れません。使用状況が町乗りで、こんなの使うだけバ
カって突っ込みは無しです(笑)。

●LLCの交換時期●

メーカー指定では初回3年目、以後2年の車検毎となっています。LLCは結構汚れるものですので、年間走行距離
の多い人やスポーツ走行を嗜む方は毎年交換が良いかも知れません。とりあえず私は上記のスポーツクーラントな
ので一年点検毎に交換をセオリーとしています。面倒なのでビリオンやACデルコの様にもっと寿命の長い製品に乗
り換えたいです(笑)

●ラジエターの洗浄●

普段のメンテナンスに関しては、洗車時にフロントグリルからラジエーターフィンにシャワーやホースで強めに水をか
け、付着したゴミや汚れを落としてあげましょう。また、糸くずや小石等が挟まってしまう事も良くありますので、そん
な場合は串などで優しく取り除きましょう。この時に強くやると簡単にフィンを曲げてしまいますから作業は慎重に。ち
なみに、VIVIOのラジエーターにはAT・ECVT車のみにオイルクーラーラインがあります。ラジエーターはATFの冷却と
いう大事な仕事も兼ねているのですね。

●漏れ止め剤●

ストップリークと呼ばれている類の物で、それらの商品は、ラジエターのピンホール(1mm程度までの小さな穴)から
の冷却水漏れの補修や、または漏れ予防も兼ねて、LLCに規定量混ぜることで、いざという時のトラブルを未然に防
ぐ点等が謳われています。ただし、内容的に樹脂等の粒子等、冷却性能を悪化させる恐れのある成分が含まれてい
ると思われますので、安易に予防として注入するのはどうかと思います。水漏れの経験もありませんし、せっかくスポ
ーツ用クーラントを使っていることもあり、少なくとも私は入れていません。ただ高年式車や過走行のVIVIOで、既に
冷却水量の経時低下がみられる場合などは、これらをダメ元で利用したり、いざという時のために、トランクに積んで
おくのもありかも知れません。但し、直ぐに冷却水がダダ漏れしてくるような状況での使用は無意味ですし、故障時
の根本的な治療をする為にはラジエターコアを新品交換するしかありません。

●ウォーターポンプ●

VIVIOの抱えている構造欠陥?の一つに、ウォーターポンプの故障があり、メーカーでも特別保証扱いとして、トラブ
ル時には無償で交換して貰える様です。後期型では対策品に代わっていてこの様なトラブルはまず無いそうです
が、生産時期が比較的古い車ではけっこう故障数があるらしく、リコール未対策の初期・中期型にお乗りの方は特に
注意した方が良いと思われます。本当に壊れるとエンジン止まってしまいますので、ウォーターポンプから異音など
の症状が感じられた際には、お早めにディーラーでチェックして貰いましょう。

●サーモスタット●

他車向けの社外パーツで、開弁温度の低く設定されたとても高価なサーモスタットが売られているのを時々見掛けま
す。しかし、VIVIOの場合、実はRX-R等のDOHCモデルだけ、このサーモスタットの設定温度が違うんです。

SOHCその他 開弁85℃ 全開100℃

DOHC 開弁82℃ 全開95℃

この通り、SOHCモデルの場合はS/C、NA問わず純正のDOHC車用サーモスタットに換えるだけで実用域の冷却能
力を上げることが出来そうです(やったこと無いですけど(笑))。サーモスタットを換えても冷却限界は変わりませんが、
実用範囲ではこっちの方がスポーツクーラントよりも効きそうですね(笑)。オーバークールの心配はありますが、どうで
しょう。この位じゃ殆ど関係ないですよね?