●●●エンジンオイルにこだわる!●●●
★化学合成油を使おう!★
ここではVIVIO・EN07エンジンの為のエンジンオイルの話をしてみたいと思います。
オレはこのブランドがぜったいお薦めっ!とか、軽自動車たるもの安さが第一!とか、やっぱり純正、はたまた特にこ
だわってないョ〜、などなど色々いらっしゃるとは思いますが、私の場合、純正オイルが既に充填されている最初を別
にして、その後はずっと100%化学合成油を使ってきました。やはり廉価な鉱物油・半合成油と比べると、体感でも明
らかに摩擦抵抗の少なさが感じられる程フィーリングが滑らかですし、対摩耗性、清浄分散性、耐熱・放熱性、耐久
性等、100%化学合成油はエンジンオイルとしてあらゆる面で頂点を極めています。EN07エンジンは、エンジンオイ
ル容量が普通車の半分にも関わらず、その2倍以上の回転数を常時要求される、レーシングカーや二輪にも近い大
変に過酷なエンジンです。SUBARUの優れた技術によって、ラリー競技でも十分に活躍できる程の高い耐久性が証
明されていますが、その反面、整備解説書を参照すると、一般車と比べてオイル交換のスパンが短く、シビアコンデ
ィションでは2500km(MSC車)の指定がなされています。NA車はその倍となっていますが、ローパワーなNAの方が、
ちょっと走ろうとすると逆にMSC車と比べて遥かに高い回転数を要求されますので、全開走行が日常的な場合など
は、MSC車と同様にメンテナンスには気を使われた方が良いと思います。
注:シビアコンディションとは、山岳・未舗装路走行等の他に、
町乗りONLYの様な、短距離走行を頻繁に繰り返している場合も該当します。
★オイル交換の目安★
オイルのへたり方は走行条件や車の状態、オイルの銘柄によってもかなり変わってきますので、一概にこれといっ
た交換時期の目安は付けにくいのですが、私の場合、一応2000〜3000q走行後、若しくは春秋の季節の変わり目
にしています。大体2000q程度走ってみて、フィーリングが体感で落ちていれば交換。この辺の判断は走り方や銘
柄でそれなりに距離が増減します。先にも書いたとおり。メーカー指定では6ヶ月または5000q毎(MSC)。(注:NAは1
万q)シビアコンディション(町乗りONLYor山道等)ではその半分になります。オイル容量が小さく、高回転なVIVIOの
オイル・エンジンルームは汚れやすいでしょうから、その点を考慮して頻繁に交換する方が理想的です。
さて、ここではどの銘柄のオイルが良いかという話はとりあえず置いておいて、
VIVIOのエンジンと粘度についての視点から述べていきたいと思います。
●VIVIOでいくつかの粘度を試した印象のまとめ●
()内はそれぞれ40℃-100℃の平均的な動粘度(cSt)
エンジンオイルを選ぶ場合、最も基本的な問題が粘度の適合性です。下記は、一般的に多く市販されている粘度別
のオイルの印象です。10W-30といった二つの数字は、一般的におおざっぱにみて、W側が冬場の冷温時の粘度特
性、30、40等がエンジン使用中の高温時の特性と言われていますが、二つの数値は、氷点下での凍結限界や超高
温での油膜保持限界など、規格上の限界域を表現しているモノであり、常温〜実用域の温度では、カッコ内で動粘
度を示したとおり規格に対して相対的に変化するものです。解りやすく言説明すると、エンジンスタート時を常温(例え
ば5℃〜30℃)とした場合(降雪地での氷点下などごく特殊な状況は除く)、同じ5Wであっても、5W-30と5W-40を比べ
ると、5W-30の方が常温時から柔らかく、実際に始動時にセルが楽に回りますし、10W-30と比べても5W-40の方が
常温時には相対的に固めなことが多く、5W-50にもなると、極限下での低温流動性はともかく常温ではかなり硬く感
じられます。即ち冷温側の数値が一緒でも、高温側が異なれば常温では同様の粘度ではありませんし、高温側の
粘度の場合も、低温側の数値に引っ張られて相対的に上下するのが実状です。実際に缶からオイルを流してみても
常温粘度の差は判りますが、VIVIOの特にNAの場合、始動時のセルの回転数の差で明白にオイルの硬さが体感出
来ます。この様な経験から、オイルの粘度表記は、常温とはやや異なる為、実使用時にはあくまで動粘度を推測し
て、フィーリングが丁度良いオイルをチョイスするようにしています。
10W-30:(65-10)
VIVIOのメーカー指定粘度だけあって標準的で無難な感触。始動性もまあまあで、極端に飛ばさない限り夏もそこそ
こ使えます。町乗りで特にスポーツ走行はしない人、オールラウンドで季節を選ばず、レスポンスや馬力など細かな
感触には特にこだわらない人向き。この粘度の化学合成油が少ないのが難点といえば難点かも。
5W-30:(60-9)
何故か軽自動車専用の化学合成ハイスペックオイルに多い粘度。標準10W-30よりも始動性が良く、冬季の寒冷地
向き。反面高温時粘度は30クラスの中では控えめ。柔らかくレスポンスがスムーズで燃費が良い事になっている。し
かしトルクが細く加速が貧弱になるので、ついつい踏んで回したくなるので燃費のメリットは・・・滝汗。本来この手の
オイルで燃費向上が図れる車とは、通常の走行に於いて車体重量比で十分なトルクとパワーがある普通車の場合
であって、極端に低排気量でアンダーパワーな軽自動車にも当てはまるかは謎です。少なくとも私の走り方の場合
では逆に燃費悪化に繋がります。高温粘度が柔らかい分スポーツ走行時にはかなりタレ易く、粘度寿命は短い。夏
場やエンジンをぶん回したときは直ぐにサラサラになってしまう。冬季若しくは寒冷地等で、町乗りでスポーツ走行を
全くせず、オイルをこまめに取り替える人、普段高回転を使わない人向き。個人的には敢えてVIVIOでこの粘度を使う
のでしたら 0W-40の方がお薦めです。
5W-40:(90-14)
VIVIOの標準指定よりやや固めですが、オールラウンドに使えて、尚かつ峠越えや長距離遠征など、軽いスポーツ走
行等にも対応。10W-30と比べると常温粘度は固めな為、厳密には始動性は若干劣ります。銘柄によっては冬場セ
ルに少々負担が掛かる場合も。VIVIOの小さなエンジンでは、コンプレッションの向上やエンジンの抵抗がトルクとな
って体感できるので、逆に非力なエンジンに対して適度なパワー向上に繋がり、0W-40と並び、町乗りとスポーツ性
能を最もバランス良く両立できます。さほどアクセルを開けずにハイパワーが得られるため、5W-30の場合とは逆説
的に、不足しているパワーを補う形で、結果的に実用燃費の向上に繋がると思います(注:あくまで私の走り方の場
合です) 但し、銘柄や使用地域によって町乗りONLY程度では冬場に始動時の回転の重さが気になることも。それ
と、オイル交換スパンを長目に保ちたい場合、これくらいの硬さのオイルの中から、化学合成油をチョイスする事をお
薦めします。余程の無茶をしない限り、町乗りから長時間の高速や峠まで、オールラウンドに対応できます。
5W-50:(120-18)
5W-40の印象を更に硬くした感じ。レスポンスが重要な小排気量&スモールパワーのVIVIOの場合、通常はやや硬
過ぎると思います。真夏はともかく、暖まらない冬場は始動時などかなりエンジン抵抗がきつくなります。反面熱ダレ
は極少ですので、とにかく何を於いてもスポーツ走行をまず重視したい人向け。町乗りも含めて気持ちよく乗るにはこ
の粘度が実用上限だと思います。高温粘度がこれだけ有ればサーキット等でも十分に活躍できると思います。
この重さ・抵抗感は一歩間違うとエンジンにも負担が掛かりそうですので、低燃費な点も含め、町乗り中心のライトユ
ーザーには余りお薦めしません。
0W-40:(75-13)
最近見かけることが多くなった0w-40は、VIVIOで使用した場合、他の粘度と比べると明らかにレスポンスが良く、エ
ンジン回転もエンブレが弱くなったと感じる程滑らかです。個人的にアクセルパーシャル状態で車が何処までもすー
っと滑っていくのが気持ち良く、加速と滑らかさをここまで強烈に感じさせる粘度は初めてでした。しかも高温粘度が
40の為、5W-30の様に良く回るけど常にパワーが無い、コンプレッションが足りないといった様な事も普段はありませ
ん。またこの規格は今のところ化学合成油しか無いのも特徴。新しい粘度ですので、開発時期が新しくPAOやエステ
ルベースなどの最新技術を応用したオイルばかりですから、エンジン保護・油膜・燃費・清浄分散性・揮発性・剪断
性・対環境性能などの項目で、トップクラスの性能が維持されています。弱点はベースオイルが柔らかいために、
粘度寿命が少し悪い点。2000km程度毎にこまめに交換する場合にはお薦めですが、パワーを追求する場合、無交
換で5〜6000kmも引っ張る様な場合には避けた方が無難です。また、レスポンス重視でライトなクルージングを気持
ち良く楽しみたい向きには合っていますが、VIVIOの場合、高速走行や峠で長時間回した場合等は、高温による一時
的な粘度低下に起因する熱ダレによって一時的な加速不良に繋がることもあります。(何処かで止めて一端エンジン
冷やせばトルク復活します)流石にこの点5W-30よりはましですが、寿命が短い点も含め、これはあくまで短距離
STOP&GOを繰り返す都会等で、省燃費走行をする様なケースでのお薦めです。連続高速走行や峠などハードな走
り方も想定される方は避けた方が無難です。
0W-30・0W-20など更に低粘度のオイル
これ環境対応低燃費指向の現在、エンジン内部のクリアランスなどの製造精度が高く、摩耗耐久性の高い最新の環
境対応エンジンに対応して設定された、殆ど専用設計とも言って良いエンジンオイルです。即ちこれはそういったエン
ジンだからこそ発揮できる低燃費であって、VIVIOの様な精度レベルの異なる旧型のエンジンでは低燃費どころか、
圧縮抜けによるパワーダウンから加速不良ひいては燃費悪化の原因になりますし、第一摩耗耐久性の面からみれ
ば、油膜切れなどのトラブルに繋がりやすく大変危険です。こういった低粘度オイルは、オイルとしてのエンジン保
護・油膜保持性能は低く、それでも大丈夫なほどの高いピストン・シリンダー等の精度と耐久性を持つ最新型のエン
ジンだからこそ使用が許されているオイルです。(精度維持+柔らかいオイルでオイルによるエンジン内部の抵抗を
極限まで減らし・燃費向上に繋げようといった考え方です。)ともすれば目新しく高価で高性能なオイルのように感じら
れますが、そもそもの粘度保持能力は低く、耐久性にも問題があり、それらをカバーするため最先端のオイル製造技
術が必要になるのです。だからといって、旧来の車に対して高粘度オイルのような油膜保持性能や耐久性がある訳
ではありませんのでご注意下さい。つーかVIVIOでは使わないでね(汗)。
●鉱物油と化学合成油の違い●
化学合成油を一度思い切って使われると判ると思いますが、一般の鉱物油とは、エンジン回転の滑らかさが全く異
なります。同一粘度間で比べた場合、滑らかさが格段に向上し、回転がスムーズになって吹け上がりが良くなるの
が体感できます。また、パワーアップしたように感じる場合もあります。ベースオイルの質の違いだけで無く、
コストがかけられる分、添加剤等にも各種の工夫が施され、
より摩擦抵抗が少ない
粘度・油膜の保持力が高い
高レスポンスで熱ダレしにくい
油温が上がりにくく、揮発しにくい(減りが少ない)
清浄分散性が高く長期間劣化しにくい
振動・騒音も滑らかで静か
等々よりエンジン保護能力に長けているのが特徴です。時々、高価な(化学合成)油を長く使うか、安い(鉱物)油をこ
まめに取り替えるか、どっちが賢明?等の議論がありますが、VIVIOに関してはどちらもNG。インターバルの比較的
短いメーカー指定の点からも長く使うのはお薦め出来ないし、安いオイルは、保護性能も安かろう悪かろうで、せっか
くのエンジンの性能が限界まで引き出せないばかりか、長い目で見るとエンジン寿命にも関わってきます。化学合成
油ならより寿命を延ばせると言った方が適切ですが・・・。660ccでしかも4気筒、極めつけの小排気量高回転エンジ
ンで、過給器まで付いているVIVIOは、余裕のある普通車とは比べものにならない程過酷な状態に置かれたエンジ
ンです。その過酷さはスポーツカー並みと言っても過言ではありません(ウソ)。ですから、愛車を長く大切にするのでし
たら是非とも適正粘度の上質な化学合成油を使い、メーカー指定に従ってこまめに交換する事が理想です。
といっても肝心のスバル純正のオイルは鉱物油なのですがー(爆)それを考えると、純正油をこまめに換えるのが実
は正しい答え!?この観点からすれば純正を敢えて選ばれる方のご意見には一理あります。まぁその辺は好き好き
という事で・・・(滝汗)。純正エンジンオイルじゃないとエンジンの保証はしません!なんて話は昨今あまり聞きません
し。富士重工さん、車が体育会系なんだからプロドライブかSTIブランドの純正化学合成油くらい出してよ〜(^^;。そし
たら拘るみなさんもきっとディーラーでオイル交換する様になりますからー(笑) ちなみにSUBARU用品では、エルフの
化学合成モーターオイルを販売してたりします。インプ用なのか粘度がVIVIO向きじゃないのですけど・・・。
●化学合成油は持ちが悪い?●
時々こんな話を耳に挟む事がありますが、確かに化学合成油は初期性能の高さを実感できる反面、逆にいえば使用
中の性能劣化が体感で判り易くもあり、これが化学合成油は持ちが悪いと誤解される所以だと思います。例えると、
新油時には独特の感触でぬるぬるとスムーズに回るエンジンが、数千km走行して劣化が進むと感触が少しずつガ
サついて来ます。標準的な鉱物油の場合は、化学合成油と比べた場合、新油時から既にフィーリングがガサついて
いる感じですので、初期性能が低い分、逆説的に性能劣化が目立ちにくく、化学合成油ほどハッキリした落差での
劣化が感じられないのです。注:平均的に化学合成油が良いフィーリングを保てるのは2000〜3000km走行程度迄
が多いようです。ちなみにどんなオイルも新油のパワフルで滑らかな性能は、大抵数百km程度しか持ちません。そ
の後、性能が新油より一段落ちてはいるが、不満無く十分に滑らかな状態が何処まで続くかが目安になります。大く
の場合2000kmを過ぎた辺りからガクッと感触が落ち、滑らかさを失ってガサついたフィーリングになります。逆に
3000km走行しても未だ滑らかさが保たれているオイルの場合は、とても持ちの良い長寿命なオイルであると言えま
す。また、基本的に低温粘度側の表示が柔らかいオイルは、ベースオイルが柔らかいため、粘度寿命は短くなる傾
向があります。(品質劣化の速い粘度指数向上剤に頼って高温側の粘度を上げているからです。) 粘度と潤滑性能
が比例するとは必ずしも言い切れませんが、(一見柔らかくても、エステル系などは油膜保持性能が高い)少なくとも
粘度低下によって馬力やレスポンス、燃費はかなり悪化しますので、へたったオイルで走り続けるのはあまり気持ち
の良いことではありません。長期間同じオイルで引っ張りたい場合は、低温粘度指数が低いものより、ある程度高い
ものの方が、滑らかさは別にしても、より長期間パワーを維持することが出来るようです。
●鉱物油の話●
化学合成油が良いのは判っちゃいるけど、経済的な優先順位からすると使えない〜という方もいらっしゃると思いま
す。そもそもそんな余裕があったらVIVIOなんて乗らねーごらぁ!と言われると、実際返す言葉もございません(爆)そ
んな場合は、鉱物油の中でも、SL規格でVHVI・高VI鉱油、水素化分解基油等と呼ばれるものを選びましょう。ベース
オイルとして最新のSLグレードにも対応する耐久性能と備えた精製度の高い鉱物油で、分類上も化学合成油に準じ
る性能が確保されています。鉱物油でSL認証を得るためには、この高品位ベースオイルを使用する必要があります
から、質の悪い鉱物油を混ぜた中途半端な価格帯の半合成油などよりも良いかも知れません。
●省燃費とエンジンオイルの関係●
意外に誤解されているポイントが、エンジンオイルと燃費の関係。一般に省燃費性能が高いと認定さていれるエンジ
ンオイルは、0W-30や5W-30等、動粘度がサラダ油のようにサラサラで、ピストンの回転抵抗が少ない、高レスポン
ス・ローパワーのオイルを指しています。そして、何故かこんな柔らかい粘度オイルが軽自動車専用の3Lパッケージ
として、社外品オイルの主流になっています。確かにエンジン精度が高く、環境対応で燃費や排気性能に留意して
設計された最近の車や、元々車重に対しての馬力・トルクに余裕があるリッターカー以上で、あまり飛ばさない模範
的な走り方をする場合には、この手の低粘度オイルが確かに省燃費に繋がると言えましょう。ですが、果たして軽自
動車の様に極端な低トルク・低馬力、高回転型のエンジンの場合にも、本当にこのセオリーが当てはまると言えるの
でしょうか?実際にはこういった省燃費の認証試験自体が、小排気量の軽自動車等ではなく、正反対とも云える大
排気量車で行われているのです。私の感じている範囲では、ストップアンドゴーを繰り返す市街地走行での実用に於
いて、省燃費・低粘度オイルでは、コンプレッション抜けによって高負荷時のパワーロスが大きく、特に加速時に於い
ては、周囲の流れに乗るために必要十分な瞬間加速を得ることが出来ず、結果として加速時にアクセル開度が大き
くなり、慢性的なエンジン高回転状態に陥ります。必然的にエンジンにとっての尤も高効率で燃費良好な回転数は
外れ、しかも瞬発トルクが確保できないので、回しても回しても気持ちよく加速しないという泥沼に陥りやすいので
す。こうなると、同じように走っているつもりでも、ドライバーはストレスを感じ、無意識的にであっても必要以上に疲れ
てしまうものです。しかも低粘度な訳ですから、当然低粘度オイルはエンジンに対する耐摩耗保護能力も相対的に低
く、普通車より遥かに高回転で過酷になりがちな軽自動車には本来向かない筈です。低粘度オイルでその能書き通
りの低燃費を発揮するためには、60km定地走行のような、ごく非現実的な乗り方か、加速の悪さのために後から煽
られても、一向に気にしない程のマイペースさがないと無理なのではと思います。無論、こういった大人しい走り方が
可能な場合は話が別なのですけど。そうでない限りKカーで燃費を稼ぐには、セオリーとは逆さまに有る程度高温粘
度が高く、町乗りでも元々足りない瞬発トルクや馬力を補うために、オイルの粘度でシリンダーのコンプレッションを高
め、パワーを底上げしてあげた方が、実使用上は高燃費に繋がるのではと感じています。実際、VIVIOで、同一走行
条件内の高燃費を記録したいと思ったら、オイル交換後の新油効果によるパワーと回転抵抗の少なさの両立状態に
頼るのが経験上一番効果的です。ただし、これも上質なオイルで適度な硬さという範囲の話であり、スポーツ走行を
目的とするような硬すぎるオイルの場合、今度は回転抵抗が大きくなりすぎ、アクセルパーシャル状態でのエンジン
抵抗が増し、レスポンス悪化で燃費を悪化させたり、始動時にオイル巡りが遅く、ドライスタートを誘発する要因にな
りますので。あくまで、エンジンに見合った適度な粘度こそが結果的に一番高燃費に繋がると思います。
●オイルの規格●
近年、SG(この時代は自己認証)<SH<SJ/GF-2<SL/GF-3と毎年のように規格変更がなされているエンジ
ンオイルですが、上質な化学合成油に限れば店頭にあるのはもうSJかSLのみですので、あまり規格を気にする必要
はないと思います。SL規格になってから更にに向上した点ですが、環境対応の流れの中で、より環境性能・省燃費
性能等の基準数値が厳しくなった点が知られていますが、SJとの一番の違いは、一定期間走行後の省燃費性能や
耐摩耗製に対する基準が初めて設けられた点でしょう。即ちSJ規格までは新油性能が一定基準を満たしていれば
認証が取れたのですが、SLではその性能が一定条件下で一定期間維持できなくては認証が取れません。即ち、SJ
規格では、廉価な鉱物油などでそれ程品質の高くないベースオイルであっても、低寿命の添加剤等で底上げし、初
期性能を一定基準以上にクリアすれば認証されたのですが、SLでは耐久試験の項目をクリアしなくてはならない
為、ベースオイルの品質が高くなければ、添加剤で底上げをして誤魔化したところでSL認証が下りなくなったので
す。その点からSL認証が得られたオイルは実用条件下で信頼性が高いと云えるでしょう。特に認証条件に於ける下
限性能付近にある低価格オイルの場合、SLグレードを選ぶことで大きく耐久信頼性が増すことになります。
GF○○と呼ばれる規格は、API規格のSJ・SLをベースに、日米の自動車工業会のオイル規格認定組織"ILSAC"
が、省燃費性能・省燃費持続性・耐蒸発性の項目で独自に更なる厳しい条件を科している規格で、この認証が下り
た場合APIのドーナツマークの他に、スターバーストマークが併記されます。只、認証条件が更に厳しいため、高温側
粘度指数が40以上のオイルの場合、高品位オイルであってもスターバーストの認証をされているオイルは存在しま
せん。事実上0W-20、5W-30など環境対応低粘度オイルを評価する規格だと思います。
CFとは
APIのSL・SJなどの横にCF或いはCF-4と併記されたオイルがあります。これはガソリンだけではなくディーゼルエン
ジンへも対応していることを示すAPI規格で、VIVIOには直接無関係なのですが、ディーゼル対応オイルとするために
は、一般にガソリンエンジン用よりも高い清浄性能が要求されるため、俗に両規格に対応するオイルは、純粋なガソ
リン用のみのオイルと比べて清浄性能に於いて優れていると言われています。ハイエンドの化学合成油でも、CF対
応をしているどうかはブランドによりまちまちのようですので、この部分を少し気にしてみるのも、或いは面白いかも知
れません。
●お薦めのエンジンオイルは?●
正直なところ、適切な粘度の100%化学合成油で、一般に店頭市販されているSJ、SLの
ドーナツマークの認証を取得しているオイルでしたら、ほぼ何でも間違いはないと思います。
ブランドは個人の好き好きですし(^^)。特に品質にこだわる場合は、ベースオイルに
ポリオールエステルやコンプレックスエステル等を使った、レッドラインやモチュール、
或いはトタルフィナエルフあたりが最右翼でしょうか。どちらにしても化学合成油であれば
通常一定の品質は保たれていますので、あとは銘柄間による微妙なフィーリングの違い、
VIVIOのトルクバンドとの相性などで、好きなオイルを捜されるのがよいと思います。
ちなみに現時点で私の一押しは、エルフのエクセリゥム5W-40"NA RoadSports"です。
だってエルフはスバル用品御用達だし〜(笑)<けれどこの粘度Dラーには無いのでした(^^;。
●オイル缶を買うときは〜●
化学合成油は一般に価格が高い(1L1500〜3000円程度)です。その為、出来るだけ無駄の出ないような買い方をす
る事をお薦めします。VIVIOは公称2.7リットルのオイル容量ですが、実際には2〜2.5L(フィルター交換時)程度しか入
りません。レギュラーの4L缶では単価が高価になり、しかも多くの場合1.5L以上も中途半端に余ってしまいますし、
各社で出している軽自動車向けの3L缶でも500cc以上が余り、仮にそのオイルのフィーリングがが気に入らなかっ
たとしても、次回へ持ち越しにしなくてはいけなくなります。この際、店頭交換時など、こちらが余りを持ち帰ると指定
しなければ、残った新油はなんとそのまま廃油と共に捨てられてしまうこともあります!<お店も商売ですから(爆)
これは個人的に金銭的にもエコロジー的にも許し難いですので、オイルは極力余らせないように買い、止もう経ず余
った分は、絶対に持ち帰るようにしています。しかし、余らないようにリッター缶で購入しても、肝心のリッター缶の多
くは、缶詰缶切りタイプの持ち帰り不能なパッケージなのです(涙)。そんな場合の対策ですが、プラスチックや蓋付き
缶等のキャップ付瓶入りの銘柄を選ぶか、事前に適当な空きペットボトル等を用意して店に持ち込み、余りを持って
帰れるようにしましょう!4L缶(L単価は少し安くなる)を買って余った分を持ち帰る手もあるのですが、購入時に一回
の単価が高くなる&余剰分の保存(一端開封したオイルは密閉しないと酸化が進みます)の問題、銘柄選択に失敗し
たときの痛手、中途半端に毎回余るため、後々の銘柄変更が難しい(その場合結局捨てるかブレンドせざるを得な
い)等から、ちょっと高く付いても、余りが出る買い方は極力避けるようにしています。
●交換時の留意点●
オートバ○クス等の用品店or自分で交換するか、どちらが良いか?自分でやるのが楽しめる人は車のためにも自分
でやりましょう(*^-^*)。(交換器具は電動よりポンプ式が良いみたいです。)ただ、私のようにDIYが苦手で、尚かつ近
くにお店がある場合、年会費(500円程度)を払ってオイル会員になった方が、自分でやるより器具を揃えずに済む分
安上がりです(汗)。平日の夜とかであればちょっとの待ち時間で済んでお手軽ですしね〜。この場合の注意点です
が、まず、オイル購入時にレジできちんと意思を伝えましょう。一例として、下抜きか上抜きか(VIVIOは下抜きの方が
抜ける?)、2リッター少しで足りる事。余ったオイルはお持ち帰りする事、フィルターやドレンガスケットの交換の有
無、オイルの量はゲージの真ん中或いはFULLまで、等の項目です。
また、多くの量販店では必要に応じて無料点検やタイヤの空気圧の調整をお願いすることも出来ます。ラジエーター
キャップのプレッシャーをチェックして貰うのも良いでしょう。但し、数ある中には作業が雑なケースもあり、オイルをFラ
インを超えて入れ過ぎたり、エンジンルーム内にこぼされたりなど、その他とんでもない事をしてくれるケースもあるよ
うですので、作業終了後は、お店を出る前に自らきちんとゲージでオイル量の確認をして、その他のトラブルが無い
か一通り点検することも忘れずに。(休憩室からガラス一枚でピットが見渡せるお店では、作業を眺めるのも良いでし
ょう。)また、土日祭日は何処もものすごく込み合って待たされますから、短時間で済み、余裕のある作業が出来る平
日や開店直後などに作業をして貰うのが良いと思います。一度信頼できる場所を見つけてしまえば後はお気楽です
けど(笑)。
●オイルの量・FとLでの違い●
VIVIOは元々エンジンオイルの容量が少ないですので、オイル寿命、温度性能等を考えると本来オイルは多めの方
が良いのですが、Fラインまで入れてしまうと回転フィーリングが結構重くもたついた感じになります。また、FULLライ
ンまで入れたりすると、VIVIOの年式によってはオイルが給排気系統から逆流して配管やエアクリボックスを汚した
り、更に入れ過ぎていたりすると、最悪吹き出す場合があるので危険です。逆に少ない場合ですが、エンジン回転が
軽くなり、レスポンスが向上すると等のメリットがありますが、容量の少ない分、相対的にオイル寿命が短くなります
し、油温が上がり熱ダレしやすくなるなどのデメリットがあります。また、最初からLラインギリギリだったりすると、エ
ンジンオイル自体走行中に消費されて徐々に減るものですから、直ぐに下限割れを起こし、最悪エンジンにダメージ
を与えることにもなりかねません。結局の所、ゲージの真ん中くらいの時が一番バランスが良く、交換スパンを長めに
取りたい場合のみ、揮発分を考慮して、Fライン近くまで入れてしまうのが良いのかも知れません。ちなみに通常フィ
ルター交換をしない場合、新油が2L分あれば、抜け切らない旧油分と合わせて、丁度ゲージの真ん中よりやや下く
らいまでオイルが入りますので、高価な化学合成油を交換する場合でも、大抵2L購入だけで済みます。フィルターも
交換する場合は+200〜300cc程度は必要になりますから、この場合は3L購入+余剰分お持ち帰りが基本です。
●オイルの汚れの見方●
ゲージに付けた状態で新油は殆ど無色に近い飴色ですが、暫く走行すると茶色く変色してきます。一端茶色になっ
てしまうと、それがどの程度の汚れなのかを目視のみで判断するのはかなり難しいです。教習所では指で触って粘
度を確認するとか教えられましたが、エンジオイルは皮膚ガンを誘発する危険性のある発ガン性物質ですし(オイル
缶には必ず表記されています)、そもそも触ってサラサラになっていると感じられるようでしたら、1万km以上も無交換
でほったらかした様なご臨終オイルでしかあり得ません(汗)。点検以前にここまでメンテしない方が困ったちゃんで
す。そこで私なりの確認方法ですが、小さく切ったキッチンペーパーにオイルゲージからオイルを一滴落とし、染みの
広がり方を観て、中心のスラッジとオイルが波紋となって分離する場合は、その分劣化していると考え、その程度を
把握してオイル交換の時期を見極めることにしています。
●オイルフィルター●
一般的にオイル交換2回に1回の交換が推奨されています。VIVIOの既定では10000q毎。2〜3000q台でオイル
交換している場合、3〜4回分は持ちそうですね。私の場合は自分でフィルター交換をした経験が無く、目安となり得
るような、汚れの進行度に対して目視でチェックをした経験もありません。とりあえず、無難なところでオイル交換2回
に(5〜6千q)1度交換しています。無交換では常に200cc程度の旧油を残してしまうことになりますので、こだわる
人は毎回が良いのかもです。新車の場合、初期の金属粉などを取り除くために5000〜1万q程度まではオイルと一
緒に毎回交換しましょう。フィルータの銘柄に関してはショップブランドから純正品まで色々あるようですが、私の場合
ドイツの自動車部品メーカー大手"BOSCH"のを使っています。理由は赤くてカッコイイから(笑) 見えない場所な
ので、ホントは赤くしても無意味なのですが、ここは気分だけでも赤がよろしいってな事で(^^)ゝ。でもホントは韓国
製、同じくバッテリーもBOSCHを使ってますけど、これも実はメイドインコリア(爆) ちなみにVIVIOに使える規格は、
小型のZ-2というモデルなのですが、外箱の対応車種表記が、いすゞヴィヴィオ・サンバーって(汗)。我々スバリ
ストを舐めているとしか思えないゾ(怒)。こんなお茶目なボッシュさんですので、品質の程はかなり保証しかねます
が、私はブランド品に弱いのです(爆)、ただ、品質に拘るのでしたら性能的には特許を取得しているデンソーのフィル
ターがお薦め。ここのは濾紙の折り畳み方が独特で、同サイズでもより広い濾過面積で、効率的に濾過できるように
なっています。それ以外のメーカーは基本的に縦折りの同じ構造ですので、殆どドングリだと思います。
今のところ画像はありません。
ショップで箱を回収し忘れてアップ出来ないっす(爆)。
●フラッシング●
VIVIOはエンジンが汚れやすく、2000qも走るとオイルは真っ黒。そこでついフラッシングをしたくなるのですが、
2代目Bistroになってから、私は一度もフラッシングをしていません。一般に、オイルフラッシングの場合は、清浄作用
のあるサラダオイルの如き(爆)低粘度のフラッシングオイルで数分フラッシングをしますが、どうも、フラッシング時の
音を聞いていると、粘度が非常に低いためか、かなりエンジンに良く無さそうなカチャカチャと甲高いノイズがして、正
直怖これで大丈夫なのかとコワくなります。ショップのメカニックさんのお話でも、あまり長時間やるとエンジンに摩耗
ダメージを与えるとの事です。数分でどの程度のダメージになるのかは知りませんが、気になる人は避けた方が無
難でしょう。フラッシング後の廃油は真っ黒になりますが、実際にどの程度まで洗浄が効果的なのかは不明ですし。
それより、フラッシングが必要無いように、普段のメンテナンスをしっかりすることです。それを怠らなければ、まず必
要はないのではと思います。
この他に、オイル交換前にエンジンオイルに足して暫く走行するタイプのフラッシング剤もあります(GRPのもある)。私
は使った事ありませんけど(^^)ゝ。
最近では一部のお店や日産系ディーラーで専用のフラッシング薬品とマシーンを使った、本格的なエンジン洗浄シス
テム(ビルシュタイン・フラッシング等)が普及してきました。こちらは未体験ゾーンですが、実際に体験された方々には
効果が感じられるようでなかなか評判良いみたいですね(^^)。非常に凝った方法で徹底的にエンジン内部を洗浄しま
すので、廉価なフラッシングオイルとは異なり、エンジン内部のきちんとした回復効果が得られるのではないかと思
われます。私もそのうち挑戦できればと思います。
●エンジンシール部からのオイル漏れ●
VIVIOの持病の一つに、経年劣化によるエンジンシール部からのオイル漏れがあるそうです。年式が新しく走行距
離が比較的短い私の場合では2台とも幸いオイル漏れの経験は無いのですが、旧年式車、多走行車では時々言わ
れているトラブルです。ここで心配なのは、一部の化学合成油の場合、鉱物油と比べてゴムシール部品との馴染み
が悪く、シールに比較的ダメージを与えやすいらしい点です。オイル漏れが確認される車では、症状を悪化させない
ためにもベースオイルの種類や粘度、添加剤には慎重になった方が良いみたいです。きいた話ではマイク○ロンを添
加してから漏れるようになった例もあるらしいですし・・・。ちなみにオイル漏れ止め剤等は、一時的に症状を抑える効
果がありますが、その効果はあくまで一過性。こうなると遅かれ早かれいずれエンジンのオーバーホールが必要に
なるみたいです。但し、新車から利用する場合は鉱物油よりも耐腐食性能の良い化学合成油を使い続ける方が、結
果的にエンジンシール部へのダメージは少なくなるらしいてす。この訳としてはベースオイルの対ゴム湿潤性・膨張
性・収縮性等以上に、オイルに含まれる腐食因子成分がオイル漏れを引き起こしたり、エンジンを傷めるような悪さを
するという事みたいです。
|