キャスパーとの出会い
キャスパーが我が家に来たのは11月である。
私達は出会う前からキャスパーをブリーダーさんのホームページで知っていた。
ドッグショーで目覚しい活躍をしているのも 知っていた。
ただ、私達とキャスパーを結びつけて考える事は無かった。
なぜなら、その頃、私達はベルの子のマリンを 飼っていて、
マリンでショーチャレンジを考えていたからである。
ある晩、ブリーダーさんから電話がかかってきた。
なんでも、キャスパーのオーナーさんが海外転勤になり、
キャスパーを飼えなくなったので我が家でどうかと言うのである。
とても、魅力的な話であった。でも、マリンがいる・・・
これ以上飼うのはどうなんだろう・・・・そんな複雑な思いが私の頭の中をめぐった。
「主人と相談してみます。」取りあえず、そう言って電話を切った。
翌日、ルージュパパに話をしてみるとやはり「マリンもいるしもうこれ以上飼えない」
との返事であった。
それを受けてブリーダーさんに断りの電話を入れることにした。
頭の中で断りの言葉を何度か繰り返し、練習した。
そして、ダイアルを回した。
「はい、OOです」と奥様が電話に出られた。
「××ですが、ご主人いらっしゃいますか?」
「あぁ、今晩は。主人は今出かけてるんですよ。キャスパーの件ですか?」
「そうなんです」
「キャスパーね、行くところないんです。みなしごになっちゃうんです」
「そうなんですか・・又電話します」
そう言いながら私の心の中には嵐が吹き荒れていた。
キャスパーが行くところ無いってどういう事?キャスパーはどうなるの?
又ルージュパパにその報告をした。主人は黙り込んで考えているようだった。
翌日、仕事に行く時、ルージュパパが「やっぱり、キャスパーを飼おう。
行くところが無いなんて可哀想。」
と言ってくれた。
「ただ、頭数が増えると大変で」
「ウン、頑張る!!」
ソソクサとキャスパーを受け入れる電話をブリーダーさんに入れ、
目出度くキャスパーは我が家の一員になった次第である。
本当に逆転満塁ホームランの様な展開である。
何かとの縁ってほんのちょっとの事であったり無かったりするのだなと
痛感したキャスパーとの出会いでした。
マリンを手放した今、本当にキャスパーを飼って良かった。
心からそう思う今日この頃である。
2010年6月20日永眠