721:朝日待つ木々に目配せして走る
主役のバトン渡し闇夜の
カーテン開けて帰る星々

722:亡き人の誕生日こそ思い知れ
過ぎし夕餉の数顧みて
我今ありとあわす手のひら

723:病み眠り重き頭をゆっくりと
窓見て久しつとめての空
明けぬは曇るわが瞳かな

724:大男
友を引きつれ久しぶり
嬉しくもあり日思うは悲し
父祖父もいて君も笑いき

725:梅の香を運ぶフェアリー風遊び
寒き中にもアロマテラピー
癒して
まつは春の訪れ

726:髪乱れ僅かにのこる肌色で
息を弾ませ走り寄る君
時計ながめて受け止める我

727:薄墨の怒りほとぼり待ちわびて
庭の鉢植え落ち花を添え
グラスビールで
いざよいのつき

728:かけよりてマフラーとりて首にキス
僅か引き寄す爪の先さえ
あたたかきかな春スタンバイ

729:花の香は梅桃桜バトンタッチ
浪花の春は光る汗とぶ
相撲センバツ経てプロ野球

730:眠りネコ枕替われどマイポジション
夏涼しくて冬暖かき
春秋触れる人肌ベッド

731:カレンダー弥生にそっと指させば
春とロールオーバーするも
肌は未だに手首まで
きぬ

732:君は言う ただ一度だけ会いたくて
届かぬ思いと
メールだと
胸張り打たば違うだろうに

733:トラウマと言いし昔を我は突き
さす傘の中そぼ降る雨を
振り返らせず君抱きしめる

734:人の世の
一夜に花は燃え尽きて
にごりくるうすやみの空
それもおぼろといゑばおかしく

735:虹をこめ丸き形で凪を行く
ふわりふわふわ行く道に咲く
マーガレットもただ見届ける

736:大和路を胸膨らませいきかえり
行楽でなくなりわいなれど
弾みて行きぬわが心かな

737:仰ぎ見て何も変わりはないものを
せめてもせめて月みるわけを
きかるるでなく話せるでなく

738:衣替えややはやまりてネクタイを
君の選びしデザインに替え
鏡を見てや凛たれとおもう

739:Don't cry!!君のまぶたにキス添えて
されどとまらぬなら抱き寄せて
「なくな」と我は背(せな)に書きぬる。

740:あしひきの大和三山(みやま)にさんざめく
家では見えぬ星に誓いを
立てて山之辺二度とかえらじ

741:亡き人を祝詞しのんで咲く花に
ひとみ移せばいとすがすがし
覚えたくなく覚えたるかな

742:空色が海を映して青ならば
我が知りぬる清流たちは
見えぬ星座の糸とならんや

743:メール打ち駅にて送信発車まで
「圏外」までにあと数秒ぞ
点滅すれどiよ負けるな

744:二人聴いたカフェテラス伝うBGM
You can't stop the music !
I can't stop my love for you !

745:風たちて秋にまたねといひけるを
梅雨の空見てうらめしきかな
汗を流していまいずこにと

746:ちぬのうみ 打ち出でてみれば 紺碧の
ふろしきひらり そっとゆすりて
届く島々 つつみこまんと

747:駅にいて 逢坂の関とみるまえに
風切る人や そぞろあるきに
明日も幸あれ あさってもまた

748:祇園さん 天神さんに祭りリレー
バトン知らずも道行く人の
浴衣姿がただそれしめす。

749:こころざし半ばに刃胸を
刺し
倒るる
きしは涙の川の
たたえてこらえたるしるしかな

750:宵まちて飲む杯に酔いまして
いつよりまして10ぺーじ
本読みましてまどろみへ行く