361:いづこまで川に流るるスカーフよ
先にくくりし第2ボタンと
ともに渡れと願ういらつめ

362:彼岸待つ我知らぬ世の遠き人
榊四季美と春一番
冷たき御影指にぞ語る

363:缶コーヒーいつも飲んでる自販機の
ボタン押す指かじかまぬ春
すべて「つめたーい」表示にぞある

364:テーブルの丸いグラスにポラロイド
写真の君を近づけうつし
包みゆすって伝えてみようか

365:一ツ家に固い黄金はなけれども
笑みを伴とし茶の間に聞こゆ
ああ美しき団欒の声

366:窓を開け春一番に髪なびく
BGMのオルゴールとも
青葉待つ君胸高鳴りつ
うさぎさんのバースデーを詠める

367:天気雨濡れて素顔のまま行かん
狐ですらも嫁に行く日に
真実とどまる白日の街

368:バラが好きなぜにそんなにバラが好き?
愛という名の花言葉ゆえ?
散り果てたあとトゲをにぎれる?

369:あけぼのとつとめての間の有明の
月に羽ばたく鳥に負けずや
背を凛として仰ぎ見る君
名護8さんのバースデーを詠める

370:世にあれば乙女可愛き我侭の
胸めがけふる巌となれど
口笛吹いて受けとめる君
篠原しのぶさんのバースデーを詠める

371:植木鉢花無き花に雪の花
触れればとける 儚さなれど(白日焼歌仙)
月夜に映える道標かな

372::北風を下地に春の薄化粧
ほんのり紅を 枝にひきつつ(白日焼歌仙)
草色の羽を招く白梅

373:いにしえとなりぬ西暦2000年
弥生過ぎてもまだ気付かずを
告げるはまっさらのランドセル

374:雪つつむ赤き毛糸のてぶくろの
空よりわらべはしゃぐを見たる
風神様はフレックスオフ

375:我は来ぬ四十路街道一里塚
遠く見ゆるは三十路なりけり
さっきまでいた三十路なりけり

376:「好きだよ」といわれて伸ばすポケットの
ペットボトルのウーロン茶にも
頬のぬくもりああ伝えたい

377:ちはやぶる神に会わんと草枕
旅ひさかたの光と雲に
ぬばたまの山茜さす空

378::オリオンは白から黒へ衣替え
てんとう虫の背を住みかとし
葉に香る陽の光感じて

379:花束を落として駈けた娘(いらつめ)の
胸で繰り返す上目づかいを
知らぬフリして口笛吹く君
TAKOさんのバースデーを詠める

380:
朝告ぐる夢と現の間には
まぶたのうらの有明の月
鈴と変わりて瞳となりぬる
クリアさんのバースデーを詠める

381:
麦畑帽子押さえて走る君
影だけでもと追うも届かず
背中射す陽のいたずらに笑う
うめぼしさんのバースデーを詠める

382:つとめてに花に消え行く精霊の
歌がデジャヴとおもいきやふと
思いだしたる君のハミング
讃良さんのバースデーを詠める

383:春揺らしゆすりて手取る花びらよ
君のキスする花はシャクナゲ
冬の星空色の花影
さとるくんのバースデーを詠める

384:はるか西砂漠の月を一目見ん
固き翼の導くままに
何処も同じ闇を行くかな

385:轟音は静かなる地のいざないと
長らき夜の伴とすなれば
昼悠久を湛えよとおもふ

386:忘却を望みて空の草枕
緑の国の旅人なれど
未だ東の君思いいづる

387:口笛を吹きて響かぬ大地にも
君のミラージュやさしイマージュ
さしのべし手に白き手袋

388:天におわす恥ずかしがりの星たちの
君だけに教えたい姿影
静かに映す砂スクリーン

389:空行きて千里を越ゆる地にもまた
時差の間に君しのばるる
600kmの何故に遠きや

390:砂さそうわが身短き後ろ髪
旅の常とてそれすらも引く
あわんとおもうそれも常なり