51:順徳院(じゅんとくいん)(100)

ももしきや古き軒端のしのぶにも
なほあまりある昔なりけり
いまひとたびの輝き願わん
皇居の荒れた軒端に生えている忍ぶ草をみても
いくら忍んでも忍びきれない昔なのだなあ。
「ももしきや古き軒端の」は「しのぶ」を導く序詞
「や」は特に意味は無いの間投助詞なの係助詞と間違えないでね。
彼は年代順でいえばラスト。ここから武士の時代へと
なるわけだけど・・・しっかりしなさい!
さ・・さすがは讃良様・・なんか強いわ・・・


52:藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶあそん)(52)

明けぬれば暮るるものとは知りながら
なほ恨めしき朝ぼらけかな
嵐のごとく一雨よ来よ!
夜が明けると日が暮れると(また貴方に会える)いうことはは
わかっているけれど、やはり恨めしい明け方だなあ。
「ば」は順接確定条件。もうわかるわね。
「もし・・・」がつかないほうよね。
「知りながら」の「ながら」は「xxだけれど」っと訳します。
接続語って大事よねでも覚えるキーワードにもなるのね。


53:殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)(90)

見せばやな雄島のあまの袖だにも
濡れにぞ濡れし色はかはらず
Only You can stop my tear drop !
(恋の涙で血の色に染まったこの袖を)
貴方にお見せしたいものです。
雄島の漁夫の袖ですらひどく濡れても
色は変わらないのに。
珍しく前の部分が省略されている形です。
「あま」は「海人」と書き「漁夫」を・・そう言えば私の夫
十市の父親も「大海人皇子」(おおあまのみこ)
ビッグな漁夫?うーんイメージちがうわ・・・
あ、そうそうここでの係結びは「ぞ」と「濡れし」の「し」です。
飴皇子も省略されてある部分を再現した感じにつけたのね。


54:俊恵法師(しゅんえほうし)(85)

夜もすがら物思ふころは明けやらぬ
閨のひまさへつれなかりけり
君知るなかれ滲む月影
一晩中思い悩むこの頃はあなただけで無く
未だ明けない寝室の隙間(からのけしき)さえ
つれなくおもうことですね。
お坊さんのクセになんて・・あ、いえいえ・・
閨は寝室を指しますつれないことを明けない夜の暗さに
たとえています。「ぬ」はここでは打ち消しの助動詞「ず」の連体形です。
「ぬ」の見分け方は前の単語の活用できまる!
未然形なら(例)「咲ぬ」←この「ぬ」は打消しの助動詞「ず」の連体形つまり
「咲かない」と訳します。
連用形なら(例)「咲ぬ」←この「ぬ」は完了の助動詞「ぬ」の終止形つまり
「咲いた」または「咲いてしまった」と訳します


55:源俊頼朝臣(みなもとのとしよりあそん)(74)

憂かりける人を初瀬の山おろしよ
はげしかれとは祈らぬものを
何故の吹雪を溶かす我が恋
冷たかった人の事を初瀬の観音様に祈ったけれど
初瀬の山おろしよ。あの人の(つらいことを)
はげしくなるようにとは祈らなかったのに・・
初瀬は、長谷寺のことをさします。「おろし」はそこから吹き降ろす風
有名なのに「六甲おろし」なんてあるでしょ。


56:紀貫之(きのつらゆき)(35)

ひとはいさ心も知らずふるさとは
花ぞ昔の香ににほひける
この香よ届け君知るならば
人の心はかわるのかどうかわからないけれど
この梅の花の香りは昔のままですよ
ここでいう花は梅らしいんです。
ひとっていうのは恋しい人のことで、ふるさと以下と
対比させています。「ぞ」と「ける」は係結びです。


57:前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん)(66)

もろともあはれと思へ山桜
花より他に知る人もなし
葉ずれの音のやさしき歓迎
山桜よお互いにしみじみとなつかしく思ってくれ、
花であるお前だけしか私の心を知る人はいないから
「山桜よ!」とよびかけ、また「知る人」として
花を擬人化していますね。
行尊は出家していますがこちらの資料の絵札では
剃髪していないためあえてにしておきました。


58:二条院讃岐(にじょういんのさぬき)(92)

わが袖は潮干(しほひ)にみえぬ沖の石の
人こそ知らね乾く間もなし
我包め空我包め君
私の袖は潮が引いた後でも見えない沖の石のように
人は知らないでしょうが渇く事無く(涙で濡れています)
「こそ」の係結びは「知らね」です。
袖で涙を拭いてるのがなんかすぐに想像できちゃうわね・・


59:恵慶法師(えぎょうほうし)(47)

八重むぐらしげれるやどのさびしきに
人こそ見えね秋は来にけり
紅葉と菊と風のシグナル
八重に葎が茂ったさびしい宿に
人は誰も訪れないけれど秋はやってくるものですね。
「こそ」の係結びは「見えね」なんですが、
この係結びで注意するのは已然形で結ぶ「こそ」の場合は
ほかの係助詞「ぞ」「なむ」「や」「か」+連体形結びのときと違い
否定的に訳すのがポイント!ここでは「みえないけれど」
58番のは「しらないけれど」・・ねっねっねっ!


60:壬生忠見(41)

恋すてふ我が名はまだき立ちにけり
人知れずこそ思ひそめしか
聞こえたならば君の声待つ
恋しているという私のウワサが早くも立ってしまった
だれにもしられないようにひそかに思いはじめたのに・・
「恋すてふ」は「恋すといふ」を縮めた形
おっとまたまた「こそ」の係結び3連続!
ここでは過去の助動詞「き」の已然形「しか」です。
飴皇子さんはウワサがたってほしいのかな?
彼女に届いて欲しいのよね。きっと彼女から良い声(返事)があるわ。
やさしいなあ十市は・・・たぶん作者も照れくさかったと思って
ああ繋いだんですけどね。
わたしなんか選択の余地無く大海人様だったのよ。
なんで父なんでしょうね?讃良様・・よりによって・・
十市は悲恋だったよね。あれは泣けるよねぇ・・・
私などこの世の美を超越した美女とまでいわれても生涯独身でしたわ。
おばあさま()は幸せ者です!
うううう・・たしかに祖母だけど・・くやしぃぃぃぃ!


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