21:赤染衛門(あかぞめえもん)(59)

やすはらで寝なましものを小夜更けて
かたぶくまでの月を見しかな
星スコアにし届け我が声
来ないとわかっていればためらわず寝てしまったのに
待ち続けて沈もうとする月を見てしまいました。
作者は女性です。約束を破った男性への
恨みっていうかそういう歌よね。大海人さま・・
さいごの「かな」は詠嘆をあらわしています。


22:周防内侍(すほうないし)(67)

春の夜の夢ばかりなる手枕に
かひなく立たむ名こそ惜しけれ
暫く寝ずと夜も急ぎ足
春の夜の夢のようにはかない戯れの手枕をしてもらっては
きっと噂を立てられるだろう.浮名を流す事は残念に思う
「かひなく」は「甲斐なく」と「(腕の)かいな」をとの掛詞
「こそ」と「けれ」じは係結び。「春の夜の夢」は「はかない」という
例えで、平家物語のプロローグにも出てきますね。


23:在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)(17)

ちはやぶる神代も聞かず龍田川
からくれなゐに水くくるとは
君と眺めて紅見比べて
神代の昔にも聞いたことがない、
龍田川に紅葉が舞い落ちて
川の水をくくり染めにしていくとは
「ちはやぶる」は「神」にかかる枕詞
「くくる」は「くくり染め」ってことらしいわね。


24:寂蓮法師(じゃくれんほうし)(87)

村雨の露もまだひぬ槇の葉に
霧たちのぼる秋の夕暮
牛歩できぬか陽よ今日だけは
村雨のあとその雫もまだ乾かない槇の葉に
はやくも霧がたちのぼってくる秋の夕暮れだ
「ひぬ」は「渇いてない」という意味です。
体言止めで余韻を残していますね。


25:源 重之(みなもとのしげゆき)(48)

風をいたみ岩うつ波のおのれのみ
くだけて物を思ふころかな
幾度くだけて我を伝えん
風が激しいので岩に当たる波が砕ける
私の心も砕けて物思いをするこの頃だなあ。
「風をいたみ」ですが「XXをYYみ」の形で「XXがYYなので」と訳します。
この文法は父上の歌にもでてくるわよ。
「風をいたみ岩うつ波の」は「くだけて」の序詞です。
私の夫の大友皇子(おおとものみこ)も讃良さまも父上は
中大兄皇子(なかのおおえのみこ)、天智天皇でございます。


26:紫式部(むらさきしきぶ)(57)

めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に
雲隠れにし夜半の月かな
どこまで追うや薄き光を
久しぶりにめぐり逢って月だとわかる間もなく
雲に隠れてしまった真夜中の月(のように
幼友達かどうかわからないうちに姿をかくしてしまった貴方)
紫式部は「源氏物語」のなかでも「雲隠れ」という言葉を良く使っていますね。
(光源氏の逝去のときもそうでした)もうめぐりあえないのでは・・?って感じかしら。
また、ここでの月は幼友達で「折角逢えたのに」って感じです。


27:清原深養父(きよはらのふかやぶ)(36)

夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを
雲のいづくに月宿るらむ
重ねリボンの結びにおわすか
夏の夜はまだ宵のうちと思ってたら明けてしまったが、
月はどの辺に宿っているのだろうか。
彼は清少納言の曽祖父です。
月が宿るという擬人法が使われています。
昔の人の歌には「月」がほんとよく使われてます。
「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形です。
「ぬ」は訳するときに2通りある。1つは完了の助動詞の終止形
もう一つは打ち消しの助動詞「ず」の連体形
係結びに注意して言い切りに気をつければ見分けがつけやすいんですよ。



28:法性寺入道前関白太政大臣(ほっしょうじのにゅうどうさきのかんぱくだじょうだいじん)
(藤原忠通@ふじわらのただみち)(76)

わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの
雲居にまがふ沖つ白波
空海の奇し合わせ鏡よ
大海原に漕ぎ出て見ると遥か遠くに
雲と見間違うような沖の白波が立っている
「沖つ」の「つ」は「・・の」と訳します。
「ひさかたの」はここでは「雲」に掛かる枕詞です。


29:伊勢大輔(いせのだいすけ)(61)

いにしえの奈良の都の八重桜
けふ九重ににほひぬるかな
永久にほころぶ薄紅の舞い
昔奈良の都で咲いていた八重桜が
今日は九重の宮中で咲き誇っていることだなあ
にほひぬるは「咲き誇る」と言う意味です
「いにしえ」と「けふ」、「八重」と「九重」をうまく対応させていますね。
完成度が高く飴皇子もクリスタルにしにくかったでしょうね。
だ・・だって「十重」(とうえ)って言葉ないんだもん。(TT)
はいはい、よしよし・・私、十市(とおち)でございます。おしい!


30:儀同三司母(ぎどうさんしのはは)(54)

忘れじの行末まではかたければ
今日を限りの命ともがな
灯りの高さ君の背の丈
いつまでも忘れないというあなたのことばが
あてにはなりませんのでそうおっしゃってくださる日が
今日を限りの命でありたいです。
今幸せなままで死んでいきたいって気持ちがはいってますね。
「かたければ」は「あてにできないので」と訳します。
「もがな」は願望の終助詞です。



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