11:中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)
(藤原兼輔@ふじわらのかねすけ)(27)

みかの原わきて流るるいづみ川
いつ見きとてか恋しかるらむ
手取り告げたいStay by me !
みかの原を分けてわきでて流れる「いづみ川」の
「いつ見」と言う言葉のように「いつ見た?」というので
こんなにも恋しいのでしょうか?
まあ、大胆にも英語いれてぇ!(笑)
「みかの原わきて流るるいづみ川」は「いつ見」を
ひきだす序言葉。係助詞の「か」はここでは疑問をあらわします。
もちろん「らむ」は係結びで連体形ですよ。
係結びは「ぞ・なむ・や・か」のときは連体形。
「こそ」のときは已然形で結ぶ。思い出されましたか?


12:良ゼン法師(りょうぜんほうし)(70)

さびしさに宿をたち出でてながむれば
いづくも同じ秋の夕暮
蜻蛉(とんぼ)に聞けど言葉返らず
さびしいので庵を出てあたりをながめると、
どこも同じようなさびしさの秋の夕暮れだ。
法師なので「宿」は「庵」でいいと思います。
「ながむれば」の「ば」は已然形+「ば」で順接の確定条件
「−−ので」「−−すると」と訳します。体言止めもつかわれていますね。
かるた会では「この札だけは!」っていう「マイ短歌」がありますね。
ぜひ取りたいって言うの。でも有名な歌人や短歌はみんなと重複します。
そこで1枚でも取りたい方は、地味だけど良い歌を狙いましょう。
この歌なんかどうでしょう?おまけにこの歌は1枚札で、
「さ」からはじまるのはこれしかないの!「さ」と読み始めたら即!
「いづくもおなじ・・」さがしてみるっての、どうでしょうか?


13:大弐参位(だいにのさんい)(58)

有馬山猪名の笹原風吹けば
いでそよ人を忘れやはする
声きこゆなら嵐耐えんと
有馬山の猪名の笹原に風が吹くと
そよそよ音を立てます。さあ、そのことです!
私があなたのことを忘れるだろうかいいえ忘れない。
「いでそよ」は「さあそのことです!」というのと
葉の「そよそよ」と吹く意味もあります。
「や」「は」は反語で最後「する」は「や」と係結び(連体形)です。
「吹けば」・・「已然形+ば」順接の確定条件「吹くと」「吹くので」です。
順接の仮定条件の場合「未然形+ば」です。
「吹いたのならば」と訳すときは「吹かば」になりますよ。
ちなみに大弐参位は紫式部の娘さんなんですよ。


14:和泉式部(いずみしきぶ)(56)

あらざらむこの世のほかの思ひ出に
今ひとたびの逢ふこともがな
手離すなかれ我が目閉づまで
私があの世に逝った時のこの世の思い出として
せめてもう一度お会いしたいものです。
死期が近いという背景でなお女の情熱が
感じられますね。「もがな」は願望を表します。


15:貞信公(ていしんこう)
(藤原忠平@ふじわらのただひら)(26)

小倉山峰ののもみぢ葉心あらば
今ひとたびのみゆき待たなむ
響かぬように拍手ぞ打つ
小倉山の紅葉よ心があるのなら
もう一度天皇の行幸があるまでは散らずに待っていて欲しい
「あらば」は「未然形+ば」で仮定を表します。
仮定は古文では未然形、現代文では仮定形ですよ。


16:道因法師(どういんほうし)(82)

思ひわびさても命はあるものを
憂きに堪えるは涙なりけり
流る行方にまた君が居る
冷たい人を思って嘆いて命はこらえているが
こらえきれないのは涙ですね。
「けり」はここでは「xxだなあ」というような詠嘆の意味。
「ものを」は接続助詞。「だが」とか、「しかし」といった逆接ですよ。


17:藤原清輔朝臣(ふじわらのきよすけあそん)(84)

長らへばまたこのごろやしのばれむ
憂しと見し世ぞ今は恋しき
喉に手をやり胸を開きて
このまま生き長らえれば(つらい)今を思い出すのだろうか。
あの辛かった昔が今では恋しく思われるから
係結びが2ヶ所「や」と「む」、「ぞ」と恋しき」
ともに連体形。「今」と「このごろ」は同じ現在をさしますよ。


18:凡河内み恒(おおしこうちのみつね)(29)(「み」は身へんに弓です)

心あてに折らばや折らむ初霜の
置きまどはせる白菊の花
白バラありと札に書き足す
あてずっぽうに折ってみようか
初霜のせいで花か霜かわからなくなっている白菊の花を
「折らば」は何度も言ってるように「未然形+ば」の仮定。
そして体言止め。だけど・・
珍しく飴皇子が作者に真っ向から逆らった感じになったわね。


19:祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい)(72)

音に聞く高師の浜のあだ波は
かけじや袖のぬれもこそすれ
我真砂にはなりたくもなし
噂に聞く高師浜のいたずらな波と(おなじく)
あなたの言葉は心にかけません。袖を(涙で)
濡らすことになってしまいますから
「かけじや」は「波をかけまい」「心にかけまい」の2つをかけています。
「も」も「こそ」も係助詞なんですが、係結びになるのは
「ぞ」・「なむ」・「や」・「か」(連体形)「こそ」(已然形)の5つだけですよ。


20:西行法師(さいぎょうほうし)(86)

嘆けとて月やは物を思はする
かこち顔なるわが涙かな
雲のみぞ知る止めるすべなき
嘆けと言って月が物思いをさせるのか
いやそうではない。そのせいにする顔に流れる
我が涙だなあ。(恋の涙なのに)
古文には反語と係結びと詠嘆がつきもの
この歌はすべて入っていますよ
飴皇子も係結びしちゃって・・



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