執着

このサイトを昔からずっと訪れてくださっている方は気づいているかもしれないが、使われている画像(GIFアニメ)を捨てられないでいる。自分で作ったもので、気に入っている。

たいしたものではないのだが、見るタイミングでボールがばらばらに跳ねるときがあるので、面白いと思って捨てられない。ずっとそろっているのに、次第にタイミングが個々にずれていくのが楽しいのだ。(ずれるには相当時間がかかるのだけど)その理由がわかる方には無意味なことだろうと思う。

自分の人生の、ある一時期を凝縮して表現されたものに、私は執着するらしい。
1999年、初めてMacに出会い、たくさんのことを勉強させてもらった。そこそこ使えるようになったがテクノロジーの進化の方が速く、あっという間に私のMacとソフトは旧バージョン。それでも、2000年に買ったMac G4は一度も故障することなく動いていた。いろいろ不自由なことがあったので新しくしたのだが、問題はなかった。13年間一度も故障しないパソコンって、すごいと思う!

2013年7月、浦島太郎みたいな気分で新しいMacを迎えた。
薄い!軽い!速い!
古いMacで作ったデータを引き継げるのはhtmlファイルと画像くらいだ。
みんな独学で頑張っているのだから、自分もきっとできると信じてずっとやってきた。ある程度はなんとかなった。最新バージョンのソフトはまだまだ使いこなせないが昔は苦労したことが簡単にできるってことに感動している。
それでも、このジャンピングボールが可愛くて捨てられないのだ。

絵に関わる最期の仕事はカスタムペイントだったが、年に1回くらい展示会を開いていた。
展示会用の作品は、いくつか手元に残している。他の作品は捨てたり人にあげたりしたのだが、それができない作品だ。私にとってのカスタムペイント時代を代表する作品なのだと思う。
作品は、今の自分では描けないものだというのも手放せない理由のひとつだろう。

作品 ステンレスの板をギザギザにカットしてもらい、ラメをベースに吹いてから水彩画風に色をのせた。
私はこれが気に入っているが、家族には「怖い」と不評だ。やたらに重いので壁に掛けるのは危険だ。日に当たるとラメがきらめくので屋外のラティスに飾ってみた。風水的に良くないのかもしれないが、お構いなし。
同じ手法で描いた他の3点は人手に渡った。今頃どうしているだろう?
重いし捨てるに捨てられなくて困っているかもしれない(笑)

カメレオンは、見る角度で微妙に色が変化して好きだった。とても手間がかかったのに、なぜあげちゃったんだろうと今更思う。


1メートル四方の作品が2つあるのだが、大きすぎて飾る場所がないので倉庫に入れっぱなしだ。
その作品も、今の自分では描けないものなので捨てる気はない。でも、いつかは捨てるんだろうな。
ジャマだもんね。


2014.3