心のチカラ
2011年10月20日(木曜日)
19●ブランドの効果 会社名や商品名 良い作用


 1981年にノースカロライナ大学のブレイスウェイト博士は、頭痛を訴える835人の女性でアスピリンの効果を調べた。女性を4つのグループに分け、「この研究は有名な製薬会社が開発した新しい鎮痛剤と、今までの鎮痛剤を比較するために行うものだ」と告げた。
 参加社は頭痛がしたら薬を2錠飲んで、その後に効果を記載するように依頼された。マイナス1点は痛みが悪くなったという点数。0点は変わらない、1点は少し良くなった、完全に痛みがなくなった場合は4点をつけるよう言われた。
 4つのグループのうち、グループAは鎮痛剤と書かれたプラシボの錠剤をもらった。グループBも同じようにプラシボだが、そこには商品名が書いてあり、最もよく使われてきたアスピリン入りの薬と説明された。グループCは鎮痛剤と書かれたアスピリン、グループDは最近最も宣伝されている"新しいアスピリン"と書かれた、ただのアスピリンをもらった。
 ただのプラシボと、ブランド名がついたプラシボ、ただのアスピリン、新しいアスピリンというブランドが付いたただのアスピリンを比較したのだ。
 誰が何を飲むかは、本人にも処方する医師にも知られないようにし、グループ分けはくじ引きで行った。

 アスピリンはCとDに含まれており、確かに頭痛を治す効果がある。ところが鎮痛剤と書かれたプラシボを飲んだAも頭痛は軽減した。「最もよく使われ、効果もあったアスピリン」と説明され、商品名が付いたプラシボを飲んだBは、もっと効果があった。
 商品名が書かれたプラシボはより効果があった。さらに最近発売され、宣伝されている"新しいアスピリン"と言われて与えられたアスピリンはもっと効果があった。
 ここで重要なのは、C、Dではプラシボは使われていないことだ。ただDは最近盛んに宣伝されているブランド名の新しいアスピリンだと思って飲んだ。この宣伝と、ブランド名は明らかに効果を示したのである。
 これは、新しい薬だとして宣伝された薬は同じ成分でも効果が大きいということを示している。
                        =終わり