針を刺す腕

看護婦さんの仕事の中に、採血など患者さんの身体に針を刺す仕事があります。
(注射も看護婦さんの仕事だと思われていますが、本当は違いますよ。大抵の所では看護婦さんがしていますが。ちなみに私もしています。)
一番大切な仕事ではないけども、上手いにこしたこたありません。
これは誰もが思うことです。
人には器用・不器用、向き・不向きがあります。けれど、不器用で不向きだからといって、採血しないわけにはいきません。
そこで、針は刺しやすいように斜めに尖っていて、何も考えずにブスリと刺してもなんとかなるようになっているのです。痛いけど。

はっきり言っちゃいます。私は採血が好きです。1日中採血しか仕事がなくてもいいと思うくらいです。今、一気に私を嫌いになったでしょう?ふふふ。
私は決して器用ではありませんが、どうも採血は上手い方のようです。他の先輩が刺しても採れない患者さんでも、大抵一度で採れます。日本一とは言いませんが、学生時代から今まで、失敗したことは少ないです。
しかし、向いていると言うことだけで失敗が少ないわけではなく、痛い思いと、血管を愛する心(笑)が重要です。

まず痛い思い。小6・中1と手術の為にそれぞれ2週間ずつ入院した経験が大きく影響しています。採血する看護婦さんによって、痛い時と痛くない時があるのです。針が痛点に直接あたると痛いんだろうとは思いますが、それだけではない何かがある。そう感じたのです。

次に、血管を愛する心ですが、常に血管に関心を寄せる、それが第一歩です。
例を上げてみましょう。まず、患者さんの腕を見せてもらいます。(駆血帯*で、縛ってもいいですが、慣れてくると縛らなくても大丈夫になります)そして、見る時には
1.血管の走行
2.血管の太さ
3.血管の深さ
4.脈圧
に、注意してみること。上から重要な順に並べましたが、条件を満たす血管程、ヨロシイです。この見きわめが、採血の7割を占めていると言っても過言ではありません。
あとは、自分の見きわめた血管に、スパリと針を滑り込ませるだけです。
ブスリはいけません。せっかく針先が斜めになっているのですから、これを利用しない手はありません。上手く入る時は、スパリもしくはスルリと針が入っていきます。まるで血管に呼ばれているように。

血管を良く見てみましょう。ほら、日常のそこここにあるでしょう?
自分のなら触り放題です。
ダーリンやハニーの血管だったら、触らせてもらうのもスキンシップになって大変よろしいかと。
ただ、余りにもヨイ血管だからといって突然見ず知らずの人に触るのは、どうかと思いますが。
(私もそうしたい気持ちを必死に押さえることの大変さを身を持って知っています。つらいけど耐えましょう。私も耐えます。)
なぜなら、人の世ではそれを変態と呼びますからね。通報されちゃいます。

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