タワー建設の記録

プロローグ・・・
 新居引越しと共に本格的にアマチュア無線に復活させ、地上高6mのダイポールでチマチマとDXの追っかけをしていたのだが、それでも昨年末(2004年)までに100エンティティをコンファームすることができた。しかし、これ以上のエンティテイ獲得は、チープな設備と相手側設備に頼っていては厳しいだろうと言うことで、タワー建設を新年の抱負にしてきた。
 夢のタワー建設に向け、最初はネットを通して情報収集を行い他人のタワー建設記事なのに自分ごとのようにワクワクしたり、パイルでQSOできない時も「タワーが建てば一発でコールバックだ!」と自分に言い聞かせ、庭に出れば「このあたりからメッセンジャーを張って・・・」などと空想に浸ったり、タワーも建っていないのに、それはそれで自分なりに結構楽しんでいた。初めて買った宝くじを持ち帰るときのように・・・・
 しかし、我が家の場合、タワー建設する物理的なハードルは低いのだが、家族を説得させるという精神的なハードルが非常に高く、察しのとおり日常の家族サービスを第一にハードルを徐々に下げる努力をしてきたものの、日々の努力は長く続くものではなく、ズルズルと半年が経過した。さすがに半年も経つと当初の意気込みは徐々に色褪せ、「今年中に建てられればいいか」という雰囲気になってきた。
 タワー建設も頭の隅から抜けかけ、梅雨空けで「さぁ、夏のスケジュールをを立てよう」と思ったある日、たまたま眺めていた某オークションで4エレのトライバンダーが出品されているのを見て、遊び半分で入札したのがいきなりゲット! 落札商品が届いても建てる支柱もなく、しばらく倉庫で眠ってもらうことにしたが、送られてきた中古のアンテナは「この人絶対、血液型A型だ」と言うくらい丁寧に箱詰めされ、オリジナルの組立て手順まで書いてあり、直ぐにでも使える状態で送られてきた。
 オークションで何度か落札はしているが、これほど感激したことはなく、これはタワー建設の想いが消えうせている中で、まさしく神が与えたチャンスなんだ(信者でもなんでもないんですけど・・・)とばかりに、一気にタワー建設パワーが爆発。
 家内の嫌な顔をよそに当初計画していた案で、さっそく施工業者に見積り依頼を出したのが7月下旬。以降、業者選定から見積り内容の修正、正式発注に至り、工事スケジュールの都合で10月中旬に施工が決定。
 以下、タワー建設内容と施工当日の記録です。

タワー建設内容
 最終発注時点の構成(主要部品)
項   目 イメージ等 コメント
タワー クリエート KT-15C タワーは施工前日に配送
業者が配達。長尺のメイン
フレーム数十本と組立て部
品が入った数箱が庭に並べ
られていた。
思いのほかコンパクトさに驚
いた。 
マスト クリエート M4マスト  全長5250mm、重量28kg 冬場の風当たりを考慮して、
M3マストからM4マストに変
更。強風対策はバッチリだが
重量が気になる。 
ローテータ YAESU G800DXA 搭載可能アンテナの計算では、
受風面積はOKだが、アンテナ
係数計算では、マスト重量10
kg程度で考えていたので、最
終形態ではギリギリの結果と
なった。
 将来的な事を考えると、ワン
ランク上の製品を注文すべき
だったと後悔している。。。
アンテナ ミニマルチ 3X4B 某オークションで落札したアン
テナ。
持込物品として、組立て費用
のみ発生。
ナガラ TD−3040 当初はミニマルチのみ設置
してもらい、このアンテナは
自分で購入して設置する予
定だったが、「予定は未定」
で全くあてにならないので、
一式依頼。
アンテナも個別に購入するよ
り安価で信頼度も高く、一気
に導入したのは正解だった。
 
施工 基礎工事   掘削は手掘りのため工事費
は高めだが、それなりに良さ
はある。
タワー組立て建柱   作業スピードは、さすがプロ。
素人作業で組立てた場合の
非効率性、危険度を考えると
ここだけはプロに任せるべき
だと実感した。 
アンテナ組立て設置   アンテナ組立て、取り付けから
同軸配線まで一式作業。

施工当日の様子
初日 (天気
【掘削〜基礎】




 
 午前10時ごろ、FTIの塩野さん・庄司さんの2名が到着。3〜4名のチームで来ると勝手に思い込んでいたので、いきなり驚いた。
 若干世間話をした後に、掘削場所の再確認(半月ほど前にFTIの安部さんが現地確認をしている)をして、早速手掘り作業に入る。作業は、塩野さんが手掘り、庄司さんが一輪車で残土置き場まで運搬し、非常に手際よく作業をしていた。
 自宅の土地は埋め立て地で、以前に植栽をした際に拳程度の石が混ざっていたため、ここの土地は手強いと思っていたが、聞くと前日は伊豆で溶岩石の出るような場所で作業をしたので、今日の作業は大したことないと返され、プロと素人の違いを感じた。
 そうこうしているうちに腰の深さまで掘り進み、気がつけば2時間少々で規定の深さ(2m)まで到達。

 重機ならもっとスピーディに作業が進むのだろうが、我が家の場合は建設場所的に、重機を入れると芝生を傷める心配があるため手掘りで依頼したが、必要以上に掘削しない点や現場周りの汚れなどを考えると手掘りならではのメリットはあると思う。

 掘削と平行してタワー組立てが行なわれており、 掘削が完了すると間もなく生コン車が到着し、生コン打ち作業が開始。
 写真では見づらいが、タワーの3本にチューブ状の水平儀が付けられ、水平を維持しながら生コンを入れ込む。一輪車2車ぐらいの生コンを入れただけでタワーはグッと重くなり、半分も入れた時点ではびくともしない状況になった。基礎部は最初が肝心で、こんな所も経験がないと傾いたタワーの出来上がりってことになりそうだ。
 生コンは概ね1.5〜2.0立米ほど入っているはず。

【アンテナ組立て】
 遅い昼食の後は、残りのタワー組み立てとアンテナ組立て。
 アンテナを組立てるだけなら自分でも出来るが、高所への取り付けと同軸の敷設、ANT調整までとなると、ローカルさんを呼んだ場合の万が一の事を考えると、気分的に楽と言うこともあって一式お願いした。
 某オークションで落札したミニマルチは既ににテナーコートが丁寧に塗布されていたが、RDPは現地で同梱されていたものを塗布。(自分でやってみたが、半分見物心で立会いをしていたので、こんな作業もやってみると結構面倒だった・・・)
 日も若干西に傾きだしたころ、周囲の片付けを行なって、本日の作業は終了。

 写真で見ると、DPのマストとして使っている6mの単管パイプの方が高いが、明日は完璧に追い越される運命に!
 

2日め (天気
【建柱】
 本日も、午前10時ごろから作業スタート。
実を言うと、見積り打ち合せの段階から基礎作業と建柱のスケジュールを聞いていたが、同一日程で実施するとの言葉に相当不安があった。 私の中では下部工事と上部工事とは完全に分離されており、一般的な建造物でも数日空けて作業をしているからだ。
 実際は翌日に建柱作業になったので多少の不安は薄れたが、前述の生コン打ちにも書いたように、既に目いっぱいコンクリートが埋め込まれた状態では、どんなに揺すってみてもびくともしない事を考えると取り越し苦労なのかもしれない。
   
 下準備の後、早速建柱作業を開始。手馴れた作業ではあるが、高所作業だけに「ボーズよし!」「ハンガー?よし!」と呼称確認はキチンと行なっていた。ごく当たり前の事なのかもしれないが、立ち会う方は結構気持ちが良い。

 最後の見せ場と言ったら失礼だが、トップのマストは重量が20kg近くある。これを一旦完全に持ち上げて、タワートップのマストベアリング側から下部のローテーターに落とし込む。長尺ものだから、この作業は相当のもの。(私には無理!)塩野さん、お疲れ様でした。
  
 建柱作業は、概ね1時間程度で完了。実際は、接合場面でドライバーハンマーの鳴り響く音が出ているが、静かな田園地帯に音もなくいつの間にか鉄塔が建ったといった感じ。
 右の写真に従来から使っていた6mの単管パイプのトップが見えるが、相当低く見える。タワーが建つ前は「まぁ、そこそこだな」と思っていたのに・・・・・

 続いてアンテナの取り付け作業に取り掛かる。

【アンテナ取付】
  
 下で見るとそこそこ立派なアンテナも15mも上げると随分小さく見える。やがて訪れる冬の西風が少々不安になる。
 アンテナを正規の位置に仮留めした状態でSWR測定。上下のアンテナを同一方向に向けてもSWRに大きな影響が無いので、このパターンで取り付けをお願いする。これで最終据付かと思ったら、ローテータの指示器との調整があるので、最終的な固定はその後だそうだ。

この後は同軸ケーブルの敷設作業に移る。

【ケーブル敷設】
   
 我が家は家屋の北面にシャックがあり、タワーを建設した南面に向けて60φのフレキシブルパイプを屋根裏に通してある。既に3本の同軸が通っているため、まずは一旦全て抜き出して同軸5本+ローテータケーブル1本を一気に通すことになった。ちなみに私の作業はシャック側のケーブルボックスに付けられていた、既設の同軸ケーブルを中継コネクタからはずす事ぐらいだった。
 タワーから家屋へはメッセンジャーと共に同軸を這わせ、家屋南面の同軸引き込み口に入るように敷設。
最後に、ローテータの指示器とアンテナ方向の調整を行い、全ての作業が完了。この間昼食を挟み、概ね15時ぐらいに作業終了となった。

【オマケ】
 作業が終盤に差し掛かった頃、クランクアップを2基積んだトラックで阿部さんが入ってきて依頼してあった小物を受け取った。
 2基のクランクアップは三重県と愛知県に納められるとの事。私への物品の手渡しのために立ち寄ってくれたと思ったら、次の現場のためにここで使った機材と庄司さんを連れていくのだと言う。
 Oh my god!庄司さん。 伊豆、静岡の次は三重と愛知かよ。
移動計画も仕事の内らしく、塩野さんは帰社、阿部さんと庄司さんは次の現場へと、それぞれ出発する車を見送ったのであった。