フェイス('97イギリス)-Jun 21.1998 |
[STORY] レイ(ロバート・カーライル)たち5人は「フェイス」という強盗団を結成して金を盗む。ところが思ったほど金を盗めなかったせいか、このうちの誰かが他のメンバーの分け前を目当てに人を殺し、金を奪っていた。 監督アントニア・バード(『司祭』) |
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前日に引き続き映画祭の目的の1つがこの映画(映画祭レポート)カーライル好きだし『司祭』の監督の最新作だしということで。映画祭のクロージングセレモニー作品で岩手教育会館で行われたんだけど、スクリーンがボロっちいのか、画面がぼやけていたのがちょっとガッカリ。 人を殺して金を奪ったのは誰か?というミステリな部分よりも、金に執着する人間や、イギリスの社会背景にウエイトが置かれているようだ。レイがかつて母と一緒に路上で運動を起こしているシーンがところどころフラッシュバックして彼の顔が歪む。彼が強盗するようになってしまったいきさつは語られないが、この間に何かがあって彼をそうさせているのだろう。このシーンが何度か出てくるがそのたびにやるせない気持ちになる。金が絡むと人が変わってしまう。詳しくは書けないけれど、人を殺して金を奪った犯人に対しても、やるせない気持ちになってしまった。誰のせいでこうなってしまったのか?みんな悪いんだけど、誰を責めていいのか分からなくなる。 昼間のシーンが少ないこともあって、画面が暗く重苦しい。レイと恋人のラブシーンも重苦しい中で女性監督らしい甘さや繊細さを感じたが、全体的に見るとそのシーンが長く多すぎる気がした。 |
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ジョセフ・ロージー/四つの名を持つ男('96日本)-Jun 21.1998 |
[EXPLANATION] 『エヴァの匂い』『唇からナイフ』の監督ジョセフ・ロージー。10年前に亡くなった彼がどんな人物だったのか、親しい友人や親族のインタビューを通して製作されたドキュメンタリー。 製作・監督中田秀夫(『リング』) |
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『四つの名を持つ男』というサブタイトルがミステリアスで、ミステリー映画祭だし〜(映画祭レポート)なんて軽い気持ちで見たら、その考えは安易でした(反省) ロージーの生い立ちや撮った映画などを「知ってるつもり」のように紹介してくれるのかと思いきや、やはりこれはロージーの映画をたくさん見ていて、彼のことが好きで、彼のことをもっと深く知りたい人向き、でしたね。言ってみれば上級者編というか。だからひょっこり見てしまった私は恥ずかしくなってしまいました。でも、この映画を見て、ロージーに興味を持った、というのでも許してもらえるでしょうか?中田監督!(呼びかけてどうする) 内容に関してはロージーを知らない私が何を言ってもダメ過ぎですが、中田監督が5年の歳月を掛けてインタビューして丁寧に仕上げた、ロージーに対する気持ちが伝わってきました。上映前の舞台挨拶で「まだ日本未公開の作品もたくさんあるので紹介したい」という監督の言葉も。監督が本当に撮りたかった映画がここにあるのでしょう。 |
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普通じゃない('97アメリカ)-Jun 20.1998 |
[STORY] スコットランド青年ロバート(ユアン・マクレガー)は、企業の掃除人をしながら小説家になることを夢見ていた。しかし仕事をクビになり、会社に抗議に行った先で社長令嬢セリーン(キャメロン・ディアス)を誘拐する。実はこの2人を結びつけようと、天使のオライリー(ホリー・ハンター)とジャクソン(デルロイ・リンド)がこれに関わっていた。 監督ダニー・ボイル(『トレインスポッティング』) |
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みちのくミステリー映画祭に行ってきました(映画祭レポート) 予告やチラシや映画評論でも「普通じゃない」「普通じゃない」と連呼されていたので(流行語にするつもりなのか?)私も何かにつけて言いまくってテンション上げて待ち望んでいたが、実際見てみて映画自体は取りたてて「普通じゃない」というわけじゃなかった(ややこしい言い方だな) 『トレスポ』くらいぶっ飛んでて下品でアナーキーなら「普通じゃない」と言えたかもしれないけど、そこまではちょっと足りない。ハリウッドということで遠慮したんだか知らないけど可もなく不可もなく、アメリカでどの程度受けるだろうか?という手探り的な仕上がりになってしまったような気がする。 でもディアスがとにかく可愛い。金髪にクリッとした目、ちょっと歪んだ口っていうゴールディ・ホーン、メグ・ライアンに続く新しいコメディの女王として(本人がなりたいかどうか知らんが)これからガンガンやっちゃって下さい。それに加えて抜群のスタイル。足長すぎる!ユアン好きでも一緒に映ってたら彼女に注目しちゃう。一緒にカラオケ歌って踊るシーンはとにかく素敵だ。 |
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マルセイユの恋('96フランス)-Jun 14.1998 |
[STORY] マルセイユの下町で暮らすジャネット(アリアーヌ・アスカリット)は2人の子供を女手1つで育てている。マリウス(ジェラール・メイラン)はセメント工場に1人で住み、警備員をしている。その2人が出会いお互いに好意を抱くが、なかなかうまくいかない。 監督ロベール・ゲディギャン(日本公開初) |
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私のフランス映画祭3日目(開催4日目)レポートもあります 前に見た2作品はどちらも都会的な作品だったが、これはマルセイユのしかも下町を舞台にした作品で雰囲気が違った。いつも同じような服を着て、ちょっと疲れたような草臥れた人々が登場する(そして私にはぜんぜん理解できなかったがマルセイユ訛りで喋ってるらしい)ほかの家で何をしているのかが全部分かってしまうように家が密集し、窓もドアも開けっぱなしだ。女たちは集まってお喋りに興じ、男たちはどうにも情けない。日本にもこういうところってあるんじゃないかな。タイトルこそ『マリウスとジャネット(原題)』だが、2人の恋だけでなくその近所の人々の生活や悩みもきちんと描かれている。 マリウスもジャネットもそれぞれ辛い過去があり悩みがあって、1度はうまくいくけれどやっぱりどこかで踏み切れない。お互い好きなのにどうして?何がダメなの?と、もどかしい気持ちになったが、その不器用さが中年の男女の恋愛なのかなぁ。分かったつもりになっちゃいけないけど、気持ちを理解するというより「そういうものなのか」と感じたと言えばいいかな。難しい。人の心も気持ちも決して一辺倒じゃないし、複雑だし矛盾してる。だからさまざまなラブストーリーが作られるんだろうなぁ。永遠のテーマですね(どうしたんだ?<自分(笑)) だからといって決してセンチメンタルなお話ではなくて、笑えるシーンもたくさんある。マルセイユの素朴な風景もジャネットの家も人々もみんないい。マルセイユ出身の監督の、故郷に対する愛情と暖かな雰囲気につつまれた。 |
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奇人たちの晩餐会('97フランス)-Jun 13.1998オススメ★ |
[STORY] 金持ちの編集者ピエール(ティエリー・レルミット)は、毎週水曜日に友人たちと「バカ者を集めた夕食会」を開いている。毎回必ず1人が1人のバカ者を連れて来なくてはならないという会だ。ピエールは友人からピニョン(ジャック・ヴィルレ)という男を紹介されるが、この男がピエールの家に来たことから大騒動に・・・。 監督&脚本フランシス・ヴェベール(『ジャガー』) |
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私のフランス映画祭2日目(開催3日目)レポートもあります 映画鑑賞後のインタビューを聞くまで知らなかったんだけど、この作品はフランスでずっと舞台として上演されていた作品らしい。見ている間もそんな気はしていたけれど、場面のほとんどがピエールの家なのだ。そして登場人物も少ない。けれどその人物たちがとにかく喋る。日本で言う三谷幸喜作品のよう、と言うのがピッタリかも。 1番はヴィルレ演じるピニョンという男のバカ者ぶり!お喋りで、自分の作ったマッチ棒の模型の自慢をしたがり、言われたことを5分で忘れるような男。彼のやることなすことすべてが混乱に導く。けれど彼の動きやしぐさや表情がだんだん可愛らしく思えてくる。まるでアニメキャラかぬいぐるみのよう。彼が何かしでかすたびに場内が爆笑の渦だった。途中で拍手が巻き起こるくらい。 バカという言葉はよく使ってしまう。子供の時に1番最初に覚える悪い言葉じゃないかな。でもバカにもいろいろ意味があると思う。頭が悪いという意味で使うことよりも、ほかの意味で使うことのほうが多いんじゃないかな。「おバカさん(はぁと)」とか「釣りバカ」とかね(笑) 再びタイトルの話になるけど「奇人たち」と複数形になってる(原題も「LE DINER DE CONS」で「CON」というのがバカ者という意味でこれも複数形)これがこの物語のキーだ。つまりおバカな人はピニョン1人だけじゃないってこと。とにかく面白くて80分間笑い通しだった。 |
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