デッキがグレるとき


 デッキ構築はそれ自体マジックの醍醐味のひとつですが、強いデッキができあがったときのうれしさはまた格別です。しかし、いつもそんなおいしい思いばかりできるわけではありません。私の場合、できあがるデッキが弱いへなちょこデッキのことの方が圧倒的に多かったりします。それでもそのへなちょこ君を改良していくわけですが、どうにもうまく育ってくれないときがあります。「おまえはもっとできる子のハズなのに」と親バカの心で思ったりしますが、まったく親の心子知らず、出来の悪さを見せつけてくれます。そういうときは親の育て方に何らかの問題があるのではと疑ってみるのも一考かもしれません。どういうときにデッキは間違って育つのか。青峰なりの経験則をまとめてみたいと思います。

1.まるくしたとき
 アイディアだけでできあがったデッキ。アラは多いけれど、決まったときの破壊力は文句ナシ、あとは勝率を上げるだけという場合、いろんな状況・デッキタイプに対処できるよう様々なギミックを組みこんで調整していきます。すると、肝心の破壊力が失われることがよくあります。本末転倒です。トーナメントではとがったデッキタイプじゃないと勝てないこともあります。弱点に目を向けるより、長所をまっすぐのばしてやるよう心がけるべきかもしれません。(でも、最低限の短所は補ってやるべきなんでしょうね、親としては)

2.デッキが重いとき
 おもしろそうなカードでコンボを組んだりしようとすると、そのカードのコストは重いものばかり、ということがよくあります。コンボばかりに目が行って、コンボ発動の前に相手の軽量クリーチャーの大群に殴り殺される。むう。コンボは発動してこそ華。発動しないコンボなど意味がありません。デッキはコンボだけではないのです。コンボにつなげる対戦の道筋も考えてデッキを構築する必要があります。簡単に言えば、序盤で死なないようにすること、あるいはコンボ完成を早めることです。この点を忘れてはなりません。自分のことばかりでなく、対戦相手とのかねあいを考えましょう。
 あと、もうひとつ問題なのが、そのコンボが弱いこと。コンボとしてはおもしろいけど、序盤でこおむった不利益をひっくりかえすほどパワーのあるコンボでなかったりすると、対戦で「勝利」するためにはおすすめできないと言うほかありません。無論、ファンデッキとしてなら何の問題もありません。その場合、対戦相手の驚きの顔を見ることが勝利条件ですから。

3.除去が少ないとき
 青峰が一番よくやるパターンです。青峰はパーミッションデッキをほとんどつかわないので、除去が少ないのは致命的なようです。直接除去が少なくても、間接的に相手の脅威を取り払えればいいことは理解しているつもりです。手札破壊したり、土地破壊したりと。でも、クリーチャー除去は何よりの基本。ライフを守れ! 死なない程度に!

4.環境に合わないデッキタイプにこだわっているとき
 時代がモーニング娘を輝かせているのに、ハーモニカで子供の芸能界デビューをもくろんでいる親でしょうか(ちょっと違うか)。青峰は黒が好きなので、これまでよく黒デッキを使ってきました。が、それがメタゲーム的にあわない色であることもあります。そんなときはどうする? 時代に合わせることも重要ですが、時代を振り向かせることもおもしろいし、時代が半周して自分の時代になるのもマジックの世界ではそれほど時間がかかることではありません。親のこだわりを子のまぶたにやきつけたいものです。

 日本の数千万のデッキ親のみなさま、デッキは産みっぱなしというわけにはいかないので、まっすぐ育つようがんばって世話してあげましょう。 



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