カード資産とトーナメントデッキ
一体みんなはどれくらいのカードを持っているのだろう。マジックをやりはじめたころはけっこうそんなことが気になったりします。自分の知らないカードを友だちが持っていて、それをデュエルであざやかに使われたりすると、オレももっとカードがほしい、そして、友だちと競争のようにブースターパックを買い、それがいつの間にか、ボックス買いになってところで、引き返せないところまで来たことを人は悟るのです。
それでも、仲間内で遊んでいるうちはカード資産の問題はそれほど大きくないような気がします。問題になるのは、公式トーナメント(スタンダードやらエクステンデッドなど)に出るようになった場合ではないでしょうか。
マジックのトーナメントでは、カード資産が少ない=だから勝てない。確かにそう言った面もあるのです。強いカードをきちんと4枚持っていることは、特に微妙なデッキ構築を求められるトーナメントで、明らかに戦略の幅を保証してくれます。
しかし、カード資産を整備するのは大変なことです。トーナメントに出るようになると、多くのカードが4枚ずつ必要になります。そして、それは大抵強いカードであり、強いが故に需要が高く、トレードするにしても価値が高く、シングル買いするにしても値段の高いカードなのです。
最近青峰はひとつのエキスパンション毎に2ボックスくらい買っているのですが、それだと1種のレアで2枚くらいそろえばいい方です。それ以上はトレードするかシングル買いをして集めなければなりません。しかし、必要なカードはなかなかトレードで出してくれる人も少なく、かといって、シングル買いをばしばしするほど金銭的に余裕があるわけでもありません。では、どうするか。
方法のひとつとして、カード資産を色的に特化する方法があります。「オレの色は黒。ゆえに他のカードはトレードでばんばんだす。そして、黒のカードを集めまくれ」。昔はこういうことが結構ありだったように思えますが、最近はそうでもないような気がします。多色化の傾向がすすんだこと、トーナメントで勝ちの代償として金銭負担を当然と思えるプレイヤーが増えたことなどが、その一因だと思います。そもそもメタゲームが存在し、その環境が激変するトーナメントで、自らデッキ構築の幅をせばめてしまうのは大きな問題といえるでしょう。
そこで青峰がとっている行動は、「くずれたデッキを使う」です。「くずれたデッキ」うーん、あまりいい表現ではありませんね。たとえばこういうことです。本来ならデッキに4枚入れたいカードを1枚しか持っていないとしましょう。現状を素直に受け入れます。オッケー。問題なし。別の下位互換カード3枚で置き換える? それはちょっとつまりません。明らかに弱い方向を指向しています。まったく違う用途のカードを使いましょう。するとどうなるか。当然、頭で思い描いているデッキとは違ってきます。1スロット(カード4枚分の枠)変わると、明らかにデッキの動きや目的もかわってきます。おそらく他のスロットにも手がくわわるでしょう。新たなデッキタイプを作らなければなりません。そうしてしだいにメタゲームの対象となるようなデッキタイプからはずれてゆきます。くずれたデッキ=メタ外デッキの出来上がりです。
ただ単に勝利を求める環境の中では、カード資産の少なさは明らかにマイナスポイントです。しかし、逆境は人を強くします。限られたカード資産でデッキのタイプをにつめていくことは、デッキ構築能力を高める練習になります。そして、何よりデッキ作成の醍醐味を満喫しているのです。それは間違いなくマジックの楽しみの大きな部分を占めているはずです。
カード資産が少ないから勝てないとただ嘆くよりも、オリジナルデッキを磨きあげ、いわゆるコピーデッキにひとあわふかせる楽しみもあると考えられれば、それはそれでトーナメントにでる楽しみ方のひとつになるのではないでしょうか。
マジックを初めて早×年の青峰も、最初の二三年は、リストを作ったりして、手持ちのカード枚数を管理したりしていました。ですがそれもいつの間にかやめてしまいました。頻繁にトレードしたり、買ったり(特にボックス買い!)、カードの「出入り」が激しいのでめんどくさくなったからでした。今回、久しぶりに自分の持っているカードがどれくらいあるのか気になり、連休中のこともあって調べてみました。もちろん、それでもめんどくさいことには変わりないので100枚=3.2cmの計算です。定規で測りました。ものすごい大雑把です。その結果は以下のとおり。