リムーブカード反対委員会


 神河謀叛で4枚のカードが再録されました。《撲滅/Eradicate》《木っ端みじん/Splinter》《一掃/Scour》《鎮圧/Quash》《塩まき/Sowing Salt》という各色1枚ずつあるこれらのカードは、それぞれクリーチャー、アーティファクト、エンチャント、インスタントorソーサリー、特殊地形を対象とし、その対象のカードと、同名のカードを手札、墓地、ライブラリーから全てリムーブするという呪文です。
 神河物語では、《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》というカードが出ていましたが、さらにそれに加えてです。やめてほしい。全く勘弁なのです。

 初録の時、これらのカードはスタンダード環境においてそれほどには猛威を振るいませんでした。それでも、青峰はこれらのカードは根本的に間違っている。作ってはダメなカードだと思います。再録なんて論外です。
 なぜなら、1種類のカードを全部引っこ抜くということは、相手のデッキコンセプトを完全に否定することになりかねないからです。特にそれが1種類のカードに依存したデッキであればなおさらです。デッキの多様性を楽しむMTGの特性から考えても、これはトーナメントプレイだけでなく、カジュアルプレイにおいても決して好ましいこととは言えないはずです。

 確かに、対策カードはこれまでも五万と存在します(単色デッキに対する各色防御円や《沸騰/Boil》《罠の橋/Ensnaring Bridge》《減衰のマトリックス/Damping Matrix》等々)。けれど、今回の五種リムーブカードはこれまでの対策カードとは根本的に違います。なぜなら、防御円等のパーマネントなら壊せばいいし、《沸騰/Boil》で《島/Island》を壊されればまた出せばいい。しかし、今回の五種カードはそのプレーヤーのデッキに入っている全てのカードをリムーブしてしまいます。そして、このようにリムーブされたカードをプレイする手段はほとんどないのです。

 さらに、構築フォーマットにおいては五種カードは基本的に1対4の交換となる確率が高いカードです。コストがダブルシンボルとはいえ、4マナ。全くもって異常なまでのカードパワーだと言わざるを得ません。

 また、最近のスタンダード環境において問題になるのは、黒(対クリーチャー)、緑(対アーティファクト)、青(対インスタント・ソーサリー)に関してはメインから入る可能性が高そうなことです。そして、土地をクリーチャー化する手段も多いことから、特に黒は凶悪なカードとなる可能性を秘めています。

 異常に軽い訳ではなく、ドローをもたらす訳でもありませんが、これら五種カードは出してはならないカードだと青峰は結論したいと思います。


 


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