《死の雲/Death Cloud》入門

  ダークスティールの黒い注目カードと言えば、《死の雲/Death Cloud》ではないでしょうか。

《死の雲/Death Cloud》 (X)(黒)(黒)(黒) ソーサリー
それぞれのプレイヤーはX点のライフを失う。その後、それぞれのプレイヤーは自分の手札からカードをX枚捨てる。その後、それぞれのプレイヤーはクリーチャーをX体生け贄に捧げる。その後、それぞれのプレイヤーは土地をX個生け贄に捧げる。
 以前のカードに似たようなカードがありました。《悪疫/Pox》です。
《悪疫/Pox》 (黒)(黒)(黒)  ソーサリー
それぞれのプレイヤーは、自分のライフの3分の1を失う。その後、それぞれのプレイヤーは自分の手札にあるカードの3分の1を捨てる。その後、それぞれのプレイヤーは自分がコントロールするクリーチャーの3分の1を生け贄に捧げる。その後、それぞれのプレイヤーは自分がコントロールする土地の3分の1を生け贄に捧げる。それぞれ端数は切り上げ。
 黒黒黒で序盤から大きな変動をもたらす興味深いカードでしたが、今回の《死の雲/Death Cloud》は黒黒黒ではX=0なので何もおこりません。Xを1以上で指定することによって効果を増大することができる。つまり4マナ以上のカードです。

 さて、このカードは、お互いのライフ・手札・クリーチャー・土地に効果を持つカードであるため、このカードを活かしてデッキを作るためには、いかに相手より損害を被らずにすむかということを考えなければなりません。各項目毎に考えていきたいと思います。
(コストが黒黒黒であることから黒単もしくはタッチを加えた黒の濃い二色デッキという前提で考察)。

ライフ: 効果を増せば増すほど自殺的意味合いが強くなります。とどめとして使うためには相手よりライフで優位に立っていることが必要ですが、白や緑に比べ黒はライフが減りやすいのは自明のこと。また、DS入りスタンダード環境にはライフ回復カードがそれなりに多い(《賛美されし天使/Exalted Angel》、《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》等)ので、この効果はあまり重要視すべきではないと思われます。ただ《黒の防御円/Circle of Protection: Black》にも、対象にならない効果にも引っかからない点は少し重要。
関連カード:《溶鉱炉の脈動/Pulse of the Forge》《原野の脈動/Pulse of the Fields》など

手札: これも相手の手札を破壊すると同時に自分の手札も破壊されるわけなので、手札以外で、カードを相手より多く使える仕組みが必要です。
関連カード:《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》、《定員過剰の墓地/Oversold Cemetery》、《頭蓋骨絞め/Skullclamp》など

クリーチャー: 相手より多くのクリーチャーを展開しておく、打った段階ではノンクリーチャーである、回収できる、トークン製造パーマネント等の選択
関連カード:クリーチャー化するアーティファクト、《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》、《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》、《ルフ鳥の卵/Rukh Egg》、リアニメイトなど

土地: マナアーティファクトを使うのは、Xを自分の土地の数以上を指定する時のみ効果を発揮しますので、展開スピードを考えなければ、その分土地を展開していても同じと思われます。
1マナソース=1マナとすると、常に自分のマナソースは三つ残ることになります。相手のマナソースを縛るためには、相手より多くのマナを確保することが重要です。また、土地が減ると次の展開がしにくいため、低いマナ域でデッキを回るようにするか、それ以外のしくみを用意する必要があるでしょう。
関連カード:土地破壊

 逆にアーティファクトとエンチャントは影響を受けないので、それを使うのも手かもしれません。

 このように《死の雲/Death Cloud》は様々なゾーンに効果を与えるため、いろいろな選択肢が複雑にからみあっており、そこがこのカードを用いたデッキ構築の難しさがあるようです。そしてそれが面白みがあります。皆さんも《死の雲/Death Cloud》デッキを作ってみませんか。

 


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