種族の世界

 さて今回は種族のお話。
 なぜこのテーマを選んだかと言えば、あの注目カードを見てしまったからです。そう、《霧衣の究極体/Mistform Ultimus》です。このカードは自身は種族欄にイリュージョン・レジェンドと記されているにもかかわらず、「霧衣の究極体は、すべてのクリーチャー・タイプである。」なのです!
 すべてのクリーチャー・タイプを持つクリーチャー──今までそのようなクリーチャーは存在しませんでした。で、レギオンFAQで明かされるすべてのクリーチャー名は、 何と368・・・え、そんなものですか。もっといるような感じだったんですけどね。とにかく、これらの種族名(クリーチャー・タイプ)を某カードデータベースで一つずつ検索にかけて、その結果をもとに種族分析をしてみることにしました。

■1.全セットで多い種族(参照表1)■
 何と、一番多い種族クリーチャーは[Soldier]で204体。ちょっと意外でした。代表的な兵士って・・・《長弓兵/Longbow Archer》かな?
 次は[レジェンド]、こいつは二つ種族をもってたりすることが多いんですよね。こんなに多いのに伝説っていうのもどうかと思いますけど。そして三位が[Wizard]。ようやくMTGっぽい雰囲気のが登場です。
 ベスト10に入った種族はどれも数が多いだけあって、その名を冠する種族デッキが存在します。……レジェンドデッキだけは聞いたことないですが。
 でも、大昔からいるスライの主人[Goblin]や緑の代名詞[Elf]って、もっと多いような気がしていたのですがね。

■2.現スダンダード(2003.4現在)で多い種族(参照表2)■
 これも一番は[Soldier]。数こそ三分の一に減っていますが、二位の「Wizard」を僅差で押さえてのトップです。
 表1と2を較べると、出てくる面子はほとんど同じです。これらの種族は時代が変わっても、常に一定の地位をMTG界に占めているようです。わずかに違うのが、全セットトップ10のみにいる[Wall]、スタンダードトップ10のみにいる[Druid]というところでしょうか。

■3.絶滅危惧種(参照表3)■
 逆に、現スタンダード環境に残っている種族数が少ない種族たちは表3のとおり。トップは何と、[Rebel]。こいつはマスクスブロックで爆発的に出てきて、レベルデッキをも生み出しましたが、今や《鞭縄使い/Whipcorder》を残すのみ。2位の[Mercenary]も同じくマスクスブロックでレベルの対として出てきましたが、現在は2体のみ。早急な保護が必要と思われます。

■4.絶滅種(参照表4)■
 現スタンダードに存在しない種族は248種族! 恐竜さんです。盛者必衰です。全種族が368種ですから、ほぼ三分の二が絶滅していることになります。
 が、今後復活する可能性もなきにしもあらず。特に基本セットは大チャンスです。

■5.我、召喚するにあたわず(参照表5)■
 全種族368種のうち、36種族はクリーチャーカードには存在していませんでした。おそらく生成トークンや、他のパーマネントが活性化して変化するものと思われます。

■6.おいらは寂しい独り者(参照表6)■
 1種族1体しかいないクリーチャーがなんと174体(種族)もいます。ひとりぼっちはかわいそうです。早く仲間を作ってあげて欲しいですね。

■7.我故に我有り!(参照表7)■
 上記1種族1体しかいないクリーチャーの中で種族名=カード名のもの(Theがつくのも含む)は60体。まさしく俺流野郎たちです。潔くて格好いいです。《ボールライトニング/Ball-Lightning》《クローン/Clone》

■8.どういう種族だよ(ツッコミ)■
[Harlequin(ハーレクイン)]>>>《Chaos Harlequin(AL)》・・・・てっきりロマンスをどうにかするのかと思いきや「ひょうきん者、道化師」といった意味があるようです。
 〜ロマンスの方も、中世ヨーロッパでたくさんの恋物語を語って聞かせた道化役者からその名が来ているようです。
[Lady-of-Proper-Etiquette(お上品なおば様)]>>>《Miss Demeanor》
[Uncle-Istvan(イシュトヴァーンおじ)]>>>《Uncle-Istvan》
 もう、叔母様とか叔父様とかいるんだったら、お嬢様とかお姉さまとか奥様とかも・・・
[The-Biggest-Baddest-Nastiest-Scariest-Creature-You'll-Ever-See(史上最強最凶最驚最恐生物)]>>>《B.F.M. (Big Furry Monster)》。さすがアングルードです。日本語訳で笑いました。

注1)CRYSTAL KEEPのOfficial Magic Rulings Search (http://www.crystalkeep.com/magic/rules/search.html)を用いて、そのCreature Typeの欄に一個ずつ種族名を入力して、その出力数を指折り数えていきました。
注2)サーチ法の失敗や、数え間違いなどきっと(w)あると思いますが、悪しからず。
注3)このコラムでは種族の繁栄を全セットとスタンダード環境の観点から捉えましたが、本来MTGはバックストーリーとともに作られており、セットにより舞台となる世界が変わっているため、このコラムの記事はMTG本来の世界観とはマッチしないものであることをお断りしておきます。


    

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