三姉妹のある日常:春編

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第4話



「あ!」

っと声がして、二人の心臓が一時停止しかけた。

「〜〜!??」

悶絶する二人をよそに、続いて、草むらをかき分ける音がして、

「・・・?」

草影からひょっこりと、二頭身のシサが出てきた。

「・・・・・・・・・!?」

思わずシサを見るクギリ。

「…シサ…あなたも…!?」

なんて事をいうのかこの姉は。

「ちっ、違うっ!いや、その、違う!断じて違うったら!」

「…一言相談してくれても…」

「誤解だ〜っ!というかまだ…あぅ…だ、だから知らないってば!」

「…私たち、姉妹じゃない…」

「あ〜〜の〜〜〜ね〜〜〜〜!」

ガサ。

そして、また草むらが鳴った。

二人が、思わずそちらを向くと…

草むらをかき分けて、二頭身のクギリが…

「・・・・!?」

「…お姉ちゃん…一言相談してくれても…」

「ちっ、違う!断じて!決して!私だってまだ…いや、その、とにかく違う!」



「フッフッフ…驚イタヨウダナ…」

突然、合成音声があたりに響いた。

「はい、驚きました(いろんな意味で)。…はっ?誰っ!?」

ざっ、と土を踏む音がする。

そちらを向けば、全長10mの巨大ロボットが陽光を背に受け、そこに立っていた。

…コンビニ弁当を持って。

「…え、えっと…」

どこから突っ込んでいいやらシサが迷っていると、合成音声は台詞を続けた。

「ソノ二頭身コソ、対貴様等兵器、メカナカミ、メカシサ、メカクギリ、ダ!」

合成音声は10mの体躯を生かし、存分に胸をはった。

「ねぇ。」

我に返ったシサが、ぽつりといった。

「…何ダ。」

「普通、メカ○○って、第一話から出す敵キャラじゃないと思うんだけど…。」

「…」

「…」

30秒ほど、場が凍りついた。



「ウガー!イイジャン別ニー!」

「でも…ねえ。」

「安直ね。」

「ウワーン!…エエイ!モウイイ!オ前達!ヤッテオシマイ!」

切れた合成音声は、メカ三姉妹に指令を下した!

「ほ?」

「ん?」

「ゆ?」

無論、メカ三姉妹は聞いていなかった!

「…変形シテ戦エ〜〜〜〜!」

もう少しで暴れそうな勢いの合成音声。もう一息だ。

しかし、メカ(略)は、「はーい」と元気良く返事をすると、変形し始めた。

「うわぁ・・・」

「自分と同じような姿が変形するのを見るのって、割と辛いわね…」

あえて詳細な描写は避けるが、

間接が常識とは逆方向に180度曲がったり、首や腕が回転したりするのは、

わりと全景で見ると気持ち悪いものだと思う。

それはさておき、二頭身のメカ三姉妹は、見る見るうちに八頭身に姿を変えた。

「…どこをどーやったの?」

「…見ててもわからなかったけど…」

「…割と私たちよりナイスバディなのが嫌だ…」

「…そうね…」

ぼそぼそと感想を言うクギリとシサ。

「フッフッフ…タダ姿ガ同ジ訳デハナイゾ…シカモ能力ガ1.5倍ダ(当社比)」

とりあえず、ピンチらしい。



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