蒜場山


【山  名】 蒜場山(ヒルバヤマ) 1,363m
【場  所】 新潟県東赤谷  登山ルート
【日  時】 2005年11月4日(金)
【メンバー】 単独
【天  気】 雨のち曇のち晴れ
【コースタイム】 7:30加治川治水ダム〜8:30独標〜9:10岩岳〜10:15烏帽子岩〜11:15山伏峰〜11:25蒜場山 
        12:30蒜場山〜15:25加治川治水ダム

 蒜場を直訳すれば、ノビルが生えている場所である。あんな山の上にノビルが生えるのだろうか。もっと別な意味があるのかも知れない。この登山道は平成9年に下越山岳会が整備し、米平新道と名付けたらしい。

 加治川治水ダムに車を止める。ほかに2台止まっていた。湯ノ平に行く道はゲートがしっかりと閉じられ、その上鉄パイプで柵が作られていて、ネズミ一匹通さない構えだ。この奥に何があると言うのだろう。UFOの基地でもあるのだろうか、もしくは上杉謙信の埋蔵金が発見されたのだろうか、はたまた...?

 それはさておき、目的の蒜場山のご機嫌はいかがとお顔を拝見したところ、山頂付近はガスがかかりご機嫌斜め、直ぐにでも泣き出しそうな様子だ。せっかく来たんだから途中まで行くことにする。
 ダムを渡ると直ぐに急登となる。登口から100メートルほど登った辺りにトロッコやレールの残骸が散らばっている。昔、鉱山があったといわれているがこんな山の上にトロッコやレールがあるのは異様な光景である。

 見晴らしの良い所に出た。岩岳と書いてある。キノコみたいな名前だ。正面にタコ入道みたいな岩山が聳えている。そこを越えなければならんと思うとうんざりする。ガスで周りが見えないし、小雨も降ってきた。でも体調は良さそうなので登頂モードに切り替える。周囲の景色が見えないので何処にいるか分からず、ただガスの中でアップダウンを繰り返しているだけ。山頂近くで降りてくるオジサンとすれ違った。今日はじめて人に会った。少し話をする。

 やっと山頂に着いた。誰もいない。ガスで周りが見えない。時々日が差すが直ぐに隠れてしまう。気象庁の天気予報では晴れのはずだが。ブツブツ言いながら昼飯を食べる。

 帰ろうとした頃ようやくガスが晴れてきた。正面の焼峰、特徴ある二ツ峰、ピラミットみたいな北俣岳などの山々がよく見える。待った甲斐があったというもんだ。気分をよくして下山する。
 










天狗角力取山


【山  名】 朝日連峰 天狗角力取山(テングスモウトリヤマ) 1,274m
【場  所】 山形県西川町  登山ルート
【日  時】 2005年10月9日(日)〜10日(月)
【メンバー】 単独
【天  気】 10月9日:曇時々晴れ 10月10日:雨時々曇
【コースタイム】 
10月9日 6:30バカ平〜7:00登山口〜9:10大クビト〜10:05紫ナデ〜11:00小障子〜12:30障子ヶ岳〜12:55桑畑〜14:15天狗角力取山〜14:25天狗小屋  
10月10日 6:50天狗小屋〜7:25気象観測所〜10:30バカ平

 全国的にも珍しい山名と朝日連峰の紅葉の時期でもあるということで、天狗角力取山に行ってみることにした。

10月8日
 土砂降りの雨の中、新潟を出発し鶴岡経由で山形県大井沢まで車を飛ばす。大井沢集落で右折して大井沢川を脇を遡る。砂利道を20分走ると大井沢川と南保川の出合いのバカ平と呼ばれる平地に到着。ここが今日のネグラとなる。朝方からの雨で増水が心配なので、直ぐに逃げられる場所に駐車する。

10月9日(日)
 天気予報では晴れのはずだがどんよりと曇っている。イマイチ元気が出ないが、とりあえず出発する。大井沢川左岸の林道を30分ほど歩くと登山口らしき所に出た。しばらく歩き小さな沢を渡渉すると、本格的に登りになる。休憩していたら後から来た人に追い抜かれてしまった。今日は天狗小屋まで行くそうだ。
紫ナデ辺りから紅葉が始まっている。ところが肝心の障子ヶ岳の山頂付近にガスがかかり見えそうで見えない、歯痒い状態なのである。ようやくガスが切れて、障子ヶ岳の全貌が明らかとなった。障子ヶ岳に近づくと、障子を立てかけた様な、山頂から数百メートル切れ落ちた東側斜面が圧倒的な迫力で迫ってくる。山頂西側の紅葉が素晴しい。飯豊の紅葉も素晴しいがここも良い。

小障子東面 障子ヶ岳 障子ヶ岳山頂

障子池の草紅葉も素晴しい。バックに障子ヶ岳が聳えている。、オバタケ(桑畑)峰から天狗小屋が見える。ここの紅葉も凄い。まるで紅葉の中に埋もれているようだ。

やっと天狗角力取山に着いた。山頂には誰が置いたのか、コブシ大の石が土俵の形に並べてあった。この山頂だけが、土が出て平になっている。土俵と言われればそう見える。紅葉真っ盛りの山頂で天狗様が相撲をとるなんて、ロマンチックでないかい。
天狗小屋に着いてみると、双眼鏡で登山道を降りてくる人を見てブツブツ何か言っている人がいる。聞いてみると天狗小屋の管理人さんだそうだ。良く見ると登るときに会った人だ。今日は泊る人が多いので、到着する前に場所の確保をしているのだそうだ。私は階段下を確保してもらった。ここは注意しないと階段の鉄骨に頭をぶつける。

障子ヶ岳山頂 障子池 桑畑付近

管理人さんに天狗角力取山の山名について聞いてみた。何でもこの山は昔は天狗山と呼ばれていたが、いつの間にか天狗角力取山となったそうだ。確かにこの山の下にある非難小屋は天狗小屋となっている。でもあんまりアッサリしすぎていて面白くない。それにしてもこの辺りの山名は不思議な名前が多い。帰ったら調べてみよう。
まだ3時過ぎだというのに、すでに中では宴会が始まっていた。山形弁と思われる言葉が飛び交っている。アクセントが後に来る独特の言い回しで、早く喋ると何を言っているか良く分からない。気がついたら回りは全て山形弁だらけだ。山形の人は話し好きだ。宴会は夜の7時まで延々と続いた。おかげで寝損けてしまった。

天狗小屋 天狗角力取山

10月10日(月)
昔から体育の日は晴れだと決まっているのに、今日は朝から雨だ。まるでホワイトアウト状態だ。おとなしく焼峰コースを降りよう。



谷川岳馬蹄形縦


【山  名】 谷川岳(タニガヷダケ) 1,963m
【場  所】 群馬県水上町  登山ルート
【日  時】 2005年9月29日(木)〜30日(金)
【メンバー】 単独
【天  気】 9月29日:快晴 9月30日:ホワイトアウト強風
【コースタイム】 
9月29日 6:00白毛門(シラガモン)登山口〜10:15白毛門山頂〜11:15笠ヶ岳〜12:50朝日岳〜15:00白崩非難小屋(清水峠)  
9月30日 5:00白崩非難小屋〜6:00七つ小屋山〜7:00蓬峠(ヨモギトオゲ)〜8:00武能岳(ブノウダケ)〜9:50茂倉岳〜10:10一ノ倉岳〜11:30谷川岳〜14:22西黒尾根登り口〜14:49白毛門登山口

 こんな山の中に国道があるなんて今まで知らなかった。
明治7年、近隣の有志からの寄付金によって作られた越後清水越新道ルートは湯檜曽から清水峠を越え、越後に至る「新道」であったが、殆ど山道を改修した程度のものだった。明治18年、大幅な改修工事を終えて、清水越新道は国道として蘇った。道幅三間の馬車が通れる、当時としては最先端の道路であった。しかし,谷川連峰の直下という地理上の悪条件から、無雪期はともかく冬季の積雪、それによる雪崩、土砂崩れ等によって通行止めが余儀なくされ、遂には放棄されることになった。まことに残念なことと思うが、現場に行って見ると、ここに国道を通すなんて到底無理なことだとわかる。

9月29日(木)
 前夜、土合駅の駐車場で車中泊。朝4:00に起きるが何だかんだと手間取り、出発は6:00頃になってしまった。白門登口の駐車場まで移動し装備を整え出発する。今回はメインカメラ、ハッセルをリックに詰め込んだのでチョト重い。
 しばらくすると、ガスが晴れて向かいの谷川岳が全貌を現した。ラッキーじゃ。途中で虫除けスプレーを拾った。きっと先ほど追い越して行ったお父さんが落としたのだろう。4時間程で白門に到着。これから行く笠が岳、朝日岳が雲ひとつ無い青空にそびえている。そこから1時間程で笠が岳に到着。今日の目的地、清水峠の非難小屋が遠くに見える。朝日岳で蓬峠から縦走してきた夫婦に会った。夫くんは百キロはあると思われる堂々たる肥満体で山登りする人に見えない。テント泊まりは装備が多くて大変だと言っていたが軽々と背負っていた。その体力を少しで良いから俺にくれ!!

向かいの谷川岳 白毛門 笠ヶ岳と朝日岳

 15:00頃白崩非難小屋に到着。お父さんはすでに居場所を構えていた。拾った虫除けスプレーを渡すととても喜んでくれた。
 まず水を探しに行く。ところが何処にもそれらしい所が無い。非難小屋の周り、三角屋根のJR宿泊所の周りを探しても無い。普通であれば水場のありかをどこかに書いてあるものだが。日暮れも迫ってきたし、だんだん焦ってきた。「ここは水は無いんだよ」などと埼玉のお父さんはもう諦めている。落ち着いて考えてみる。「ここは七つ小屋山の鞍部にあるのだから、避難小屋前の旧国道を辿っていけば必ず沢にぶち当たるだろう」と見当をつける。小屋にあった焼酎4リットルプラスチック容器をかかえ旧国道を水探しの旅に出る。どこまで行けば良いのか少々不安であったが、300m程行くと沢の音がしてきた。そこから少し行くとキレイな沢水が道路を横切っているではないか。ラッキー。埼玉のお父さんに水を見せるとマタマタたいへん喜んでくれた。

笠ヶ岳の非難小屋 朝日岳 朝日岳の池塘

 今日の宿泊メンバーは埼玉県東松山のお父さん、大阪から来た人生修行中のお兄ちゃんと私の三人。埼玉のお父さんはだいぶ前にリタイヤして、今は年間100日程山に入っているそうだ。すでに百名山はクリアし、二百名山に挑戦しているらしい。大阪のお兄ちゃんは、昨日巻機山の小屋に泊まって、今日降りてきたその足でここに来たそうだ。えらく軽装で、すでに乾パンしか残ってなくて、明日は麓まで食料を買いに行ってからまた登って来るのだそうだ。先に食料を仕入れてから登れば良いと思うのだが。
 埼玉のお父さんが「なぜそんな無意味なことをするのか」と怒ったが、本人は「修行みたいなもんだ」と言っていた。その後お父さんは地図を広げ、どこまで行けば食料が買えるか親切に相談にのってやっていた。ということで、私を除いて個性の強いメンバーである。
明日は稜線伝いに土合まで歩かなければならないので、4:00起き5:00出発とする。お父さんは大源太山に登って、蓬峠から新道に降りるそうだ。風の音を聞きながら眠りに入る。

白崩非難小屋とJR宿泊所 清水峠の朝 蓬ヒュッテ(アサヒスーパードライ600円)


9月30日(金)
 今日も快晴を期待していたのだが、強風と上部にはガスがかかっている。ガッカリ!!谷川岳はこれがあるんだよね。5:00埼玉のお父さんと私は七つ小屋山に向けて、薄暗がりの中、ヘッドランプを点けて出発する。大阪のお兄ちゃんはまだ寝ている。1時間程で七つ小屋山頂に到着。ここで大源太山に行く埼玉のお父さんと写真を撮ってから別れる。
風が益々強くなりガスが左から右に勢い良く流れる。昨日の快晴は何だったのだ。単独者一人、ご夫婦一組とすれちがう。昨晩は蓬ヒュッテに泊まったそうだ。殆ど平らな道を急ぎ足で行くと1時間程で蓬ヒュッテに到着。殆ど周りが見えない。
 武能岳、茂倉岳、一ノ倉岳まではすれちがう人も無く静かで良かったが、ネコミミに近ずくにしたがい賑やかになってきた。喧騒を避けネコミミから西黒尾根を降りる。巌剛新道を横目で見て西黒尾根登山口まで降りる。登山口から舗装道路を自動車に轢かれないように端っこを歩く。新しくなった谷川ロープウェイ駅、遭難者慰霊碑の前をとおり、ようやくマイカーに再会した。ハラショ!!!

一ノ倉岳 富士浅間神社奥の院 西黒尾根




剱岳

【山  名】 剱岳(ツルギダケ) 2,999m
【場  所】 富山県 上市町  登山ルート
【日  時】 2005年9月16日(金)〜18日(日)
【メンバー】 田村氏同行
【天  気】 9月16日:晴れ 9月17日:晴れのち曇 9月17日:晴れのち曇
【コースタイム】 
9月16日 11:20新潟〜13:00栃尾〜13:30長岡IC〜15:40滑川IC〜16:30馬場島(車中泊)  
9月17日 6:30馬場島〜11:30早月小屋(泊)
9月18日 4:30早月小屋〜8:30剱岳山頂着〜9:10剱岳山頂発〜12:00早月小屋着〜12:50早月小屋発〜16:30馬場島

 この登山道は、富山側の馬場島から剱岳までのびている長大な早月尾根を登るルートだ。途中に早月小屋があり、大体の登山者はここに泊まってから、翌日剱岳山頂を目指すが、そうでない人もいる。

9月17日
看板の裏から直ぐに急登が始まるが、これは見掛け倒しで直ぐに終わる。しばらく松尾平の平らな山道を行くと本当の登りが始まる。200mおきに標高を書いた看板が置いてある。
先週も来たと言うお父さんに会った。先週は蒸し暑くて途中でリタイアしたそうで、今回は再挑戦との事。ようやく長い山道を登りきると、早月小屋が目に飛び込んでくる。正面の奥に目指す劒岳の山頂が眺望できる。何はともあれ、体を酷使した後のお楽しみのビールを購入する。小屋前の広場で、ガスに見え隠れしている劒岳の山頂を肴に、缶ビール500mlを呑む。隣に都会風の50才くらいの男女がいた。話してみると、日本山岳ガイド協会のS氏とお客さんだそうだ。明日、剱岳山頂を踏んでから劒御前に泊まり、大日岳に登ってから帰るそうだ。なんとリッチな生活ウラヤマシイ。

早月尾根の巨大杉 早月小屋 室堂、前剱方面

さて、いよいよ待望の夕飯だ。メニューは定番のハンバーグカレー、カボチャの煮物、カレーに付き物のラッキョウ、オクラ、番茶である。ご飯だけ食べ放題。なかなか美味である。
晩飯も食ったし、いよいよ寝る時間だ。心地よい睡眠を楽しみにしていたのに修羅場が始まった。先ずは部屋の隅に寝ているお父さんのイビキが凄い。こういう人に限って寝つきが良くて誰よりも早く寝る。何が凄いかというと、旨く表現できないが、人間のイビキというよりも、野生動物の唸り声近い。また部屋の隅に寝ているので、壁板が共鳴板の役目をしているらしく音が良く響く。

何とかこの事態を打開しないと、朝まで寝られないで寝不足のまま、標高3千mの山に登らなければならないなんて辛い。必死で考えた結果、そういえばリックに耳栓が入っていたことを思い出した。何処で何が役立つかワカランですて。

ようやく耳栓のおかげで、お父さんのイビキにも慣れてウトウトしてきた頃、宿のオヤジと一緒に宿泊者らしい人が突然部屋にきてオヤジが大声で怒鳴りだした。何事が始まったかとネボケ頭で考えてみると、何でも、この人の寝る場所が無いので空けてやれという事らしい。それだけの事で大騒ぎをすることもなかろうに。しょうがないので気持ちよく隣に入れてやった。でも良く考えてみると、この人は今まで何処にいたのだろう。不思議。

富山市街と富山湾 剣沢ルート 山頂にて

9月17日
大騒ぎの一晩が過ぎて何とか無事に朝を迎えた。いよいよ今回のメーンエベントだ。宿で用意してもらった弁当をリックに詰め込んで、暗い山道をヘッドランプの光を頼りに山頂に向かって登る。明るくなってきたので弁当を食べる。中身はいなり寿司3個、のりまき寿司3個、タクワン2切れといたって質素。勾配はそれほどでもなく、ほとんど登りだけの樹林帯の道だ。風が無いので暑い。岩の間から室堂が見えてきた。剣沢から人がドンドン登ってくる。ようやく山頂に着いた。ナント5時間かかった。遠くに後立山の峰みね、足元には室堂、剣沢、大日岳が、八峰の向こうには仙人池ヒュッテが見える。富山湾が大きな弧を描いている。

風に飛ばされた帽子を拾おうとした瞬間、胸のポケットに入れておいた小銭を祠の周りにブチまいてしまった。ほとんど岩の間に入って回収不能となった。まあ、山の神様が欲しいと言うんだから、お賽銭がわりに気持ちよく差し上げましょう。ところが着いてまもなくガスがかかり周りが見えなくなってきた。田村さんは山頂でのの撮影を楽しみに、ナント6×6マミヤ2眼レフと35mmカメラを持ってきたのにこれでは可愛そうだ。お賽銭をはずんだのに何たる仕打ち、とブツブツ言いながら山頂からオサラバする。

去年ようやく設置された三角点 小窓尾根と赤石尾根 小窓尾根

お昼頃やっと早月小屋に帰ってきた。朝の4時ごろから騒いでいるので、相当疲れが溜まっているが、もう一晩泊まってまたハンバーグカレーを食べるのも何だし、天気も下降気味なので今日のうちに馬場島まで降りる事にした。


槍ヶ岳


【山  名】 槍ヶ岳(ヤリガダケ) 3,180m
【場  所】 長野県 安曇村 
【日  時】 2005年8月4日(木)〜6日(土)
【メンバー】 田村氏同行
【天  気】 8月4日:曇のち雨 8月5日:晴れのち曇のち晴れ 8月6日:晴れのち曇
【コースタイム】 
8月4日 5:15しゃくなげ荘駐車場〜6:30中房温泉〜10:10合戦小屋〜11:40燕山荘〜12:40燕岳〜13:10燕山荘〜16:20大天井小屋  
8月5日 6:10大天井小屋〜6:50大天井ヒュッテ〜9:45西岳〜10:40水俣乗越〜13:35ヒュッテ大槍〜14:45槍岳山荘〜15:50槍ヶ岳山頂〜16:15槍岳山荘  
8月6日 6:30槍岳山荘〜10:30槍沢ロッジ〜12:00横尾〜14:00徳沢〜14:50明神館〜15:20バスターミナル〜16:20沢渡  

 大天井から槍ヶ岳にぬける喜作新道を、開拓者の故小林喜作氏をしのんで中房温泉から槍ヶ岳まで縦走した。私が彼を知ったのは入院中に読んだ一冊のある本からだった。彼は並外れた優秀な猟師でもあり、初代殺生小屋(現殺生ヒュッテ)のオーナーでもあった。彼は殺生小屋建築中に、建築資材を取りに殺生小屋から中房温泉まで一晩で往復した程の、人並みはずれた体力の持ち主だった。
その頃、都会の人達にとっては、槍ヶ岳に登ることは死をも覚悟した秘境の地への探検という時代だったが、彼ら猟師達は動物を追って槍ヶ岳付近を駆け巡っていたとは痛快である。

8月4日
 
しゃくなげ荘駐車場から安南タクシーのタクシーに分乗して中房温泉まで。ここで朝食を摂り、ついでにトイレに行く。歩き出すと直ぐに急登となる。ここは北アルプスの3大急登だそうだ。いつまでも急登が続くが、時々、休み場が用意されている。登るのに飽きてきた頃、合戦小屋に到着。皆さん一様にスイカを頬張っている。ここのスイカ売りの若者はいやに愛想が良い。.ついつい、一切れ800円のスイカを買ってしまった。
 合戦小屋を出てから1時間ほどで燕山荘に着いた。折角なので燕岳までいってみるが、ガスで周りが全く見えない。トボトボと燕山荘まで戻り、800円の天ぷらうどんを食す。以外と美味しいではないか。

名物合戦小屋のスイカ 奇岩がそそり立つ燕岳周辺 雷鳥親子

燕山荘を出てからしばらく行くと何とかの大下りと書いてある道標をあった。そこから200m程降りてからアップダウンとなる。大天井岳の取り付きに、故小林喜作氏のレリーフが大きな岩にはめ込まれていた。中々良い出来だ。長いトラバースを過ぎると、大天荘の正面に出た。
テントを設営し終わったと同時に雨が降り出してきた。急いで、生ビールを買いに行く。受付のお姉さんがニッコリと笑顔で生ビールを差し出した。イソイソとテントに戻り乾いた喉に流し込む。最高ジャ。田村さんが何やらゴソゴソとリック中を探していたが、身欠きニシンを取り出した。ガスバーナーで炙って食べる。これは酒のツマミに最高だが、テントの中が魚臭くなるのが難点だ。昼間の疲れが加わって直ぐに眠りに落ちる。

大天井岳の取り付き 故小林喜作氏のレリーフ 朝日に染まる槍ヶ岳

8月5日
夜中に空を仰ぐと一面に星が輝き素晴しい星空だった。今日は快晴だろう。
暗いうちから周りの人達が騒ぐのでとうとう起こされてしまった。朝日が槍ヶ岳を染めている。早々に食事をすませて出発する。今日は今回のメインエベントの喜作新道wo
歩く。200mほど下ると大天井ヒュッテの屋根が見えてきた。庭には大勢の学生が出発の準備をしていたので、早めに出発する。しばらくトラバースしてから尾根道に出た。槍ヶ岳と北鎌尾根を右に見ての快適な尾根歩きだ。時々、猿や雷鳥が姿を見せる。幾つかの小ピークを越えるとヒュッテ西岳に到着。500ml350円の水を一本買う。高いけどしょうがない。ヒュッテ西岳をすぎると梯子が連続している下りにかかる。ここを300m程下ると水俣乗越に到着。ここから東鎌尾根の岩場が始まる。

大天井ヒュッテ ヒュッテ西岳にて 西岳からの大下り

左側に槍沢の雪渓、右側に天井沢の雪渓を見下ろし、登り降りを繰り返しながら高度を上げる。風当たりの良いところで簡単な食事をして先を急ぐ。疲労も最高調ながらヒュッテ大槍に到着。いよいよ槍ヶ岳の穂先が迫る。何とか槍ヶ岳山荘に到着。最後の元気を振り絞ってテントを設営する。時間があるので槍の穂先に挑戦する。思ったよりもスンナリと山頂に出た。祠にお賽銭を上げてから証拠写真を撮る。
山荘に戻り、日本語を話す外人の店員から一杯1000円の生ビールを購入しテラスで乾杯する。快感が喉を通り過ぎる。○×▲※◇!!田村さんはまだ物足りないらしく、ワインとウィスキーどちらをを買おうか迷っている。結局、ワインと缶ビールを買った。テントに帰り祝杯をあげる。ハラショ!!

ヒュッテ大槍 殺生ヒュッテ 槍の穂先を登る

8月6日
今日も快晴だ。常念岳から朝日が輝く。正月用に写真を一枚撮る。テントを撤収して槍沢を下る。チングルマや何やら高山植物が花盛りだ。途中で雪渓の上を歩く。槍沢ロッジで少し休み先を急ぐ。お昼ころようやく横尾に到着。もうヨッパラになってしまった。重たい足を引きずり、徳沢園、明神館を経由して午後3時すぎにようやくバスターミナルに着いた。長かったぜ!!

白煙を吐き出す槍の穂先 槍沢雪渓と西岳



杁差岳


【山  名】飯豊連峰 杁差岳(エブリサシダケ) 1.636m
【場  所】新潟県 関川村  登山ルート
【日  時】2005年7月9日(土)〜10日(日)
【メンバー】細野氏同行
【天  気】快晴のち雨
【コースタイム】 7:10胎内ヒュッテ〜7:40登山口〜10:50水場〜12:15大石山〜13:35鉾立峰〜14:20杁差岳小屋  
       5:50杁差岳小屋〜6:20鉾立峰〜7:10大石山〜8:00水場〜10:25登山口〜10:40胎内ヒュッテ

 今回は細野氏の提案で、足ノ松尾根経由で杁差岳まで一泊二日の山行に行くことになった。この時期は花も見ごろだろう。

楽をしようと胎内ヒュッテから登山口まで文明の利器自転車を使った。結構な勾配で、大きなザックを背負って自転車をこぐのは中々大変だ。登山口に着いた時にはすっかり疲れてしまった。細野氏は顔中汗だらけになっている。登る前から疲れてどうするんジャ!!自分に気合を入れる。

林道から森に入ると直ぐに、松の根っこが蛇のように地面をのたうち回っている急登にぶち当たる。気を引き締め登り始める。急登を1時間程登ると姫子ノ峰に出た。ここからは景色の良い緩やかな勾配の尾根づたいに登る。向かいに胎内尾根が良く見える。
やっと水場に到着。お母さん達が休んでいた。今晩は杁差小屋に泊まるそうだ。イビキをかくと言っていた。今晩はうるさくなりそうだ。雪渓があったので顔を冷やしてからお先に出発する。
大石山手前のピークに差し掛かった。右手の遠くに鉾立峰に隠れるようにして杁差小屋が見える。いつ来てもこの風景が何とも言えない程感動する。

ようやく大石山に到着した。ここから右へ行くと頼母木小屋に、左に行くとお目当ての杁差小屋に行く。その途中にその名のとおり、三角錐の形をした鉾立峰を越えなければならない。相当疲れが溜まっているが先を急ぐ。いったん大石山から尾根沿いに下りそれから登り返して、やっと鉾立峰に着いた。
頼母木小屋に続く道沿いにはニッコウキスゲやヒメサユリなどが咲き誇っている。花々をかき分けるようにして頼母木小屋に到着。さっそく今夜の寝場所を確保する。1階はいっぱいなので2階に上がる。飲み水を採りに雪渓を下る。雪解け水がゴンゴン流れている。細野氏は体を拭き始めた。こんなにキレイ好きだったかネ。

いよいよ待望のメインエベントに突入。先ずはジャスコ東店で買ってきた焼肉、油揚げの納豆詰め、キムチなどを肴に冷えたビール、焼酎を楽しむ。隣のお母さん達に油揚げの納豆詰めをくれたらお返しにキュウリの塩もみをもらった。至福の時間が過ぎてゆく。外が段々暗くなる。最後は肉うどんで満腹し、睡魔に負け眠りに落ちる。
夜中に風の音で目が覚める。小屋が揺れるほどの強風だ。ついでなのでトイレに行く。外に出てみると新発田の町の光が遠くに瞬いてる。スバラシイ。
4時ごろから周囲が騒がしくなってきたので目が覚めてしまった。風は止んでいる。今日は雨が降るらしいので、早めに下山する。



滝沢峰


【山  名】胎内尾根 滝沢峰(タキザワミネ) 1.361m
【場  所】新潟県 黒川村  登山ルート
【日  時】2005年6月25日(土)
【メンバー】単独
【天  気】快晴
【コースタイム】 6:45胎内ヒュッテ〜7:40ブナ峰〜7:50頼母木越え〜8:40五葉ノ峰〜9:50池ノ平〜12:00郷倉山  13:00郷倉山〜14:30池ノ平〜15:00五葉ノ峰〜15:30頼母木越え〜15:55ブナ峰〜16:30胎内ヒュッテ

 この登山道は足ノ松登山道ができるまでは、胎内から飯豊山に抜けるメインルートだったそうだ。何でも1年に一回、村長さん達も一般の登山者に混じって胎内尾根を登ったそうだ。昔、胎内ヒュッテの前で何処かのお父さんに教えてもらった。廃道になってしばらく経つので登山道は自然に戻りつつある。頼母木越え辺りから先は所々ヤブ化しており、滝沢峰までは何とか行けるが、二ツ峰から先は背の丈を越すヤブ漕ぎだそうだ。いまでは一般の登山者はほとんど来ないし、時々変わり者が通るくらいである。オット失礼。

胎内ヒュッテが新しくなった。こんな奥山に似つかない4階建のホテルだ。故藤島玄翁も「越後の山旅」の中で、「飯豊連峰に山小屋は数あるが、どういう訳でドイツ語をつけたのか、そのセンスを疑われる」と言っておられるが、今度は景観までもが都会から抜け出して来たかのような今風なホテルになってしまった。残念。

新しくなった胎内ヒュッテ ここがネイチャーワールドの入り口 五葉ノ峰

客待ちのバスを横目で見ながら、ゲートのクサリをまたいで(足が長いということではない)舗装道路を2、3分行くと、右手に頼母木川におりてゆく道がある。そこを行くと直ぐに古ぼけた釣り橋がある。この辺りから、ネイチャーワールドが広がってくる。橋から足を滑らせて落ちないように対岸に渡る。ここで落ちると岩魚達のご馳走となる。

すぐに急登が始まる。足の松尾根のように、松の根がクネクネと這い回っている。おかげで道は荒れていない。順調に高度を稼ぐ。ブナ峰辺りで休んでいたらガサガサ音がする。熊が出たかいなと一瞬あせったが、熊ではなく、大きなザックを担いだオジサンが現れた。ビックリさせないでよ。ここで人に会うとは思っていなかった。何でも門内小屋まで行きたいが、そこまでいけなくても二つ峰までは行きたいらしい。お泊りセットが入っている大きなザックを背負ってのヤブ漕ぎは熊並みの体力が必要だろう。パンを一つ食べ、急ぐのでと行ってしまった。オジサンは泊まりなので急ぐ必要も無いと思うが。

二王子岳 池ノ平峰 雨量観測所らしい

ブナ峰を過ぎると下り道となる。右下には工事現場らしい構造物が見える。何の工事か分からないが昔からやっているらしい。右手に僅かに踏み跡が見えるが、多分ショートカットして工事用道路に下りる道だろう。

何か怪しい音がする。前方を良く見ると親指ほどもある(嘘ではない)スズメ蜂が飛び回っているではないか。慌てて引き返すがスズメ蜂もこちらに向かって来る。道の脇に身を潜める。奴は気づかず行ってしまった。冷や汗もんですて。そういえば、スズメハチ撃退スプレーをザックに入れてたのを忘れていた。

頼母木越えの道標を過ぎると、ヤブで所々道が分からなくなる。要所々々に目印を付ける。足元がヤブで見えないので向う脛を木の根や倒木にしたたかうつ。おかげで向う脛は血だらけ、ズボンも血だらけ泥だらけ。こんなこともあるかと思って、この間ICI石井スポーツで買ったおニューのズボンははいて来なかった。正解だったね。

池平峰を過ぎるとほとんどヤブだ。ここまでヤブ化していると、蛇の頭を踏みつけようが、熊がいようが全く分からない。左側のヤブを踏み抜いて崖から落ちないように進む。

眼下に、両側がスッパリ切れ落ちた痩せ尾根が現れた。一瞬ビビッタがこうなったらヤケクソで前進するのみ。近づいて見ると幅1m程ありひと安心。

前方に黒い異様な物体を道の真ん中に発見。これはナンジャイ。去年見た熊の○○○に似ている。そうだとするとこの辺りをテリトリーとしている熊がいるわけだ。それに、この太さからするとかなり大きな熊だろう。オーマイゴッド!!一応、証拠写真を撮る。熊の○○○にならないように気をつけよう。

両側がスッパリ切れ落ちた痩せ尾根 熊の○○○ 二つ峰と滝沢峰

突然、見晴らしの良いピークに出た。目的の滝沢峰と思ったが、地図で確認すると一つ手前の郷倉山だった。郷倉山の山頂からは遮るもののない展望が広がっていた。前方には滝沢峰と二ツ峰、西には王子岳から赤津山に続く稜線、東には鉾立峰から大石山、頼母木山、門内岳への稜線。それと稜線に点在する山小屋までが手に取るように見える。ひとり空中に浮かんでいるような気分だ。来て良かったですて。疲労もピークだし帰りのことを考え、今回はここまでとする。

いよいよ周囲の山々を眺めながら昼飯とする。まずは途中の雪で冷やした虎の子の缶ビールで乾杯。ウーン...。生きていて良かった。次は近所のセブンイレブンで買ってきた、塩味のゆで卵、焼きソバパン、キャベツの塩もみなど、どれもどって事無いけど、こういう所で食べると最高に美味しい。ついでに昼寝までしてしまった。

帰りは楽かなと思っていたが、アブとヤブとアップダウンでスッカリ疲れてしまい、乳酸菌イッパイの両足を引きずりやっと胎内ヒュッテに辿り着いた。

今回は花を目当てに重いカメラを持ってきたがつつじ以外に全く花は無し。でも、最高の景色を堪能した。このコースは飯豊連峰の数ある登山道の中でも最高に景色が良いコースの一つではないだろうか。



丹後山


【山  名】丹後山(タンゴヤマ) 1.808m
【場  所】新潟県 六日町  登山ルート
【日  時】2005年6月18日(土)
【メンバー】星、桜井氏同行
【天  気】晴れ
【コースタイム】 6:10十字峡〜6:50登山口〜ジャコの峰10:00〜10:50しし岩〜11:10主稜線〜11:15山頂〜11:40利根川水源地碑〜山頂12:00  14:10山頂〜16:40登山口〜17:20十字峡

 今回は星さんと桜井さんに誘われ、五十沢渓谷の奥にある丹後山に向かった。ここは利根川源流の分水嶺でもある。分水嶺という言葉の響きに、遠い昔の妖しいロマンを感じる。

 AM4:00に集合場所でおちあい、桜井氏の自動車に乗せていただき高速道路を一路、五十沢渓谷の十字峡に向かった。現地に着いたのは6:00頃、ここで車を止め、奥五十沢渓谷の落石だらけの林道を登山口にむけて歩き出す。まだ道には雪渓が残っていて、足を滑らすと下を流れている三国川に直行、一巻の終わりとなる。

なんとか無事に登山口に到着ホッとする。登山道はノッケから急登となり先が思いやられる。いくら登っても急登が続き、効率が良いといえばそうだが足の筋肉は乳酸が満杯状態だ。所々に残っている雪渓で顔を冷やす。ジャコの峰を過ぎるといくらか勾配が緩くなった。左手には越後三山の最高峰、中ノ岳が良く見える。
突然、星さんが転んだ。大きなシマ蛇がいたらしい。マムシでなくて良かったですて。

五十沢渓谷の林道 しし岩 山頂小屋

このコース唯一の岩場であるしし岩が見えてきた。この辺りが森林限界らしく立ち木が無くなり、展望が利きようやく山に来たという雰囲気になる。中ノ岳から巻機山に続く稜線が良く見える。熊笹と残雪のコントラストが素晴しい。笹原を行くと稜線に出た。非難小屋には寄らず山頂を目指す。ようやく山頂に到着する。ここはノッペリとした丘に見たいで、いまいち迫力が無い。
星さんと私は装備をここに置き、チョット先の利根川水源碑まで足を伸ばす。星さんはあっという間に見えなくなった。遠くから見ると走っているではないか。とても○○才とは思えない。20分程で利根川水源碑に到着。中ノ岳を背景に記念写真を撮る。直ぐに桜井さんが待つ山頂に引き返す。
まずは発泡酒で乾杯。快感が喉を通り過ぎる。
それぞれ持ち寄った料理で至福の時を過ごす。昼食の後、疲れも加わり山頂での昼寝となった。爽やかな風と暖かな太陽に照らされ眠りに落ちる。

丹後山山頂 中ノ岳に続く稜線(中央奥が兎岳) 利根川水源碑(後方が中ノ岳)

ハット気がついたらPM2時を過ぎていた。太陽は雲に隠れ、天気は下り坂だ。急いで荷物をまとめ、慌てて山頂を後にする。

三合目辺りを下っているとき、後からなにやら人の気配がする。振り返って見ると中年のオジサンが凄い勢いで降りてくる。思わず避けると風のように通り過ぎて行ってしまった。きっと中ノ岳に登り兎岳、丹後山を縦走して来たのだろう。葉ウチワを持っていなかったが天狗みたいな人だ。
思ったより早く登山口に着いた。その後、十字峡までの帰り道がとても長く感じられた。何はともあれ無事でなによりじゃ。

巻機山に続く稜線(左奥が越後沢山) しし岩にて




大蛇山


【山名】大蛇山(オオジャヤマ) 802m
【場所】新潟県 安田町  登山ルート
【日時】2005年6月12日(日)
【メンバー】単独
【天気】曇り時々雨
【コースタイム】 10:10登山口〜10:35小蛇山〜11:10化物杉〜11:25大蛇山頂  11:40山頂〜12:10波多野新道降り口〜12:56大蛇山頂〜13:20化物杉〜13:40小蛇山〜14:10登山口

 大蛇伝説は全国各地にあるようだが、近くでは村松町の白山に大蛇伝説がある。今回はオロチに会いに大蛇山に登った。「そんなところにオロチが居るわけがないだろう」とツッコミがはいるかもしれないが、ギスギスした世の中でこんなロマンもあってもよろしいのでは。
この山は、安田町と三川村の境界の稜線上にあり、宝珠山と菱ヶ岳の中間に位置する。この辺りの地名は大蛇山や化物杉などオドロオドロしい名前があふれている。

国道290号を陸上自衛隊演習場を過ぎた辺りから左折し丸山部落に向かう。宝珠山登山口の案内板どおりに行ったら村はずれに出てしまった。登山者らしき人に道を聞かれたが私も迷っているわけで、曖昧な返事をしていたらこいつは頼りにならんと思ったか車を飛ばして行ってしまった。とりあえず周囲に気を配りながら引き返す。村中ほどで手書きの看板が目に入った。しめたと右折する。チョット行くとまた二股に道が分かれている。ここにも手書きの看板があるが良く分からないが左の道を行けばいいようだ。進むに従い道は細くなりとうとう舗装が無くなり砂利道となる。道は凸凹となりステーションワゴンでは無理と判断して、登山口の2Km手前で車を止める。運良く後から来た軽トラのお父さんに乗せてもらう。さすがに軽といえどもトラックだ。悪路もなんのそのスンナリ登山口に到着。ここでお父さんが一枚の地図を取り出しレクチャーが始まった。周辺の沢や登山道を丁寧に説明してくれた。大蛇山をダイジャヤマと思っていたが、本当はオオジャヤマだと教えてくれた。ちなみに宝珠山はホウシュサンと読むのだそうだ。お父さんは年齢は76才。最近まで富士山に登っていたそうだ。最後に地図をいただきお父さんと分かれれる。

ガスに包まれた山頂 登山道脇の山ツツジ 不気味な木

今回は小蛇山〜化物杉〜大蛇山〜波多野新道〜登山口の周回コースに決定。小蛇沢を渡り小蛇山に向かって登り出す。登山道脇には山ツツジが真っ赤に咲いている。登るに従いガスが濃くなり、何処を歩いているのか全く分からない。霧が立ち込めて大蛇が出てくるような雰囲気だ。この辺りのブナの木は一様に曲がりくねって見ようによっては何となく大蛇に見える。化物杉に到着。ガスに包まれた化物杉は今にも動き出しそう。ゾーー。

化物杉 大蛇山山頂 大蛇ジャ!!

ようやく山頂に着いたが木立とガスで周りの景色が全く見えない。早々に食事をして波多野新道の下山口に向かう。
ところがいくら探しても下山口は分からない。周りはガスに包まれ怪しい雰囲気だ。狐に化かされたのだろうか。先ほどのお父さんの話ではすぐに分かると言っていた。大体の位置は分かるので、強引に藪漕ぎをしても良いのだが、ゴアテックスの雨具が破けたら勿体無いし、まったく周囲が見えないので波多野新道を諦め、大蛇山まで引き返し、登ってきたコースを下山する。登山口から下山大沢沿いの林道を30分ほど歩きマイカーと再開した。

  残念ながら今回は本物のオロチに会えなかったが、オロチが出て来そうな幽玄の世界を堪能した。


会津駒ヶ岳スキー


【山名】会津駒ヶ岳 2,132m
【場所】福島県 檜枝岐村  登山ルート
【日時】2005年4月29日(金)〜5月1日(日)
【メンバー】細野氏同行
【天気】快晴
【コースタイム】 6:50滝沢橋〜8:10共同アンテナ〜10:10駒の小屋下〜10:50山頂  11:50山頂〜12:00駒の小屋〜12:30共同アンテナ〜13:00滝沢橋

 当初、燧ヶ岳を目指していたのだが七入〜御池間が雪崩の危険があるため通行止めということで急遽、会津駒ヶ岳に変更した。

 只見線沿いをはしる国道252はまだ冬の通行止めなので、西会津経由で午後四時過ぎ檜枝岐に到着。天気予報では晴れなのだが、曇っていて肌寒い。とりあえず燧の湯より100円安い駒の湯に入る。最近、改築したそうだ。愛想の悪そうな受付のオジサンに、勇気を出して雪の状態を聞いてみる。いつもの年より多いそうだ。面倒くさそうに教えてくれた。その後、今日のネグラを探してアルザ周辺をうろうろしたが、見晴オートキャンプ場,に陣地を構えることにした。受付のお父さんと交渉し、通常価格3,500円のところ2,000円にまけてもらった。出血覚悟の六割引だ。早速、北海道直送のジンギスカンとビールで宴会を催す。雪でビールが冷やせるので助かる。明日は早いので七時ごろに寝た。

午前五時起床。起きてみると真っ青な空が広がっている。食事もそこそこに滝沢橋に急ぐ。
滝沢橋には大勢の登山者が集まっていた。圧倒的に熟年登山隊が多い。林道には50cmほど雪があるが、スキーをザックに付けて沢沿いの林道を登る。右にカーブしている辺りから左の枝沢の雪渓を直登する。この沢を登ると登山口近くの林道に出るはずだが、この時期、全層雪崩が起きる危ないところだ。この時間帯なら大丈夫だろう。予想したとおり林道に出る辺りで、雪崩の跡のデブリが積み重なっている。注意しながら脇を通り過ぎる。冷や汗もんですて。
駒ヶ岳登山口からは雪の無い尾根道を歩く。夏道の急登をしばらく行くと雪道となり共同アンテナの立っている平らな場所に出た。ここからはやや緩やかになるので、スキーを履く。杉林の中を一時間半ほど登ると森林限界を過ぎ、ノッペリとした山頂が見えてきた。すでに何人か山頂近くにいるのが見える。

滝沢橋付近 眠たそうな駒ヶ岳 駒ヶ岳山頂(後方は燧ヶ岳)

山頂に着いてみると冷たい西風が吹き付けて、汗に濡れた体が冷えて寒い。いつものように雪ブロックで風除けを作る。これは快適だ。二人してビールを忘れたことに気がついた。男子一生の不覚じゃ!!仕方が無いので、乾杯抜きでパンやゆで卵など行動食を食す。南には燧ヶ岳、平ヶ岳、西には越後の山々、北には中門岳、東には大戸沢岳、三岩岳、みんな真っ白に輝いている。素晴しい展望だ。

いよいよ標高差1000mの大滑降だ。山頂から滑り降りる。駒の小屋前を過ぎて杉の樹林帯に入る。細かいアップダウンがあるので中々面白い。共同アンテナから少し降りると尾根に雪が無くなった。誰かが左の谷に滑り降りた跡があった。どこに出るか不安であるが左の谷に滑り降りる。幸運にも林道に出た。林道を少し行くと登山口に出た。ビクビクしながら雪崩の跡を通り、後は林道を滝沢橋まで滑って、今回の山行が無事に終わった。山頂からここまで、所要時間は一時間ほどだった。グラッチェ!!

燧ヶ岳と平ヶ岳 隣の大戸沢岳 雪に埋まった駒の小屋

何はともあれ温泉に向かう。昨日は駒の湯に入ったので、今日は燧の湯に入る。ここも最近改築したようだ。すいているし露天風呂もあるし快適だ。温泉に入った後、JAに寄って夕食の材料を購入する。ここは檜枝岐の数少ない食料店の一つだ。他には平野酒店くらいかな。店員さんは忙しそうだったが親切にしてくれた。
細野氏がどうしても岩魚の刺身が食べたいというので、無い知恵を搾ってとうとう一尺あまりの岩魚をゲットした。早速、登山ナイフで岩魚の刺身を造る。まだ日暮れまでにはだいぶ時間があるが宴会に突入する。雪で冷やしたビールとモッタリとした岩魚の刺身が良く合う。ウーンワイルド!!
今回は柳屋の裁ちソバも楽しみにしていたが、酒を飲んでしまったので運転はできず、ここから歩いてゆくには遠すぎる。残念ながら諦める。

インストラクターは今日も快調 夕食のメインディッシュ、尺岩魚 任務完了し引き上げる救助隊

宴もたけなわになりし頃、何やらキャンプ場の下を流れている川あたりが騒がしい。どこから来たのか対岸でスキーヤーが何か叫んでいる。この水量ではこちらに渡ることはまず無理である。多分、山からの降り口を間違えたのだろう。このままでは対岸で夜を迎えることになる。そうこうしている内に消防隊員やら救急車がくるやら、おおごとになってきた。とうとうヘリコプターも飛んできた。周囲が騒然となるなか、ヘリコプターによる救助活動が始まった。ヘリコプターでスキーヤーを吊り上げそのまま空き地に運んで一件落着となったが、ザックをはじめ装備一式が対岸に残されたようだ。救助隊もそこまで面倒は見てくれないようだ。

その後飲み直したが、午後六時ごろにはスッカリできあがって、それぞれ自動車とテントに潜り込んで寝てしまった。



飯豊連峰(頼母木山)登山


【山名】頼母木山 1.730m
【場所】新潟県 黒川村  登山ルート
【日時】2005年4月24日(日)
【メンバー】単独
【天気】曇りのち快晴
【コースタイム】 5:40梅花皮山荘〜8:25西俣ノ峰〜9:30枯松峰〜10:40三匹穴〜11:50山頂  12:40山頂〜13:15三匹穴〜13:50枯松峰〜14:30西俣ノ峰〜15:55梅花皮山荘

 今回は一人ということで写真撮影に徹しようとスキーの替りに久々に重いカメラをザックに詰め込んだ。

前日、梅花皮山荘に夕方5時ごろ着いた。奥川入の横山さんに山の様子を聞きに行く。隆蔵氏は家の前にいた。今年は大雪だったので雪消えが遅くて困るといっていた。家の周りは2mほど雪が残っていた。明日は重機で除雪するそうだ。すでに大きなショベルカーが用意してあった。
とりあえず山の様子を聞く。最近山に雪が降ったそうだ。そういえば山頂付近が真っ白に輝いている。黄砂を心配していたが思わぬ朗報だ。ぜひとも行かねばならぬ。
この日は梅花皮山荘の駐車場で車中泊をさせていただく。夜空には所々星が見える。焼肉は食べたし、ビールも飲んだしすることが無いので7時ごろ寝た。

4:30起床。所々青空が覗いている。何だかんだと準備に時間がかかり、出発は5:40ごろになってしまった。奥川入の横山家の前を通らせていただき広い雪原に出る。他に足跡は無く私が一番乗りらしい。杉の林を2つ通りすぎてから枝尾根に取り付く。小ピークまでは所々雪があった。ここは急登の上、岩場や小枝があるのでスキーヤーは大変だろう。雪の上にはカモシカ君の足跡が私を先導してくれる。十文字池あたりから雪道となる。気温が高いらしく少し靴が潜る。この辺りから眺めが良くなる。撮影に夢中になっていたら後から来た人に追い抜かれてしまった。今日は撮影が目的なのでヨシトシヨウ。聞いてみると頼母木山まで行くとのこと。同行者がいると心強い。段々と青空が広がってきた。8:25ようやく西俣ノ峰に到着した。またまた撮影に夢中になっていたら、夫婦らしいスキーを担いだ男性と登山姿の女性に追い抜かれてしまった。こんな事をしていたらいつまで経っても山頂にたどり着けない。少し歩きに身を入れよう。

枯松峰方面 三匹穴方面 三匹穴の慰霊碑

9:30ごろ枯松峰に到着。時間的には良いペースでひと安心。完全に頼母木山登頂モードに切り替える。雪庇が所々崩壊しているのでヤブ化している夏道を降りる。降りるに従い、これから登る斜面が迫ってくる。山頂方面はガスで見えない。ブナの疎林をもくもくと登る。
やっと三匹穴の広大な雪原に出た。左手には何やら慰霊碑らしきものが見える。周りの小枝には霧氷がびっしりと着いている。下界では桜が咲いているが、ここはまだ冬景色だ。下界からは想像もできないことだ。徐々にガスが晴れて青空が広がってきた。
ダマシ峰を越え11:50頼母木山山頂に到着した。山頂にはテレマーク夫婦、中条の単独者の3人が食事をしていた。周りは新雪で真っ白。稜線には山道が門内岳に続いている。遥か先には飯豊本山、ダイグラ尾根、梶川、丸森尾根、西には二ツ峰、二王子岳、北には鉾立峰、エブリサシ岳、東には朝日連峰、360度の展望が広がる。苦労して担ぎ上げたカメラをで撮りまくる。素晴しいてば。
山頂では日が照っているのと風が無いのでけっこう暖かい。オニギリとチーズパンでささやかな昼食を摂る。単独者が上がってきた。メガネを落としたと言っていた。

ダマシ峰からエブリサシ岳 山頂から二王子岳 山頂から門内岳

この景色をいつまで見ていても飽きないが、そろそろ下山する。写真を撮りながら降りるので結構時間がかかる。この素晴しい景観をしっかりとまぶたに焼き付ける。疲れているせいか西俣ノ峰までいやに長く感じられた。西俣ノ峰からは急斜面を慎重に降りる。十文字池からヤブと雪道を交互に歩く。プラスチックブーツは足首の動きが制限されるので夏道の急斜面を降りるには怖いものがある。何とか枝尾根を降りてホット一息。横山家の鯉のぼりが出迎えてくれた。

左奥が飯豊本山 頼母木山を振り返る 横山家の鯉のぼり

今日、山頂を踏んだのは私以外に合計4人、静かな山行だった。天候にも恵まれ早春の飯豊連峰を堪能した。



守門岳スキー


【山名】守門岳 1.432m
【場所】新潟県 栃尾市  滑降ルート
【日時】2005年4月16日(日)
【メンバー】細野氏同行
【天気】曇り
【コースタイム】 7:20除雪終了地点〜9:00保久礼小屋〜9:45キビタキ小屋〜10:50山頂  12:47山頂〜13:10キビタキ小屋〜13:06保久礼小屋〜13:45除雪終了地点

 新潟では桜が咲いているこの時期に物好きにも、先週浅草岳から見た雪に覆われた守門岳が忘れられなくてスキーを担いで守門岳に登った。今回はインストラクター細野氏か同行した。

 国道290号線を荒貫手前のスノーシェッドを過ぎたあたりから左折し、西川沿いの道を上流に向かって走る。二分集落から先に行くに従い雪が多くなり、除雪終了地点には2mほどの雪があった。道脇には登山者の物と思われる自動車が何台かの止まっていた。その先は工事車両が道を塞いでいる。ここに駐車して準備をする。
 工事現場を過ぎてからスキーを履く。西川にかかる橋を渡り車道をショートカットしてから崖を登り尾根に取り付く。長峰あたりで雨がパラついてきた。天気予報では晴れのはずだが、空はいち面雲に覆われている。天気予報はどうなってんねん。大自然に文句を言ってもしょうがないので気を取り直して歩き出す。2時間ほどで保久礼小屋に着いた。小屋は2階だけが雪の上に出ていた。ここまでくればもう登ったようなものだ。安心して休憩する。山頂寄りのキビタキ小屋は屋根がチョット雪の上に出ているだけだ。森林限界を越えると視界が開けた。後は真っ白な山頂に向かって気持ち良く登る。

守門岳は遥かさき 雪に埋まったキビタキ小屋 袴岳方面

 山頂では頭上を雲が早いスピードで通り過ぎ、冷たい風が吹いている。風を避けるため雪のブロックで壁を作る。その中は暖かくなかなか快適。登頂を祝い細野氏とビールで乾杯をする。寒いので暖かい物を食べようと言うことで、定番のニンニクとハムの炒め物及び元祖チキンラーメンを作る。寒いときはこれですね。面白いもので、人間は満腹して体が温まると幸せな気持ちになる。
 体も暖まったしお腹もイッパイになったので袴岳の写真を撮りに行く。雪庇に亀裂が入っていて危険だ。休憩場所に戻ってみると知らないオジサンが細野氏と話をしていた。山が好きなのか暇なのか先週も来たそうだ。まもなく10人ほどの団体さんが来た。大きな雪庇が張り出している隣の中津俣岳に降りていった。

雪の上に顔を出した釣鐘の支柱 雪ブロックで作った休憩場所 知らないオジサン

 ここにいつまでもいる訳にいかないので、荷物を片付けて山頂から滑り降りる。見るみる山頂が遠くなる。ブナ林を木々を避けながらすべる。登りの疲れか、ビールのせいか滑り降りるのも中々疲れる。キビタキ小屋の脇をとおり、保久礼小屋に着いた。ここからスキーと担いでチョット登り、長峰の尾根をしばらくすべってから沢に降りて車道が見える崖の上に出た。崖を慎重に滑り降り、来たときと同じように車道をショートカットして橋を渡り車のところに着いた。
今回は天候が今ひとつだったが、雄大な雪庇も見れたし、黄砂も無いきれいな山頂を快適にすべったし満足じゃのう。

大雪庇を行くパーティ



浅草岳ヘリスキー


【山名】浅草岳 1.585m
【場所】新潟県 入広瀬  滑降ルート
【日時】2005年4月10日(日)
【メンバー】田村、早川氏同行
【天気】快晴
【コースタイム】 6:30ホテル自然館〜8:50林道〜10:10前岳〜10:50山頂  12:30山頂〜12:40前岳〜13:10林道〜14:20ホテル自然着

4月9日(土)
 新潟から栃尾経由で田村氏を拾い、18時頃ホテル自然館の駐車場に到着。すでに早川氏は到着していた。駐車場の周りは3mほど雪が積み上げてある。去年より大分多い。早速テントを張り宴会に突入する。田村氏差し入れの栃尾名物ジャンボ油揚げを焼き七味をかけて頬張る。最高じゃ!!冬の星座オリオンが輝く星空の下酒宴が続く。何だかんだと2時間ほど過ぎ、田村氏と早川氏はそれぞれ2台の車に、私はテントに潜り込み眠りに落ちる。

4月10日(日)
 4時半に起床。期待したとおり快晴だ。前夜の酒宴の余韻も残っているようだ。昨日の残りのオニギリと元祖チキンラーメン、韓国のり等を食す。
次々と車が集まってきた。テントをたたみ出発の準備をする。とりあえず受付でゼッケンをいただく。去年に引き続き格安のスキー登山での参加だ。ヘリスキー組のゼッケンは赤で立派だが、スキー登山組とトレッキング組のゼッケンは白で紐がほつれている。良く見ると大原スキー場と書いてある。きっと大原スキー場から借りてきたのだろう。ヘリスキーは16,000円だが、スキー登山とトレッキングは格安の2,000円。料金が安いからしょうがないか。
ヘリコプターの前で安全祈願祭が始まった。それぞれ今日の山行の安全を祈る。参加人数はスキー登山とトレッキング合せて80名、ヘリスキー70名ほどだ。いよいよスキー登山組、トレッキング組の順番でスタートだ。まずゾロゾロと沢を歩く。しばらくすると尾根に出た。向かいの守門岳が白銀に光っている。時々休憩をとりながら順調に高度を上げる。シールが良く効き快適だ。列もだいぶバラけて来た。

ヘリの前で安全祈願祭 白銀に輝く守門岳 前岳に向かう

今回はハイドレーションシステム、簡単に言うと給水装置をザックに装備した。ザックを降ろさなくても歩きながら水が飲める。仕組みはザックの中の水筒から口元までパイプを伸ばし、強く吸うと水が出てくる。インストラクター細野氏がコメリから材料を買ってきて400円で作ってくれた。中々具合が良いが人前でチュウチュウ吸うにはチョット気が引ける。
大きなピークを越えると前岳が目に飛び込んできた。あと1時間ほどで山頂だと思うと、とたんに元気が出てきた。
山頂に到着するといつものようにお神酒が振舞われた。折角なのでありがたくいただく。田村、早川氏を待つ間に眼下の田子倉湖を眺めながら飲むお神酒は、疲れた体にしみ込む。まもなく両氏が到着しそれぞれ持ってきたビールで乾杯する。快晴の空の下、鮭とばを肴にビールを酌み交わす。来て良かったて。
2時間ほど山頂で過ごした後、いよいよ下山の時間だ。前岳に向かって滑り降りる。雪は重いが天気が良いので気持ちが良い。それぞれの滑り方で楽しみながら滑り降りる。

前岳手前のピーク 山頂にて 眼下に田子倉湖を望む

ようやくホテル自然館に到着。豚汁の炊き出しをいただく。オイチイ。
源泉かけ流しの温泉に入ろうと言う事で、浅草山荘に向かう。入浴料600円を払い、ほとんど貸しきり状態の温泉に飛び込む。ムム...ぬるい。入ってるとだんだん寒くなる。なんじゃこれは!!良く見ると隣にもう一つ沸かし湯らしい風呂がある。こっちは熱くて快適。多分、熱い風呂で充分体を温めてから源泉かけ流しに入るのが正式な入り方なのだろう。これで入浴料600円が高いかどうか複雑な気持ちだが、源泉かけ流しと言う事で良しとしよう。
好天に恵まれたし怪我も無かったし温泉にも入ったし、何はともあれグラッチェ!!


白鳥山スキー登


【山名】栂海新道 白鳥山 1.286m
【場所】新潟県 上路  滑降ルート
【日時】4月2日(土)
【メンバー】山本氏同行
【天気】晴れ
【コースタイム】 7:20除雪終了地点〜9:40松ノ木〜10:16山姥祠脇〜11:50稜線〜12:10山頂  13:10山頂〜14:00松ノ木〜15:30除雪終了地点着

去年は歩きで登ったが、山頂の素晴しい地形をすべってみたくて、今回はスキーでの登山だ。今回は同僚でもある地元の山本氏が同行する。彼は去年買ってから一度も使っていないミニスキーセットのお披露目をかねての山行だ。

今年は雪が多いが林道の奥まで除雪してあった。除雪終了地点で車をとめて準備を整えスキーをザックに括り付け歩き出す。ヤマちゃんは長さ1m程のミニスキー、私は長さ160cmのサロモンVerse7だ。正面尾根を登り稜線に出て稜線沿いに白鳥山小屋までの標高差1000mほどの山行だ。どういうわけか昨日から、食欲が無く吐き気がする。喉と頭も痛くて熱もあるようだ。体調は最悪。山頂まで登れるか不安になる。
林道を歩いてゆくとヤブがうるさくなって来た。スキーが枝に引っかかる。林道をショートカットしながら尾根を登る。
531辺りからスキーを履く。シールがしっかり張り付かず剥れてしまう。エッジが効かずジグザグに登れないし、直登するとシールが外れてしまう。仕方が無いので板をザックに括り付けて登る。重いですて。
何とか杉が生えている所まで来た。ここから200mほどの見上げるような急登が始まる。ヤマちゃんはスキーで私は歩きでここを乗り越える。稜線に出るまでにはなおも急登が続く。

天気は良いし歩きやすいし 急登を過ぎてホット一息 最後の登り

ピークを幾つか越えると、突然、視界が広がり木が点在する素晴しい景色が目の前に広がった。これを見たくてここまで来たようなもんですて。後は稜線に沿って小屋までルンルン気分だ。
やっと小屋に到着し感激の握手を交わす。なんとここまで5時間もかかったよ。ガンバッタネー。さっそく2階から小屋に入り昼食とする。ヤマちゃんは美味しそうにビールを飲んでいる。私は体調がいまいちなのでお預けだ。さびしく名立のデーリーで買ったきた稲荷スシを食べる。
突然、ケイタイが鳴った。出る前に切れた。細野氏からだった。かけ直すと電波の届かないのどうとかこうとか、メッセージが入ってつながらない。電波の届かないような山奥にいるらしい。

白鳥小屋 アットいう間に山頂は遥か遠く マダマダ衰えちゃいませんぜ

だいぶ休んだので帰る用意をしていたら7,8人のシニア混成パーティが到着した。お互いに記念写真を撮り合う。
いよいよ待望の瞬間だ。二人してスキーをつけ山頂から滑り降りる。あっという間に山頂が遠くなる。苦労しして稼いだ位置エネルギーがあっという間に消費される。素晴しい景色の中、疎林の間を抜けて滑り降りる。止められないねっチャ。
快調に滑っているうち雪庇により過ぎた。アット思った瞬間そこは穴の中だった。スキーを上にしてスッポリ落ち込んだ。体を動かすとズルズルとなおも奥の方へ。オーマイゴッド!!!そのうち、ヤマちゃんが来てくれた。何とかスキーを外しヤマちゃんが差し出してくれたストックにつかまり地獄から脱出した。感謝感謝。
気を取り直して、重くなってきた雪を無理やり板をまわし木立を避けてすべる。ヤブがうるさくなって来たので板を外す。後は林道をダラダラ歩き除雪終了地点に戻った。

今日は体調がいまいちだったし、穴に落ちたりと散々だったが、天候に恵まれ素晴しい景色も見れたので良しとするか。ハラショ!




平標山スキー登


【山名】平標山 1.983m
【場所】新潟県 湯沢町  滑降ルート
【日時】2005年3月19日(土)〜20日(日)
【メンバー】単独
【天気】晴れのち曇り
【コースタイム】 7:30駐車場発〜8:50山の家林道分岐〜10:30稜線〜11:20山頂  12:30山頂〜13:30ヤカイ沢分岐〜13:40駐車場着


先週は神奈山におしくも敗退した。2週続けて敗退したくないので、今回はトレースを当てにして、比較的、人の入る平標山に挑戦した。

3月19日
元橋の平標山登山口にある駐車場に16時ころ到着。除雪してあり10台程度駐車できそうだ。何と肝心のトイレが冬囲いしてあり使えない。ショック。何台か駐車していたが次々と引き上げて行き、我車以外に1台が残った。明るいうちに食事とする。六日町のセブンイレブンで買ってきたボンカレー辛口とわかめのサラダその他でささやかな夕食を摂る。シュラフに潜り込んで自動車の窓から空を見ると、月がこ煌々と輝いている。きっと明日は快晴だろう。楽しみだねーなんて独り眠りにつく。

林道からヤカイ沢を望む 正面後方に苗場山 仙ノ倉山左奥は谷川岳

3月20日
思っていたとおり快晴である。昨晩のの強い冷え込みで、オニギリ、キャベツの塩もみ、バナナその他の生ものが全て凍ってしまった。オニギリなぞはカチンカチンで、これが食べ物とはとても思われない。こんな時のために取っておいた非常食のチキンラーメンを食す。冷え切った体に生気が戻る。人間が凍らなくて良かったよ。
そうこうしている間に何処からか自動車が集まってきた。狭い駐車場がイッパイになってきた。多分、トイレがある二居あたりで夜を過ごしてきたのだろう。
今回のルートは河内沢沿いに平標山の家に向かって林道を歩き、山の家の左隣の尾根を直登し稜線を山頂に登り上げることにする。別荘地帯を過ぎたあたりでオジサン2人連れに会った。西ゼン沢を降りて土樽に出るそうだ。しばらくコバンザメさせていただく。
1時間ほど林道をあるくとなにやら看板が雪の上に出ていた。左に行くと山の家だそうだ。二人連れと別れ尾根をシールで登る。ジグをきるほどでも無い。シールが良く効いてグングン高度を上げる。2/3ほど登るとさらに傾斜がキツクなりクラストしてきた。クトー(スキーアイゼン)があれば登れそうだが残念ながら持っていない。ここで板をザックに括りつけて登る。ピッケルが無いのでここでスリップすれば止まらんでしょう。アイゼンが必要と思ったがズルしてそのまま登った。何とか稜線に到着。冷たい風が吹いている。仙ノ倉山が目に飛び込んできた。稜線の下部にあるはずの山の家が見えない。夏場であれば木の階段が山頂まで続いているところだ。ここから山頂までが長い。

シュカブラが付いた山頂標識 西ゼン沢をすべるパーティ 松手山方面

山頂は風が強く隠れるところが無いので汗が冷えて寒い。フードを被り食事をする。北側のコルから8人パーティが西ゼン沢方面へ降りてゆく。クラストしている雪面で転倒する人もいる。ヤカイ沢もクラストしており、凍った雪面を掻くスキーのエッジ音がここまで聞こえる。ブルル。結局、山頂付近は完全にクラストしているわけだ。この状況で斜度35°〜40°の雪庇あり、雪崩あり、クラストあり、何でもありの斜面を降りるのかい。オーマイゴッド!!
しばらく考えて、今日は状況が悪いと言うことで、フッカフカの新雪がありそうな、一番左の疎林の尾根をすべることにする。(滑降ルート)まずガリガリの斜面を尾根を探しながら滑り降りる。尾根への降り口が見つからない。ようやくそれらしい所を見つける。しばらくガリガリだったがその後パウダーとなり、雪良し、斜度良し、景色良しの快適なツリーランを楽しむ。
尾根の左側の誰も滑っていない所を気持ち良くすべったが、そこは雪庇の上だったみたい。そう言えば下から見たときに雪庇が張り出していたよ。雪庇が割れなくて良かったですて。
ヤカイ沢に降りてみたがこちらはフィルムクラストしていてあまり良くない。快適な尾根ルートを早く降りてしまったのを悔やんだ。戻るわけにもいかないので、雪質がコロコロ変わるヤカイ沢をすべる。これはこれで楽しい。しばらくしてヤブがうるさくなってきた。ヤブの中を左の沢に沿って進むと林道に出た。後は駐車場まですべって帰れた。シーハイル!!

山頂からヤカイ沢 今回の滑降ルート



神奈山スキー登山


【山名】神奈山 1.909m
【場所】新潟県 妙高高原  滑降ルート
【日時】2005年3月15日(火)
【メンバー】細野氏同行
【天気】曇り

十分な下準備をしたつもりだったが、神奈山は想像以上に手強い山だった。

遥々新潟から高速道路を走って関温泉スキー場にAM8:00ごろ着いた。天気予報では晴れのはずだがどんより曇っているので、いまいち調子が出ない。とりあえずスキー場のリフト終点まで行く。リフト従業員のお父さんが何かと話しかけてくる。先日、70センチほど雪が降ったそうだ。今日は雪が落ち着いているようだ。装備を整え、目的の神奈山に向かって尾根づたいに登り出す。トレースは無いがそれほど潜らない。まじめに始業点検をおこなったせいか、スキーの下に雪団子が付かず調子が良い。だんだん木立が疎らになり傾斜がキツクなってきたのでジグザグに登る。気休めかもしれないが、雪崩が怖いのでできるだけ木立の中を登る。
やっとやや平坦な所に出たので小休止。今日は曇りだが遠くの景色が良く見える。正面に長野の木島平スキー場、志賀高原の山々、左手には同じく野沢温泉スキー場、その奥には魚沼の山々が白く輝いている。キレイですて。
先を見ると痩せ尾根が山頂に向かって続いている。それでも行かねばなるまい。こんどは板を担ぎツボ足で行く。膝上ほどの雪をラッセルする。左に寄り過ぎると雪庇を踏み抜き、眼下の燕温泉に向かって限りなく垂直に近いアドベンチャースキーとなる。恐る恐る身を乗り出して下を見ると、遥か下に燕温泉が見える。
痩せ尾根をヤットコサ越えたと思ったら、目の前に斜度40°標高差50m程の木が一本も無い幕ノ沢源頭が立ちふさがった。オーマイゴッドじゃ。

山頂に続く尾根 どちらに落ちてもオーマイゴッド 眼下に見える燕温泉

このまますごすご引き下がる訳にはいかない。とりあえず目の前の斜面の正面突破を試みる。上に行くに従い斜度がきつくなり、半分ほど登ったあたりで股下ほどの雪で前進不能となり登頂を断念する。無念ですて。

今度は帰りの心配をしなければならない。今来た痩せ尾根をスキーを背負って戻るか、雪崩の危険を冒して目の前の幕ノ沢をトラバースして向こうの尾根にとりつき、尾根伝いにすべり降りるか、どちらかだ。二人で相談し、幕ノ沢をトラバースして向こうの尾根に取り付く事にする。雪崩れた場合、二人が一緒に巻き込まれないように、一人づつすべる。まずインストラクター細野氏が幕ノ沢に飛び込んだ。大きなシュプールを描き気持ちよくすべる。転倒は許されない。雪質はころころ変わる。気持ち良いのと怖いのと半分々々で変な気持ち。
何とか反対側の尾根に到着し、ホット一息つく。ビールで乾杯し、コンビニで買ってきた食糧を腹に詰め込む。

幕ノ沢に描いた入魂のシュプール 中央が幕ノ沢源頭 安全地帯に到着、ビールで乾杯

いよいよ今回のメーンエベント、国民宿舎までのロングクルージングの始まりだ。直ぐにブナの林となり木立の間をぬってすべる。雪質は重いが今の時期としては最高のパウダーだ。幕ノ沢に沿って尾根を快適にすべる。最高じゃ。
左手に国民宿舎が見えてきた。そろそろ幕ノ沢に降りる地点だ。手前に降りると川岸が高く上るに苦労するし、行き過ぎるとリフト乗り場まで登り返さなければならない。このタイミングがむずかしい。急な狭い枝沢を滑り降りる。幕ノ沢は雪で埋まっており簡単に渡れた。川岸を少し登るとぴったし国民宿舎前のリフト乗り場に出た。ラッキーじゃ。あとはリフトに乗って終点で降りれば、目の前が駐車場だ。ハラショ!!


二王子岳スキー登山

【山域】二王子岳 1,420m
【場所】新潟県 新発田市
【日時】2005年3月6日(日)
【メンバー】細野氏同行
【天気】晴れのち曇り

昨日で雪が止んだ。今日は雪の状態も安定しているようなので、スキーを担いで二王子岳に登った。

やっとの事で辿りついた山頂には、こんな時期でも数名の登山者がいた。鐘をつるす柱にシュカブラがくっ付いて樹氷みたいになってる。山小屋は雪に埋まり、辛うじて入り口だけが出ていた。
山頂は、太陽があたっていても素手でいると手が凍るようだ。それでも一応ビールで乾杯する。飯豊連峰の大パノラマが目の前に広がる。こんなに良く見えるのは珍しい。

山頂付近の風景 純白のモンスター樹氷 白銀に輝く飯豊連峰

食事もすんだし、寒くなってきたので帰り支度をする。名残惜しいが、シールを外し山頂から滑り降りる。雪質はパウダーで最高。俺たちだけのシュプールが残る。しばらく稜線を滑る。右側に寄りすぎると雪庇から落っこちる。1,301辺りから左に90°方向転換しスキー場に向かう。樹氷が点在する小さなピークをいくつも越える。軽い雪なので楽チンだ。
だんだん勾配がきつくなり尾根も狭くなってきた。慎重に板をまわす。

山頂にて 雪に埋まった山頂小屋 山頂に描いた会心のシュプール

突然、スキー場に飛び出した。後はゲレンデを滑り、駐車場まで無事に着いた。久々の好天に恵まれ気持ち良い山行だった。ハラショ!!

クリックすると動画が見えるぞ




三田原山スキー


【山域】妙高 2,347m
【場所】新潟県 妙高高原  滑降ルート
【日時】2005年2月18日(金)
【メンバー】細野氏同行
【天気】晴れのち曇り

コースタイム:登口9:40〜山頂12:00 山頂12:20〜国際スキー場Tバー下15:10

妙高山の外輪山の一つ、三田原山からスキーで滑り降りた。今回はパウダーに飢えている細野氏が同行する。「そんな所に行って大丈夫。そろそろ歳を考えたたら」と周りから冷たい目で見られたが、我々の意思は硬かった。

三田原第3リフト終点から登る。周りはガスっているが見上げると僅かに青空が見える。トレースは無い。とりあえず直登する。
しばらく登ると雪崩の後のデブリがいちめんに転がっている沢に出た。息をひそめて急いで横断する。ヒヤヒヤもんですて。
ここから今回のメイーンエベントーー、山頂まで続く急斜面が立ちふさがる。とりあえず板を付けたまま登ることにする。シールが良く効く。グングン高度をあげる。

細野氏と高妻山 三田原山に続く斜面 追い越して行ったスキーインストラクター

途中で油断をしていたら、後からきた若者3人組に追い抜かれてしまった。話しかけてみると、明日、関温泉スキー場で行われるスキー講習会のインストラクターだそうだ。関温泉まで縦走するとのこと。「その元気を半分俺にくれーー」と心の中で叫ぶ。
すばらくするとシールに雪が貼り付くようになってきた。下駄を履いたようで歩きにくい。始業点検をサボったせいだ。ここからは板を外しザックにくくり付けてツボ足で登ることにする。板の重みがズッシリと肩にかかる。足が膝下までもぐる。直ぐに汗が吹き出る。これも楽しみの内だと体に言い聞かせ、這い上がる。

高度を上げるにしたがい、ガスが晴れて、真っ青な空が広がった。黒姫山、戸隠、高妻山、遠くに北アルプスが雲海に浮かんでいる。疲れも忘れる瞬間だ。来て良かったてば。
妙高山の外輪山のひとつ赤倉山の山頂が目の前に迫る。荒々しい山様から、かっての大噴火のすざましさが見て取れる。
いよいよ勾配もきつくなり、足を滑らせたなら洒落にならない状態だ。慎重に足場を作り一歩一歩登る。もう少しで山頂だ。突然、向こう側に妙高山の山頂が目に飛び込んできた。ついに登り切った。細野氏と喜びの握手をする。後は稜線沿いに滑降地点まで歩くだけだ。カンタンですて。

急登に喘ぐ細野 赤倉山 隣の妙高山

若者3人組は行ってしまったし、後から来る人はいないし、我々2人だけなので安心して食事をする。今回はチョットデンジャラスなのでアルコール抜きだ。さすがに稜線は風が強い。風に乗って硫黄の臭いがする。やっぱりこの山は寝たふりをしているんだ。
細野氏は早く滑りたくてウズウズしているようだ。食事を早々に済ませ滑降地点まで移動する。
いざ滑降地点に立ってみると雪質が思ったほど良くない。べたついていると言うか腐っているというか、期待したパウダーとは程遠い。標高が高ければ雪質が良いとは限らないようだ。
ルートを確認し、誰も滑っていない純白の斜面にに飛び込む。勾配がキツイ上に雪が重いので、登りの疲れも加わって非常に疲れる。それでも大自然の中を滑るのは気持ちいい。歓声を上げながら滑り降りる。高度を下げると乾いた雪質になり板をまわしやすくなってきた。

三田原山 妙高山をバックに記念撮影 水を得た魚、細野氏の滑り

尾根伝いに滑れば良いのだが、どういう訳か右にそれてしまう。この辺りの地形の関係だろうか。GPSでルートを確認しながら木立の中を快適に滑る。左から深い沢が迫ってきた。この沢に落っこちないように沢沿いに尾根を滑る。しばらく行ってから尾根を左に滑り降りると、疎林の広い斜面に出た。木立の間を快適に飛ばす。小さな沢を幾つか渡り、ずいぶんと滑ったなあと思った頃、杉野澤に下りる林道に出た。林道伝いにスキー場まで滑り、今回の山行が終わった。グラッチェ!!


燕温泉スキー合宿

【山域】妙高
【場所】新潟県 妙高 燕温泉 
【日時】2005年1月22日(土)〜23(日)
【メンバー】細野氏同行
【天気】雪のち曇り

パウダーフリークの細野氏に誘われて、大雪警報が出ている中、豪雪で名高い燕温泉にスキーに出かけた。

やっと燕温泉に着いてみると、大きな雪の塊が道路わきに並んでいる。よく見るとそれは雪に埋まった車だった。何とか場所を見つけ駐車する。荷物を担いで今回の宿泊所の岩戸屋まで歩く。リフトも雪に埋まっている。除雪中のオジサンに聞いてみると、運転開始は午後からになるそうだ。屋根の上には2mほどの雪、軒先からも大きなツララが下がっている。温泉街全体がスッポリ雪に埋まっているようだ。
とりあえずチェックインする。こんな日によく来たねと感心された。豪雪地のこの地でも今年は例年にない大雪だそうだ。今日泊まるのは我々だけみたい。うれしいような、悪いような。
することが無いので昼飯とする。カレーライスを食べながら様子を見る。

これだけ雪が降ると表層雪崩が心配だ。第一リフト脇の斜面の端を滑って雪の状態を確認する。雪質はチョット重いパウダーだ。徐々に勾配のキツイ場所を滑る。転倒したら雪に埋まり、中々起き上がれない。何だかんだと暗くなるまですべる。
滑った後の冷えた体には温泉が一番。我々だけで、源泉かけ流し100%露天風呂を堪能する。ウーンマンダム!!その後、寄せ鍋を肴に大いに飲み雑談して疲れて寝てしまった。

豪雪で車も埋まった 岩戸屋ロビーから つかの間の青空と神奈山

次の朝も起きてみると雪だった。一晩で40cmほど積もったようだ。午前中は昨日滑った場所を滑る。昨日と同じようなフッカフカな雪質で楽しい。昼食は食堂のオバサン一押しのネギ味噌ラーメン700円を食す。大変美味。
午後からは第二リフト脇の斜面を木立を避けながら新雪を滑る。雲の上に乗っている様な何ともいえない面白さ。こればっかしはやってみないと分からない。最後に駐車場近くまで滑り、終了とした。

H氏のパウダーラン(クリックで動画) 豪雪と長いツララ


五頭山

【山域】五頭山 912m
【場所】新潟県 村杉 
【日時】2005年1月3日(土)
【メンバー】単独
【天気】晴れのち曇り

キャンプ場8:50〜山頂10:40

明日から仕事なので、怠け癖のついた体にカツを入れようと五頭山に登った。

キャンプ場から登る。登り口は1mほどの積雪。道はついていた。しかしこれだけ雪があると、道付けは大変だったろう。感謝感謝。
正月だというのに登山者が多い。山頂に着いてみると、そこはシニアだらけだった。皆さん健康で何より。
山頂の積雪は1.5mくらいだろうか。期待した霧氷はあったような無い様な。いまいちじゃ!例年より気温が高いせいだろうか。
遠くに飯豊連峰が綺麗に見えた。まあこれでよしとしよう。

山頂の風景 雪化粧の飯豊連峰 弥彦、角田山方面を望む


雪に埋まった非難小屋 一ノ峰



飯豊山


【山域】飯豊連峰
【場所】山形県 西置賜郡   登山ルート
【日時】2004年10月16日(土)〜17日(日)
【メンバー】単独
【天気】16日曇り、17日快晴

10月16日(土) 大日杉8:30〜地蔵岳11:00〜切合13:47〜草履塚14:30〜飯豊本山小屋(泊)15:50
10月17日(日) 飯豊本山小屋7:30〜切合9:20〜地蔵岳13:20〜大日杉14:50

この時期になると飯豊山に行かないと落ち着かない。天気が良さそうなので紅葉を見に飯豊本山まで行ってきた。今回は楽をして飯豊本山に最短距離といわれている大日杉ルートを行く。

大日杉に来る途中で道を間違えてしまい、到着が30分ほど遅れた。大日杉小屋前には車が10台ほど駐車していた。
登山届けを出して歩き出す。大日杉跡の脇を通る。勾配が段々ときつくなってくる。クサリが下がっているザンゲ坂を登り尾根道に出る。不思議なことにこの坂はいつも濡れてる。まもなく長之助清水に到着。水は豊富に流れていた。御田の大杉を右に見て、ダラダラ坂を嫌なほど歩く。そろそろ登りに飽きた頃、地蔵岳の手前の1,409に到着。山頂付近に初雪をいただく飯豊山がガスの間から浮かび上がった。スバラシイ。


大日杉小屋

初冠雪のの飯豊山

御坪の祠


地蔵岳からルートは左側に、飯豊山からドンドン離れて行く。このあたりの紅葉は最盛期だ。ダケカンバの葉っぱが所々枯れたように茶色に変色していたり、葉っぱがほとんど無かったりする。これはきっと何回も襲った台風の影響だろう。アップダウンが続く道を切合小屋に向かって歩く。ダケカンバの林が黄色に染まっている。ダケカンバの幹の白さと、葉っぱの黄色のコントラストが素晴しい。

切合小屋手前の水場に到着。ここの沢水は豊富に流れている。切合小屋には水が無いらしく、ここまで水を汲みに来た人と会った。
やっと切合小屋に到着したが、休まず通り過ぎる。草履塚への登りをモクモクト歩く。姥権現辺りから風が強くなり、ガスが降りてきた。御秘所の岩場を慎重に越える。ますますガスが濃く立ち込め5m先が見えなくなってきた。夕闇が迫って来るが、気がせっても体が言うことを効かない。強風の中、雪が積もった御前坂をカタツムリのような足取りで一歩一歩登る。
ようやくガスの向こうに小屋らしき物が浮かび上がった。近づいてみると本山小屋だった。これで冷凍人間にならずにすんだ。小屋には10名ほどの宿泊者がいた。二階に上がり居場所を確保する。しばらくしてヘッドライトを付けたお兄さんが上がってきた。聞いてみるとダイグラ尾根を登ってきたそうだ。まだ後から来る人がいるそうだ。外はすでに夕闇に包まれている。大丈夫だろうか。
心配していてもしょうがないので、持ってきた虎の子の缶ビール500mlを飲むことにする。ザックから出してみるとまだ凍っているではないか。股に挟んで暖めてみるがなかなかとけない。栓を開けると泡が吹き出して止まらない。慌てて口を付けて飲むが、ドンドン泡が吹き出してくるので缶から口を離せない。泡ばかりで何だかビールを飲んだ気がしなかった。
先ほどのオニイサンは豊栄から来たそうだ。明日は早めに起きてダイグラ尾根を降りるそうだ。一緒に蕎麦焼酎を飲みながら何だかんだと8時頃まで喋った。蕎麦焼酎を飲み上げたし、冷え込んできたので寝ることにした。ゴーゴーと風の音がする。外は強風が吹き荒れているようだ。いい雰囲気だ。明日の天気を期待して寝る。

飯豊の紅葉 大日岳 姥権現


ひと晩中強風が吹き荒れていた。窓が明るくなってきたので起きる。隣のおにいさんはすでに出発した後だった。外に出て見ると風は強いが快晴だ。大日岳が朝焼けに染まっている。遥か西の空に北アルプス、東には朝日連峰の峰々が雲海に浮かんでいる。
苦労して担ぎ上げた写真機で撮りまくる。。強風と寒さで指の感覚が無くなって来た。こんなことで撮影を諦めるわけにはいかないのだ!!

朝焼けに染まる大日岳 本山小屋と飯豊神社 本山小屋

ひと通り撮影したので安心して朝食にする。寒さでボロボロになったオニギリを無理やり飲み込む。
ほとんどの人が出発してしまった。装備をザックに詰め込み、居場所をホウキで掃いて小屋を後にする。空は益々蒼くなり、ルンルン気分で下山する。切合小屋を通り過ぎ、地蔵岳への分岐を左に曲がる。水場では今日は暑いので腹いっぱい水を飲む。ダケカンバの林の辺りでカメラを首に提げた1人のオニイサンに会った。話してみると米沢から来たそうだ。どういう訳か、このオニイサンと米沢ラーメンの話題で大いに盛り上がり、30分ほど立ち話をしてしまった。この人はラーメンの話をすると止まらない。何とか話を切り上げる。ゴメン。
御坪の祠でお参りをし地蔵岳に到着。地蔵岳がこんなに遠いとは思わなかった。休みもそこそこに地蔵岳を後にする。地蔵岳からは周りの景色が見えないので、淡々と歩く。御田の大杉、長之助清水、ザンゲ坂を無難にこなして大日杉小屋に到着した。

今回は快晴の空の下、最高の山歩きを楽しんだ。グラッチェ!!


仙人池ヒュッテ


【山域】剣岳
【場所】室堂、立山   登山ルート
【日時】2004年9月24日(金)〜27日(月)
【メンバー】単独
【天気】

9月24日(金) 自宅〜富山地方鉄道立山駅(泊)18:50
9月25日(土) 立山駅6:50〜室堂7:45〜劒御前10:50〜剣沢小屋11:30〜真砂沢ロッジ(泊)14:40
9月26日(日) 真砂沢ロッジ6:20〜二股7:20〜仙人池ヒュッテ9:20 ーーーー 池の平小屋11:40 ---- 仙人池ヒュッテ(泊)14:30
9月27日(月) 仙人池ヒュッテ5:40〜真砂沢ヒュッテ7:50〜剣沢小屋10:50〜剣御前11:50〜室堂13:50〜立山駅15:30

そろそろ紅葉の時期ということで、紅葉と仙人池ヒュッテのオバちゃんに会いに遥々新潟からここまでやってきた。今回の目的地、仙人池ヒュッテはテレビでも紹介され、気さくなオバちゃんと飯のうまいことで知られている。

9月24日(金)曇りのち雨
いつものように夜道を車で飛ばし、立山駅に午後7時頃到着。新潟から6時間かかった。駅脇の無料駐車場に駐車させていただく。この頃から雨が本降りになってきた。困ったことにトイレが駅にしか無いのでガマンする。明日を期待して寝る。

9月25日(土)雨のち曇り
朝まで強い雨が降り続いた。今日はダメかいなと思っていたら、6時過ぎに雨が止んだ。とりあえず室堂まで行ってみる。駅に行ってみるとすでに立山ケーブルカーの乗り場には沢山の観光客が並んでいた。慌てて切符を買い、最後尾に並ぶ。
ケーブルカーとバスを乗り継ぎ室堂に到着。着いてみると、ところ々青空ものぞいてマアマアの天気ではないかい。とりあえず剣沢まで行ってみる。
ミクリガ池、地獄谷を過ぎ雷鳥沢あたりに来ると付近は紅葉が真っ盛り。お天気もマズマズ。気分を良くして剣御前を乗り越える。剱岳の山頂はガスに覆われ、ご機嫌ナナメ。
剣沢雪渓に入るとガスで視界が悪くなってきた。対岸に長次郎谷の雪渓が見える。ここは今年の夏、金沢のご夫婦2名がクレパスに落ちて亡くなった所だ。気を引き締める。

草紅葉と大日岳 八つ峰と剣沢雪渓 ガスが立ち込める剣沢雪渓

剣沢雪渓は幅100m程の大きな雪渓だ。今はところどころ崩壊していてほとんど歩行はできない。足場の悪い右岸の夏道を行く。斜面を見上げるといつ落ちてきてもおかしくない大小の岩がこっちを睨んでいる。また増水すればいくつものヒド(涸沢)が息を吹き返し、たちまち登山道を寸断するであろう。
全くホールドが無い大きなスラブ(斜めの一枚岩)が行く手を塞いでいる。他に逃げ道は無い。落っこちれば真っ暗なクレパスが大きな口を開けて待っている。クレパスの奥からゴーゴーという水の音。オーマイゴッド!!
何とかスラブをクリアしてホット一息ついていると、後ろから来たご夫婦にアッサリ抜かれてしまった。あとで聞いたら上越から来たそうだ。しばらく行くと夏道から雪渓に出たが、ガスで視界が悪く目印を途中で見失った。前方に人影が見える。近づいてみると先ほどのご夫婦ではないか。雪渓を下りすぎたらしい。慌てて登りなおしてルートに戻る。こういうときは仲間がいると心強い。
真砂沢ロッジに行くにはこの沢を左岸に渡らなければならない。目印のある所から雪渓に入るがあちこちにクレバスがあり危なくてしょうがない。慎重にルートを選び対岸に渡る。
遥か前方に真砂沢ロッジが見える。とうとうここまで来てしまった。
真砂沢ロッジに着くとテラスで宴会が始まった。北海道と東京から来たというシニア二人連れ、上越のご夫婦そして東京から来たお父さんが宴会メンバー。
シニア二人連れのザックからドラエモンの四次元ポケットの様に、ビール、日本酒、ワインやら何やらドンドン出てくる。ビールは500ml缶10本持ってきたそうだ。この人達はボッカかいな。気前良く周りの人達にドンドン勧める。私もお相伴にあずかり北海道のビーフジャーキーをいただいた。この後、風呂に入ったりしたが、宴会は夕飯の後も続いた。

クライマーのお宿、真砂沢ロッジ 二股の橋 熊のウ○コ?


9月26日(日)曇り
6:20頃真砂沢ロッジを出発。一時間ほどで二股の橋に到着。大きな近藤岩が河原に居座っている。ここで上越のお父さんは岩魚釣りをするらしい。今晩は岩魚の塩焼きを期待しよう。
仙人新道のベンチを過ぎたあたり、道の真ん中に直径20センチ程の異様な物体がある。良く見ると動物のウンコだ。こんな立派な物の犯人はきっと熊だろう。そういえばところどころでドングリの皮が散乱していた。
仙人池ヒュッテには9:20頃アッサリ着いてしまった。紅葉に囲まれた仙人池ヒュッテはスバラシイ所だ。オバちゃんに会ったし、チェックインもした、することが無いので、東京のお父さんと池の平に行って見る。1時間ほどで池の平小屋に着いた。八ツ峰が目の前に迫る。たいした迫力だ。このあたりは紅葉はマダマダ。
仙人池に戻り、ここの名物桧風呂に入った。その後、池の端で劒岳を見ながら夕飯までささやかな宴会。昨日は真砂沢ロッジでうまいメシをいただいたが、こちらのメシも評判どおりだ。あとは暖かい布団でコロニャン。

仙人池ヒュッテ 仙人池ヒュッテのオバちゃん 池の平小屋


9月27日(月)曇りのち雨
今日は遅くとも室堂発17:00の最終バスに乗らないともう一泊となる。室堂まで10Km程、歩行時間にして約8時間を歩かなければならない。
5:40オバちゃんと写真を撮ってから、オバちゃんの「気をつけてなー」と言う声を背に歩き出す。
昨日、大きなウンコがあった辺りで大きな動物(たぶん熊)と遭遇。奴は慌てて逃げた。冷や汗が出たよ。
真砂沢ロッジまでは順調に来た。問題はこれからだ。剣沢雪渓に入ると雨があたってきた。雪渓の上を雨水が流れる。念のため簡易アイゼンを付ける。例のスラブが濡れて滑る。ロープを頼りにクリアする。剣沢小屋あたりで本格的な降りになってきた。腹も減ってきたので劒御前小屋で暖かいうどんを食べる。これは以前から狙っていた物だ。空腹と冷えた体に最高だ。オイチイ。
13:50思っていたよりも早く室堂に着いた。14:20の美女平行きバスに乗る。

今回も沢山の人との出会い、素晴しい紅葉、美味しい食事など充実した3日間だった。グラッチェ!!

仙人新道から八つ峰 剣沢の紅葉




岩菅山〜烏帽子岳〜秋山郷切明

【山域】岩菅山 2,295m
【場所】奥志賀   登山ルート
【日時】2004年9月16日(木)〜18日(土)
【メンバー】単独
【天気】曇りのち晴れ

9月16日(木) 自宅〜JR飯山線の森宮野原(モリミヤノハラ)駅
9月17日(金) 東館山12:30〜寺子屋峰13:10〜金山沢頭13:20〜ノッキリ14:50〜岩菅山(イワスゲヤマ)15:20
9月18日(土) 岩菅山6:00〜裏岩菅山6:40〜中岳7:05〜烏帽子岳8:20〜笠法師山9:50〜マムシ沢頭10:35〜切明(キリアキ)発電所12:40

平家の谷、秋山郷に入るルートは幾つかあるが、今回は志賀高原の発哺温泉から、岩菅山を始め2000mを超える峰々の稜線をたどって切明に至る、総行程16Km、10時間を超えるルートに挑戦した。

9月16日(木)
車をJR飯山線の森宮野原駅に駐車させていただく。(ここに泊めたのは後から考えると失敗だった)

9月17日(金)雨のち曇り
森宮野原発6:10のジーゼルカーで長野駅まで。長野駅で長野電鉄に乗り替え湯田中まで。湯田中でバスに乗り換えて蓮池まで。さらに蓮池で奥志賀行きバスに乗り換え発哺温泉まで。そこから東舘山ゴンドラリフトで東館山山頂に正午前に到着。ここまででだいぶ疲れた。ところが山頂に到着してみると、なんと周りはガスで全く見えないトワイライトゾーン。目指す岩菅山なぞは影も形も見えない。オーマイゴット。

することが無いのでゴンドラ駅のレストランで900円のカツ丼を食べながら様子を見る。レストランは私一人の貸切状態。慣れていないので何か落ち着かない。食券売りのお姉さんに今日の天気を聞いたら「こんなもんですね」とツレナイ返事。可愛い顔して大胆なことを言う人だ。。
しばらくするとガスが薄くなり、部分的に青空も見えてきた。これからの天候は先行き不透明だが、時間が無いので今日のネグラの岩菅山山頂小屋に向かって歩き出す。寺子屋峰、金山沢頭、ノッキリと無難にこなして15:20ガスで覆われた岩菅山に到着した。山頂小屋には誰もいない。ここも貸し切り状態だ。宿泊帖を見る限りは最近、切明に行った人も来た人もいない様だ。チョット不安。
とりあえず飲み水を探しに行く。落っこちそうな急斜面を沢に向かってだいぶ下ったが、わずかな水溜りがあるだけ。コリャだめだ。さっきのレストランでもらってきた水は2.5リットル。目的地の切明まで水場は無い。今晩は水を使う食事はやめて、行動食でガマンだ。

山頂がガスで見えない岩菅山 今日のネグラ岩菅山々小屋 近頃、元気が良い浅間山


9月18日(土)晴れのち曇り
窓の外が明るくなってきた。外に出てみると東の空が朝焼けで染まっている。気になっていた天気は良さそうだ。遥か南に富士山、噴煙を上げている浅間山、西には妙高、火打山、日本海に浮かぶ佐渡ヶ島、粟島、北には鳥甲山(トリカブトヤマ)、苗場山などが見える。

食料袋を開けると何か変な臭いがする。今日で3日目、キビシイかも。でも食べないことには今日一日行動できない。大丈夫そうな物を選んで腹に詰め込む。
今日は尾根道を10Km以上も歩かなければならない。このルートは登山道の刈り払いは期待できないし、他の登山者に会うことも無いだろう。何かあっても他人をあてにできない。気を引き締め歩き出す。

裏岩菅山(後方は中岳) 突然現れる中岳 中岳山頂に直登する

裏岩菅山、中岳、烏帽子岳までは刈り払いされていて気持ちよい尾根道だ。ここまでは周りの景色を眺めながらルンルン気分だ。烏帽子岳を過ぎた辺りからヤブが深くなってきた。露で下半身がビッショリ。靴の中は洪水状態で気持ち悪い。笠法師山の下りから背丈を超えるネガマリダケや一抱えもある倒木がが行く先をふさぐ。まるで川口ひろし探検隊状態だ。どこが道か良く分からず不安になるが、時々道標があるので助かる。マムシ沢頭を過ぎるとどんどん高度を下げる。ネガマリダケが斜めに生えているので、すべり何度も転倒する。このコースを切明から登るには非常にキビシイだろう。もう勘弁してよと思った頃、切明発電所の送水管脇に出た。あとは送水管沿いにつづら折りの坂道を150mほど下りると切明発電所に着いた。

烏帽子岳 烏帽子岳の急坂を降りる 木立の先に秋山郷が。感激!!

ここの河原には温泉が湧いている。バスが出るまで3時間ほどあるので、露天風呂を楽しむことにする。河原に下りて周りの迷惑も顧みず、素っ裸になり、適当な湯溜りに飛び込む。ウーン..マンダム。

切明発電所

津南行き16:08の最終バスに乗った。と言っても1日2本しかないのだけど。それにこのバスはマイカーを泊めた森宮野原駅の三つ手前の津南駅までしか行かないのだった。乗客は私一人、貸し切りバス状態だ。小赤沢からおばちゃん二人が乗り込んできた。この二人は連れらしくバスの中で何か喋っていたがどういう訳か飴をくれた。
JR津南駅から上り長野行きに乗り、森宮野原駅で降りてマイカーと再会し、充実した3日間が終わった。



奥穂高岳〜ジャンダルム〜西穂高岳

【山域】穂高連峰
【場所】新穂高温泉      登山ルート
【日時】2004年9月12日(日)〜13日(月)
【メンバー】田村氏同行
【天気】晴れのち曇り

ルート
6:20深山荘無料駐車場〜6:40登山カード提出場所〜8:00穂高平小屋〜8:20白出非難小屋(閉鎖中)〜10:00白出沢渡渉〜荷継小屋跡〜14:00穂高岳山荘
6:00穂高岳山荘〜6:30奥穂高岳〜8:20ジャンダルム〜天狗の頭〜11:20間ノ岳〜13:00西穂高岳〜14:40西穂高山荘〜16:00ロープウェイ〜16:30新穂高温泉

9月12日(日)
今回はチョットデンジャラスなので、まじめに登山者カードを提出する。上高地の賑わいにくらべこちらはいたって静か。蒲田川の右俣林道を入ると沢の音しか聞こえない。穂高平小屋へのショートカットを横目で見て通常ルートを行く。しばらく行くと牛がいた。穂高平小屋だった。牛を見てから次の目的地に歩き出す。すぐに右手に白出小屋の三角形の建物が見えた。2人連れの先客がいた。聞きもしないのに道を教えてくれた。

そこを出て1時間ほど歩いたころ、道端で休んでいる二人連れがいた。先ほど白出小屋で別れ、槍ケ岳に向かった二人連れではないか。なぜここにいるの!!聞いてみると道を間違えて白出沢を登ったらしい。今度は道を教えてやった。イヒヒ

白出沢の渡渉点に着いた。ここまでは普通の人であれば間違う所は無いが、ここからは注意が必要。白出沢にかかっている木橋を渡り、直ぐに正面の岩道を登る。右はスッパリ切れ落ちているので、足を踏みはずしたら命は無い。鎖を頼りに登ってゆく。この道は穂高岳山荘の先代、重太郎さんが開いたそうだ。

白出沢を横切り、林に入る。間違って沢をつめるとオーマイゴッドになる。上流にいけないように赤いロープが張ってある。結構な登りに耐えていると荷継小屋跡に着いた。
そこに新潟日報をザックにはさんだ一人のお父さんが休んでいた。挨拶して別れたがどこかで会った人だ。しばらく考えてヤット思い出した。新潟の某スポーツ店で会った人だ。こんなところで会うとは奇遇。世の中狭いものだ。しかし、何で新潟日報を持っているのだろう。(この疑問は後ほど本人に聞いて分かったが、思はぬ理由からだった。)

    
笠ヶ岳                         穂高岳山荘直下                   穂高岳山荘裏口

林を抜け大きな岩がゴロゴロしている広い沢に出る。後はこの沢を詰めるだけだと思ったが、広いのでどこを歩けば良いのかよく分からない。所どころ印があるが良く見えない。前方に穂高岳山荘のアンテナが見えているが中々たどり着けない。ここだけで2,3時間かかった。

やっと穂高岳山荘の裏口に着いた。小屋のテラスで関西弁でシャベリまくっているお母さんがいた。すっかりアルコールがまわっていて重症だ。止める人がいないというか、だれも怖くて止めれない。ここは飲み屋じゃないんだけど。

チェックインする。なんと今回は布団が一人一枚ラッキー。おかげでぐっすり眠れた。

    
後方が穂高のシンボル槍ケ岳          ジャンダルム方面                   ブロッケン現象だ

9月13日(月)
6:00しっかり朝食をいただき装備を整え出発する。落石防止のヘルメットできめたつもりが、どうしても工事現場のおじさんになってしまうのはどういうわけか。ガスのなか奥穂高岳に向かって小屋脇の岩壁を攀じ登る。30分ほどで奥穂高岳に到着した。すると見る間にガスが晴れ、360度の絶景が目の前に広がった。進行方向にはジャンダルム、反対方向には穂高の峰々の向こうに槍ヶ岳が雲海に浮かんでいる。来て良かったよーー。

景色ばかり見ているわけにも行かないので西穂高岳に向かって歩き出す。しかしジャンダルムをはじめ切り立った岩峰群を目の当たりにすると、本当に行くのかよと思ってしまう。
    
涸沢岳と北穂高岳                  ジャンダルム              ジャンダルムを降りる

まず馬の背と言われる両側が鋭く切れ落ちているところにさしかかる。最初からホールドが信州側にしかない難度Cにぶち当たった。オシッコをチビリそうになったが下を見ないようにして何とかクリアする。息をつく暇もなくロバの耳だ。ここも左右がスッパリ切り取られてスリリングなところだ。足を滑らせたら何百メートル落下するかわからない。オーマイゴッド!!
ようやくタコの頭を伸ばした様なジャンダルムだ。折角なので頂上まで登る。
岩峰をいくつか越えて天狗のコルに到着。ここには小屋跡があり、岳沢に下りるエスケープルートもあるが、見たところ傾斜のきついガレ場で慣れていないと途中で滑落してしまうだろう。
何とか間ノ岳に到着。だが岩登りはこれでもかと続く。それからいくつの岩峰を越えたか忘れたが、ようやく見覚えのある西穂高岳にたどり着いた。やっと助かったよー。
  
前穂高岳                        天狗ノ頭

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