惟光の名曲アルバム

いま、オキニイリのクラシック音楽のお話

RIMAKY-KORSAKOV,Nicolay Scheherazade,OP35-Symphonic suite after 1001 Nights
リムスキー=コルサコフ 交響組曲シェヘラザード
 夏になると聴きたくなるのがシェヘラザード。アラビアンナイトの音楽版。語るまでもない、有名な音楽。だもんで名演奏が多いんだ、これが。たとえば第一楽章「海とシンドバッドの舟」。ヴァイオリンのソロによるシェヘラザードの語りだしに続いて展開される海の場面。その雄大さはチェリビダッケの演奏が圧倒的迫力(初来日時のNHK−FM放送によるライブ演奏)。劇的という点ではストコフスキーの演奏がRCA版もロンドン版もいいんだけど、それらを超えてスゴイのがコンドラシン指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ(う〜ん、近衛秀麿調でコンセルトゲボウといいたい)の名盤。コンドラシンの迫力もさることながら、それにピッタリ応えるアンサンブルが見事。音がね、綺麗なの。音色じゃなくて、音符のヒトツヒトツが粒だって耳に飛び込んできて音楽を構築するの。これはムラビンスキーとレニングラードフィルがそうだね。ソビエトの指揮者の実力なのかなあ。
 で、そのスゴサが炸裂するのが第4楽章「バグダッドの祭、海、舟は青銅の騎士のある岩で難破、終曲」。宇野功芳だったかだれだったかがストコフスキーの演奏を「これでは難破ではない破滅だ」と評していたけど、ストコは盛り上がりにアバウトなところがあるんだよね。そこをコンドラシンはメリハリをきかせて緻密に音楽化して、テンションをどんどんたかめてゆくわけ。ラッパのキザミとか乱れてないし、聴いてて血圧が上がってゆくトリップ感があって、それがシェヘラザードの楽想でやさしくつつまれて終わるの。惟光イチオシのCDです。
 ちなみに、この演奏を初めて聴いたのは大学生のトキ。東海大学湘南校舎4号館の中央図書館で、そのころ現在のパソコンブースが音楽などの音響資料を聴くコーナーだったんだよね。そこで昼休みだったか、3限だったか(授業サボッたか?)に聴いて感動していたのです。まだ管弦(文化部連合会管弦楽研究会、現東海大学管弦楽団)に入部する前だったような気がするから1年生の5月ごろかなあ。
今、聴いているDISK Kirill Kondrashsn conducts Royal Consertgebouw Orchestra,Amsterdam Recording:1979
PHILIPS:PHCP-3606


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