惟光の名曲アルバム

いま、オキニイリのクラシック音楽のお話

KALINNIKOV, Vasily Symphony No.1 in G minor
カリンニコフ 交響曲第一番 ト短調
 こんな曲があったんだねえ。この冬(2004年)、東海大学管弦楽団の演奏会が、加宮令一郎先生の引退演奏会だというので、バイオリン席の隅で弾かせてもらうことになったんだけど、「え? カリニンコフのシンフィニー? なにそれ?」という感じだったので、早速、高田馬場駅前のMUTO楽器にCDを買いにいきました。なんでもナクソスに名盤があるのだそうだけれど、店にあったのは、このスベトラーノフ/N響版のみ。
 スベトラーノフとN響といえば、ライブでチャイコフスキーの「悲愴」を聴いて、感涙モノの演奏を体験したから期待したら、………泣けた。第一楽章の第2主題が歌うんだ、コレが。イマドキ聴くと、映画音楽のノリなんだけど、それだけに現代的。いや、19世紀末の音楽家だから後期ロマン派、民族楽派なんだけど、そのメロディラインが、綺麗でキレイで。背筋がゾクゾクしましたね。その美しさにナミダぼろぼろ。そしてまたN響がよく弾くんだ、気持ちよく。N響の演奏って、指揮者によってまったく違う姿を見せるんだけど、スベトラーノフの棒だと、アンサンブルが勢いで粒をそろえるんだよね。「悲愴」のときがそうだった。このカリンニコフでもそうで、2分の2拍子を埋める8分音符のパッセージがこれでもかこれでもかとおしよせて、管楽器の奏でるメロディーを生かすの。それがカラダの躍動を誘って、心を蒼穹の天に泳がしてくれるわけ。とくに第一楽章の第二主題が身体を溶かしてくれます。いい曲にめぐり合った、と素直に感動します、ハイ。

 ……え? ちょっとまって。コレ、弾くわけ???? 弾けね〜。

東海大学管弦楽団第70回定期演奏会
 曲目:カリンニコフ 交響曲第1番ト長調
     チャイコフスキー 組曲「くるみ割り人形」
     サン・サーンス 歌劇「サムソンとデリラ」より バッカナール
 日時:2004年12月19日(日)
 於 :海老名市文化会館大ホール
   http://kangen.kk.vu/
今、聴いているDISK エフゲーニ スベトラーノフ 指揮 NHK交響楽団
Recording:1999
 伝説のN響ライヴ シリーズ
   収録曲
 1:ボロディン ダッタン人の踊り
 2:カリンニコフ 交響曲第一番 ト短調
      指揮 エフゲーニ スベトラーノフ
           演奏 NHK交響楽団
キングレコード:KICC 3018


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