いま、オキニイリのクラシック音楽のお話
AKUTAGAWA, Yasushi | : | CONCERTO OSTINATO per V'CELLO ED ORCHESTRA | |||
芥川也寸志 | チェロとオーケストラのためのコンチェルト・オスティナート | ||||
4A生の新入生研修会に横浜に出かけて、近代文学館で芥川龍之介展をしていたのだけれど、惟光にとってアクタガワといえば、龍之介の子供の也寸志の方がすぐに頭に浮かびます。そうだねぇ…幼いころ、NHKに音楽の広場という番組があって、黒柳徹子といっしょに司会をしてたんだよね。優しそうな人だったし、なによりNHK大河ドラマの『赤穂浪士』のテーマを作曲した人というので―…惟光は『赤穂浪士』を見た世代ではありません。念のため…―好きになったんですよね。 で、芥川也寸志といえば、ゴジラでおなじみ伊福部昭のお弟子さんで(厳密にいうと橋本国彦に作曲を学び、伊福部昭門下にはいった、というところなのかな)、そのオーケストレーションなんか、よく似ているんだけど、師匠の音楽が北海道の原野だとすれば、芥川の作品は江戸の粋って感じなんですよね。ゴジラのテーマをモチーフとして作曲された「ゴジラの主題によせるバラード」なんか、芥川音楽のエッセンスという感じです。そう、都会の音楽なんですよ。 で、このチェロ協奏曲なんですが、師匠に「ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナート」という曲(やがてこのコーナーで紹介しますね)があって、それとよく似てます。何が、ってとにかくビートと音量で圧倒! ある主題が激しいリズムでさまざまな形で反復演奏されるんだけど(オスティナート)、とにかくチェロの旋律とオケの旋律&リズムがかけあいもつれあい激しいビートで絶叫する曲で、聴き終わったあとは200メートル全力疾走に似た心地よい疲労感があるんですよね。 このCDの演奏はおそらくライブで聴きました。安田さんの演奏がすごくて、チェロを弾きながらカラダが左右に60度くらい傾いてノリノリの演奏だったんですよね。聴くだけでも燃焼しますが、視覚的にも興奮しました。オーケストラの新交響楽団もプロより上手なアマチュア楽団で、とにかく壮絶。 ただ〜し、BGM的に室内に流す音楽ではありません。原稿の締め切りに追われて切羽詰って目が血走っているときにこの音楽をかけると、いけます。 |
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今、聴いているDISK | : | 山岡重信 指揮 新交響楽団 チェロ独奏 安田謙一郎 |
Recording:1981 | ||
『芥川也寸志 管弦楽選集(続)』 収録曲(上記のほか) 1:交響三章(1948年の作品) 2:アレグロ・オスティナート(1986年の作品) 3:武蔵坊弁慶(1986年の作品) 以上三曲、指揮 芥川也寸志 演奏 新交響楽団 |
FONTEC RECORDS:FOCD3243 |