ホームページには日記をつけるならひにてあめれば、 かの徒然なるままによしなしごとを書きつる法師にまなびて、 日ごろ心にうつることどもをなむ 筆にまかせて書きつけはべらむ。 |
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序 | つれづれもなきままにあらたまの年も来ぬれば春も立ちて、去年(こぞ)の秋よりたちこめし霧晴れぬまま霞となりぬ。いぶせきことどものものぐるほしきを書きつくれば晴るることもあらむや。 | ||
六段 | さるほどにトロ研をとぶらへば七夕とて乞功奠めきてねがひごとを書きたりけり。しきしわたされてなにぞかかめとこそ。さればえあはぬをとめをしのひて詠める こふらくはかはきりはれてこぎ出だす赤ら小舟にあらまほしき妹 |
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五段 | つねの、みことかしこみ、付属の高校がりゆく仕事、今年は六月にありき。此度は福岡ばかりならず熊本にもゆく。例の、黒きシャツに黒きズボン、黄色のネクタイにライトブルーのジャケット装束にて黄色の眼鏡をかけ、いまだ高校の2年生ばかりの子等に、「ハァーイ、とうきょうで、女子大生しなぁーい」とばかりに口上を述べきたり。 熊本と福岡との間に一日移動日あれば、熊本を発つ前に先祖に挨拶せむと菩提寺にまゐる。前夜の予報では雨なりといへど、朝には雨上がりて薄日などさしたり。辛島町の宿より下通りから上通りをぬけて信号を渡れば寺なり。四代ばかり前より使ふる墓にまずは参りて、閼伽・花などそなへ供香す。午の年に亡き父をはふりて以来なれば、思ふことどもあり。 その後は、墓参のをりにはつねに参る大先祖の墓にまわりて、また閼伽・花をそなへ供香すれど、足場もわるく苦労したり。以下、大先祖の奥方よりはじめ、十代にわたる代々の墓塔に献花供香してまわれば二時間半ばかり、湿気も高く汗だくとなりぬ。めぐりおはりて寺をいづれば、まちかねたるがごときいきほひにて雨ふりたり。孝養すれば天気も慈悲あらむぞかし。いとど去り難き想ひつのりてかへりみしつつ新市街に戻りぬ。 |
大先祖の墓塔 |
6/28 |
四段 | せはしき日々なり。これまでものまなびたることどもをまとめむとすれど、つねのことどもまたたのまるることどもあまたありて、ひとつところにをちつくこともなく、このやすみとてもわかきものども屋敷にあつめてものしたり。さればまたよそなることどもなどをかしく映画にゆきまた漫画を描きなどしてさらにせはしくなりき。映画のことはよそに書付けれどCASSHERNにてひとときあはれにすごしたり。またかつて夜更くるまでものかきなどせしがこのごろははやうに寝、卯の刻までには起くるよう心がければ朝にCDなどかけてCOFFEEをすする、いとおもしろし。ちかごろはワーグナーなど好めど、さいつころ横浜に行きて芥川龍之介展を見てより芥川也寸志の管絃こそをかしけれ。これもまたよそにかきつくればおほくはかたらず。横浜にては夜に宴たまはれど、つねのことどもしはててよりいとまあればけそうずるひとびととふるきくらどもののこりたるちかごろののしりたるところにてめづらしきものどもをともにみたりすればいとうれしうして心満ちたり。されどこの日にしつべきことはえせでしつべきことどもさらにつもりをればこころうし。 | 5/4 | |
三段 | このところこもりをれば、久しうして入学式なれば公邸にものす。亡き先達の「明日なし得ることは今日なせそ。明日はなさずともよからむ」てふ言あれば、いそぐ仕事もなければ、日も高きに東門よりかちにて出づ。駅の方はかへらむとする新入生また親どものひしめきあへればバイク駐車場より店ならぶ坂を下る。竹林などありて彼方には谷をへだてて桜の咲きたるを混ぜて芽吹きをる木々の繁りたる、夕陽をうけてあはれなる眺めなり。 坂を下れば大根川にて土手を歩きて橋を渡る。土手にも河原にも水仙など花々さきひろごりのながめに心もなぐさみぬ。落幡神社を過ぎて「大榎」あり。榎とはいひながら欅なり。やがて延命地蔵にめぐりあひて知りたる道に出でぬ。かつての金満家の建立せし地蔵はことにたがはず大きくありがたかりけり。正月には里人念仏を唱ふてふ、次は聞きに行かむ。 地蔵の脇道を下りて踏切を渡れば線路に沿ふて駅前に着きぬ。このごろ湯を好めば鶴巻温泉の弘法の湯にゆきてみるに月曜は休みとなむ。やむなく戻りぬ。明日もまた公のことどもあればひたりて休まむとこそ思へ残念也。けふせざることども明日にはせですめばよからむ… |
4/5 | |
二段 | この春も指輪物語を観に行きつ。これは回を重ねるたびに面白うなりゆけり。されどこたびのは戦ひおはりて残り1時間…はつらし。セオデン王かっこいー♪ されど最も心に残りし場面はフロドら四人のホビット荘にもどりて居酒屋にてBEERを前に沈黙するところ、その虚脱感の趣こそあはれに伝はれ。かくてこの長大なる映画とともに旅してきたおのれをぞ知る。 | ||
初段 | つれづれなき日ごろにわづらひてあまたたびおこれば、ある人、旅になん出でたまへといふに、さるべきことどもしはてて出にければ、日影やさしき春の町になつかしきさすらひ人とめぐりあひぬ。 心病みに 旅にしありて めぐりあふ 日影やさしき 街の音かなし すべてを放り出すのもよきものぞかし。迷惑をかけし方々、あまたはべると思ゆ。許したまへ。 旅先にてカウンセリングうけて、表に出れば、日もいと高きに、九十九折の坂道を下る河原にテントあり。垣間見するに、いとかはいげなる女童あれば、率て帰りぬ。新しきアシスタントとて日影の君と呼びて日溜の君とともにつかはむ。 |