「出づる生」

切り絵・2003年
750o×1050o
黒画用紙・水彩着色

「仏画」という深遠なるテーマが、底の浅い私を苦しめていました。安らぎを求めるはずの仏はいつしか生きる事への苦しみへと変わり…。
結果的に、既存の仏を切ることができず、自分の中のイメージだけが表に出てきてしまいました。
時間をかけて構想を練っても無意味になったのか?様々な文献も無駄だったのか?これで良かったのか未だにわかりません。
「これは何の仏さまなのですか?」

「仏画」を望まれていたにもかかわらず、結局は仏を作りだした人間そのものの生を表現してしまった様です。
自分の世界だけで切ってきた事で、大きな壁にぶつかりました。