<冬休み最初の日・東京―京都>

「あ、タツボン? クリスマス、ちょっとだけそっち行けることになったで。プレゼント何がええ?」
「別にいいよ、お前が来れるだけで十分だし」
「……………」
「何だよ」
「…いや、俺って愛されてんなー思うて」
「だから何でいきなりそういう話になってるんだよ」
「無意識やったんか…タツボンの男殺しー」
「は? 本気で訳わかんねぇよ、さっきから! まぁいいや、こっちに着いたら電話しろよ」
「おっけー。ほな、またな」



<クリスマス当日・水野家玄関>

「ただいま」
「おかえりなさい、たっちゃん。お使いありがとう。宅急便が届いてるわよ」
「え、どこ?」
「大きかったから部屋に上げておいてもらったわ。早く見ていらっしゃい」
「うん」


<クリスマス当日・竜也の部屋>

「げ、何だこのデカい箱。開けたら爆発しないだろうな…」
「ひっどいなータツボン。呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!ってやろうと思っとったのに、爆発物扱いはないやろ」
「うわっ!! そろそろ死語だろ、それ! っつーか、電話しろって言っただろ!」
「ツッコミ所がちゃうわ…。電話ならしたで?真理子ちゃんに」
「え…」
「でな、バターか何かが切れたことにしてタツボンにお使い頼んでもろてな、その間に…」
「母さんもグルだったのかよ!?」
「ま、ええやん。プレゼント、受け取って?」
「いいって言っただろ」
「うん、だから、俺。」
「は?」
「俺がプレゼントや」
「………そんなお約束なネタのためにここまで引っ張ったのかー!」




2003.12.24