『舞-HiME』ラジオドラマ台詞集 第六話〜第十話

なるべく正確に聴き取るよう心がけていますが、間違っている所もあるかもしれません。
咳とか物音などは省略してあることも。

第六話 「生徒会燃ゆ(萌ゆ?)」 (11話直後) 1/2放送分

遥:これで全部?
雪之:えっとー、うん、リストにある押収品は、全部だよ。
遥:まったくー、何なのこのガラクタの山は!やっぱりアニメなんか見てるような奴は人間のクズね! アニメ研究同好会なんてどうして設立が許されたのかしら。
雪:でも、趣味は自由だから…。
遥:いーえ!大体、学園の機材で映像ソフトをコピーして販売するような、れっきとした犯罪を犯すような連中よ? 見なさいこれ! いい歳をした男子高校生が集まって、お人形遊び?
雪:フィギュア、って言うんだよ、それ。
遥:フィギュア? 分かったわ…氷の上を滑るのね?
雪:滑ってるのは、遥ちゃん…。
(シャキーン)
雪之:なんて…。
遥:雪之、いつにも増してツッコミがきついわ。
雪之:疲れてるのかな…。
紫子:あのー、珠洲城さん?
雪之:あ、シスター。
紫子:先ほど、あなた方が教会にお連れ下さった皆さんですけれど…。
遥:アニ研の連中が、何かしましたか?
紫子:彼らに、48時間のお説教と、240時間の奉仕活動の処罰をということでしたけれど、少し、重すぎるのではないかと…。
遥:(ドン!)そんな事はありません! ご覧下さい、彼らが部室と称して占拠していた非常階段下のスペースにため込んだこのガラクタの山を!
紫子:あら、かわいらしいお人形じゃありませんか。
遥:フィギアです。
雪之:フィギュア。
遥:だからといって、氷の上を滑ったりはしません。
紫子:当たり前ですわ。
遥:ええ!
紫子:はぁ…黒板を消してるんですねぇ。小学生の女の子かしら。はっ!ど、どうしましょう!壊れてしまいましたわ!! あ、あら? いや〜!ふ、服が〜!!
雪之:最初から、脱げるように作ってあったみたいですね。
紫子:こんないたいけな少女のお人形を…し、信じられませんわ! ああ、神よ…人はどうしてこれほど罪深い存在になれるのでしょう!
遥:歪んでる…歪み切ってる……。
紫子:ああ…こちらの本も…いやぁっ…そんなぁ〜、なんて破廉恥な〜!
遥:こ、こんなものが売られているというの!?
雪之:年二回、有明とかで。
遥:何てこと! こっちの箱は…。
紫子:何でしょう…原色あふれる色の服が…。
雪之:あ、コスプレまでやってたんだー。守備範囲広いなー、うちのアニ研。
紫子:こすぷれ? どんな悪魔的所業なのです?
雪之:あ、あのー、コスチュームプレイの略で、
紫子:ぷ、プレイ!?
遥:い〜や〜!
雪之:好きなアニメとか、漫画のキャラクターの格好をするっていうの、なん…だけど……。
遥:(ドン!)許すまじ…断じて許すまじ!! いたいけな幼女を欲望の対象とし、発禁確実の本を闇ルートで取り引き、あげくに架空の存在に自己投影し現実から逃避する…これほどの歪み、ほっておくわけにはいきません!!
紫子:そ、そうですわ! 彼らを人として、正しい道に引き戻さなけれは!
遥:シスター! 共に手を取り、秩序ある、清廉な世界を取り戻しましょう!!
紫子:ええ!
雪之:はぁ…。
遥:で、シスター。具体的には、何をすればいいと思われます?
紫子:そ、そうですわね…。これほどとなるとそう簡単には…私も、あまりに未知の世界ですし…。
遥:うーん、この私には、クズの気持ちなど計り知れないし…。
紫子:はっ、そうですわ。主は、申されました。「敵を知り、己を知れば、すなわち百戦危うからず」!
雪之:それって、孫子じゃ…。
遥:なるほど!つまり。
紫子:ええ! これらの品々の、一体何が彼らを魅了し、堕落させたのか。それを知る事こそ、問題解決の第一歩なのです。
雪之:え…。
遥:名案だわ! そう思わない雪之!
雪之:そ、そう、かなぁ。
遥:そうよ! 泥にまみれてこそ、初めて見えるものがある。一代で我が珠洲城建設を県下有数のゼネコンにした、お父様の教えにも、通じるものがあるわ!
紫子:うふっ。では。
遥:ええ。まずは雪之、あなたからね。
雪之:へっ。わ、私から、なの…。
紫子:これなんか、いかがでしょう。
雪之:ま、魔女っ娘…。
紫子:れっつ、ぷれいですわ! 神はあなたを、お赦しになります。
遥:覚悟を決めなさい、雪之。きっと似合うわ!
雪之:う…。
遥:さあ、さあ雪之、さあ!!
雪之:あ〜れ〜!
(場面転換)
楯:しっかし楽じゃないっすね〜生徒会ってのも。吸血鬼だとか変質者だとか、噂だけで動かなくちゃならないなんて。
静留:仕方ありまへんわ。それがうちらの仕事やさかい。
楯:執行部は何やってんすかね〜。珠洲城部長なんか、喜んであちこち飛び回りそうな事態だっての(扉の音)…にぃ?
鞠絵(遥):兄上様。ようやく退院できそうです。早く、兄上様に、お会いしたい。
みずほ先生(紫子):だめよ、無理をしたら、また停滞してしまうわ。笑顔が、私たち二人の最優先事項よ。
静留:うっふふふ、あらまぁ、楽しそうやわぁ。
楯:一体、何が。
アンゴル・モア(雪之):これって、ミイラ取りがミイラ? っていうか本末転倒?
<FiN>




第七話 「幻の伝言」 (12話と13話の間) 1/9放送分

楯と学校にノートを取りに来て、話している詩帆。
夜中に再び詩帆が楯と学校に来て、詩帆がトイレに行っている間に楯がいなくなり、あかねに会う。
詩帆とあかねは、カズくんや楯の教室に行って話した。
あかねに「赤い星が見える子に、伝えて欲しい…」と言いかけたところで、詩帆は楯に呼ばれ、気がつくとトイレの中で寝ていた(ことになっていた)。




第八話 「シスター紫子の懺悔室」 (13話の始めの授業から秋祭りの前日までの間の話) 1/16放送分

紫子:はぁ…、本当に私、大丈夫なのかしら。グリーア神父様が離任され、これからは私一人で、迷える生徒たちを導いていかねばならないというのに…。いいえ、いいえいいえいいえ。できるかどうか、ではありませんわ。やらなければならないのです。熱くたぎる青春の情動に突き動かされる、若い心と身体。ときに、ふいぎゅあ、やこすぷれ、といった歪んだ闇に陥りかねない、あやうい魂。
碧:シスター。
紫子:それを、神の御心にかなうよう、正しく導くのが、私に課せられた使命なのですから。
碧:シスター!
紫子:ああ…恍惚と不安の二つ、我にあり!
碧:シスター、シスター紫子!
紫子:あら、杉浦先生。
碧:気持ち良さげにイっちゃってるとこ悪いんだけど、そろそろスクールカウンセリング、はじめてくんないかな〜?
紫子:懺悔室です。
碧:うちのクラスからくじびき…じゃなくて、うーん、悩みのありそうな子を適当に引っ張ってきたから、よろしくね。
紫子:(咳払い)さあ、迷える子羊よ。その心の内を告白なさい。見ての通り、この懺悔室は壁に仕切られ、私には、あなたが誰か分かりません。ですから、心置きなく、
千絵:(ピピッ。録音機?)えーと、シスター?
紫子:はい?
千絵:石上先生と付き合ってるっていう噂、本当ですか?
紫子:は?
千絵:最近よく一緒にいるところが目撃されてますよね。
紫子:い、石上先生は単なるお友達です! あ、あのぅ、それは確かに、とても頼りになる殿方ではいらっしゃいますけど…。
千絵:ふん、シスターはむきになって友達だと主張したが、言葉の端々からにじみ出る愛情を押し隠すことは出来なかった、と。メモメモ。
紫子:え?あのう…。
千絵:(ピピッ)取材協力、感謝です〜。どもども。
紫子:ちょっと、お待ちに〜! はぁ〜、どうしましょう。あのシスターはあんな顔して実は、なんて噂が流れたら〜! おお、神よ、私はどうしたら…。
(トントン)(ノック音)
紫子:は、はい、どうぞ。
雪之:あのー、私、すごく親しい先輩がいて、その人のことは大好きなんですけど、時々待ちボケの入っちゃう人で…。
紫子:はぁ…。
雪之:そんな時、つい考えちゃうんです。本気でツッコんだら気分いいだろうなって。
紫子:は?
雪之:例えば、「それは、ナントカやろ!」とか言って、ハリセンで、後頭部をスパーッ!て。
紫子:ぼ、暴力は、おやめになった方が。
雪之:ですよね、やっぱり。後が怖いし。でも、気持ちいいと思うんです。スパーッ!って。
紫子:お気持ちは…あまりわかりませんけど。でも、力では、何も解決しませんから。
雪之:分かりました。でも、少し残念です。スパー…。
(雪之、出て行く。)
紫子:すぱー…。人には、様々な心の闇があるのですね。神よ、私はまだまだ未熟者です。
(トン、トン、トン)
紫子:どうぞ、お入りなさい。
舞衣:あ、えーと…、あたしー、ある先輩から、その、デートみたいのに誘われて。ですけどあたし、あの、もっと大事なことがあって、それって、弟なんですけど。
紫子:ええっ!そ、そんな、いけませんわ!弟さんとなんて、それは神の摂理に反する大きな過ちです!
舞衣:へ? あ、違います! お、弟は病気で、それが治るまで、他の事なんか考えられないってことです〜!
紫子:あ、あら、ごめんなさい。私ったら、てっきり…。
舞衣:もー、何考えてるんですか〜。はぁ…でも、あの子ってば最近、あたしから離れ気味。っていうか、自立してく感じで。嬉しいんですけど、寂しいっていうか…。
紫子:その、先輩というのはどんな方ですの?
舞衣:えっとー、かっこよくて、おっとな〜って感じで、すごくいい人なんですけど…好きかって聞かれると、よく分かんなくて。
紫子:もしかして、他に気になる方がいらっしゃるとか。
舞衣:はっ、はいぃぃ〜!? あっ、あたしは別に、あんな奴の事なんか何とも思ってません! あんなスケベで優柔不断で鈍感で、イヤミで皮肉屋気取りのモミアゲ男のことなんか! そりゃ、なんか時々優しいっぽいところもないわけじゃないですけど。でも、あんな奴、ほんとぺっぺー、です。
紫子:十分、気になさってるような…。
舞衣:(ドン!)違います!
紫子:ご、ごめんなさい。
舞衣:あ、いえ、あたしの方こそ、すみません。
紫子:私、思うんですけれど、人の心は、たとえそれが自分のものでも、すべて分かるわけではありませんよね。
そうでしょうか。
紫子:ええ。ですから、人は祈るのです。神に祈るということは、その祈りを通じて、自分の心を見ることなのですから。
舞衣:シスター…。
紫子:私も、まだ、迷う事があります。思わぬ出来事や、思わぬ人に心動かされる事も。ですが、いつか、必ず答えは見つかるはずです。その時を信じて、祈りましょう。晴れぬ迷いも、終わらぬ闇も、神がいらっしゃる限り、この世には存在しないのですから。
舞衣:何かちょっと、気持ちが楽になったような気がします。
紫子:ふふっ。その先輩の方と、遊びに行ってみるのも、いいかもしれませんね、気分転換に。
舞衣:それは、もうちょっと考えてみます。でも、ありがとうございました!
紫子:そうですわ。迷いも闇も、晴れぬことはないのです、いつか、きっと。
<FiN>




第九話 「オニのカクラン」 (10話の前) 1/30放送分
(ピピピッ、ピピピッ)
なつき:38度7分か…(ゴホゴホ、ゴホゴホ)あ゛ー、不覚だー…こんな時期に風邪を引くなど…。
(ピンポーン)
なつき:やっと来てくれたか、助かった。
(カチャ)
なつき:(ごほっごほ)すまない静留、何しろ食べ物も薬も用意してなくて…って!
舞衣:何よもう〜、そんな薄着で出てきて〜!
命:それでは、治る風邪も治らんぞ。
なつき:何でお前らが。
舞衣:いいからいいから、病人はとっととベッドに戻る!
命:んっ!
なつき:だが、私が連絡したのは、静…だっ(ごほ)。
舞衣:私たちはその、会長さんに頼まれたの。どうしても抜けられない会議があるから、それまでなつきのこと頼むって。理解した?
なつき:???(とりあえず納得したらしき声。)
舞衣:ということで、おっじゃまっしま〜す!
だっ、待て、今、部屋を片すから。
舞衣:うっわぁ〜、なにこの散らかりよう。あんたちゃんと掃除とかしてんの?高そうなマンションなのに。
なつき:うるさい、体調が悪いんだ、仕方ないだろ。
命:おお、見ろ、舞衣!ブラだ! 黒くて透けてるぞ!
舞衣:脱ぎっぱなし〜? もう、コレクターのくせに。
なつき:触る、なっ、ごほ、ごほっうう、げほっ!
舞衣:あ〜あ〜、もう。はいはい。掃除もやっといてあげるから、病人は大人しく寝る。
なつき:だが…。
舞衣:いいから任せなさいって。掃除が済んだら、お粥でも作ってあげるから。命、なつきをベッドに連行!
命:うむ。行くぞ、なつき。
なつき:分かったから引っ張るな、引っ張るなと言うに、こ、こら!一応私は病人なっゴホッ(F.O.)
舞衣:さてと。ではいっちょやりますか。
(食器を置く音)
なつき:ごちそうさま。
舞衣:おいしかった?
なつき:あ、うん。うまかった。
命:うん、ほんとにうまいぞ。おかわり!
舞衣:あんたはオマケなんだから、今日はそれで我慢。
命:ううぅ〜。
舞衣:でも良かった〜。なつきん家のお粥、どんなのかわかんなかったんで、勝手に、鰹だしのあんかけにしちゃったから。
なつき:私の、うち。
舞衣:大抵さ、家ごとに決まってるじゃない。風邪の時のお粥はこんなのとかさ。ちなみにそれは鴇羽家バージョン。
なつき:家の味…。そうか、そういうもんなんだな。
舞衣:ん?
なつき:いや、私の母は仕事が忙しくて、余り、そういう記憶がないから。
舞衣:なつき。
なつき:だから、その、ありがとう。
舞衣:どういたしまして。あ、でもあたしだって、HiMEのこととか色々教えてもらったり、助けてもらったりしてるもん。お互い様よ。
なつき:舞衣。
舞衣:さ、じゃ、着替えよっか。汗かいてるみたいだし。大サービスで、身体も拭いたげる。
なつき:えっ!
舞衣:言っちゃなんだけそ、あたしは看病のプロよ。そんな湿気ったパジャマ着てると、治るもんも治らなくなるもん。いいから、脱ぐ!
なつき:あぁ、待てこら、よせ、引っ張るな、私一人で、げほっげほっ、うぇ、げほっ。
舞衣:ほら見なさい。いいから任せて。はい、ばんざーい。無駄な抵抗しないの。ノーパン姿まで見られといて、今更遠慮もないでしょ!
なつき:それとこれとは、こら待っ、ああ!
舞衣:へぇ〜、やっぱプロポーションいいねぇ。あ、なつきの痣ってこんなとこにあったんだ。
なつき:み、見るな!
舞衣:つん。
なつき:つつくな!
舞衣:見なきゃ拭けないでしょ。ヤならとっとと終わらせる!
なつき:ぅん…。
命:なつき、なぜ泣く。そんなに気持ちいいか?
なつき:(ドン!)違う!
舞衣:大丈夫よ、あたし会長さんみたいなテクニシャンじゃないし。
なつき:当たり前だ! ぁん、こら、どこを…。
舞衣:ごめんごめん、ちょっと手が滑りました。
なつき:ったく…。
舞衣:はいっ、お仕舞い。
命:なつき、さっきより顔が赤いぞ。
舞衣:あれ、熱上がっちゃった?
なつき:うるさい、いいから一人でゆっくり寝かせてくれ。頼むから。
舞衣:はいはい。じゃあ、
(ピンポーン)
舞衣:あれ、誰だろう。
(カチャ)
静留:堪忍なぁ、鴇羽さん。なつきの具合は。
黎人:やあ舞衣さん。僕もお見舞いに来させてもらったよ。
碧:ふ〜ん、なつきちゃん夏風邪だって?
楯:てか、何で俺まで?
命:おお、人がいっぱいだ。
舞衣:人気者だね〜、なつきってば。
なつき:勘弁してくれ…。
<to be continued...>




第十話 「なつき、絶体絶命!」 (10話・調理実習の前日) 2/6放送分

静留:ごめんなぁ、なつき。ほんまやったら、すぐにでも駆けつけたかったんやけど。でも、思ったより元気そうで安心しましたわ。
黎人:すまないね。今日の会議は、静留さんにいてもらわなくちゃならなくて。僕が、無理に引き止めたんだ。
なつき:そうか…。
黎人:でも、舞衣さんたちがいてくれるんなら、僕が来る必要はなかったね。静留さんと2人っきりにするの、危ないかと思ったんで。
静留:あらぁ黎人さん。どういう意味どす?
黎人:あ、は、あっはっはっはっはっは…。
舞衣:で? あんたは何でいるわけ?
楯:買い物だよ買い物。風邪薬とか食料とか飲み物とかいろいろ。
舞衣:なるほど。さすがは生徒会の使いっぱ。
楯:黙れ!
碧:あたしはちょっと、なつきちゃんの具合を確認しときたくて。明日調理実習の補修があるでしょう〜、休まれると色々困っちゃうんだよね〜。
舞衣:何で碧ちゃんが困るの?
碧:それは、明日のお楽しみ。
楯:調理と言やあ、これどうする? 材料ダブっちまったぜ。
(ぐぅぅ〜)
命:舞衣、腹減った。
舞衣:あんた、さっきお粥食べたばっかじゃない。
命:お粥は消化が異常によいのだ。
舞衣:んもう〜。そうだ、みんな、晩御飯とか、まだですよね。あたし、なんか作りましょうか?
黎人:嬉しいなぁ、舞衣さんの手料理か。
楯:でもお前も調理実習補修じゃなかったっけ?
舞衣:あたしは巧海の看病で欠席しただけよ。
楯:でもなー。
舞衣:何よその目は。いいわ、あたしの腕前、見せてあげようじゃない。
楯:お〜!んじゃあ、見せてもらおうか。
黎人:楽しみだね。
命:うんうん。
なつき:なぁお前ら…盛り上がるのもいいが、何か忘れてないか。
静留:大丈夫。なつきの世話は、うちがちゃーんとしますさかい。泊り込みの用意も完璧。トイレに起きて歩かんでもええように、(チリーン)これもちゃんと用意してますえ。
なつき:って、それはしびっごほっ!
黎人:静留さん、さすが。
舞衣:あっ、ええと…じゃ、お任せします! あ、会長さんの分もご飯作りますんで、よかったら、食べてください。
静留:おおきに。
なつき:うっ、待て舞衣、こら!
(食器の音)
碧:う〜ぁ、満腹〜。
黎人:いや〜、お世辞じゃなく、本当に美味しかったよ、舞衣さんの料理。
舞衣:ありがとうございます。
命:しあわせだ…。
舞衣:で?あんたはなんか言うことないの?楯。
楯:む。(「うま」?)
舞衣:なーに?聞こえないなぁ〜。
楯:うまかったよ!大変おいしゅうございました!
舞衣:へっへへ。よろしい。
(ドアの音)
静留:あら皆さん、もうご馳走になったん?
黎人:静留さんの分もあるよ。いや〜、本当に美味しかった。
静留:そうどすか。でもうち、まだ喉を通りそうにありませんわ。
舞衣:どうしたんです?
静留:それがなぁ、なつきの熱、また少し上がったみたいで。
碧:ありゃ〜。
(場面転換)
碧:なつきちゃん、どう?具合。
なつき:あ゛〜…だいじょ…ごほっごほっごほっごほっ。
(ピピピッピピピッ)
舞衣:熱、上がってますね。解熱剤は?
静留:さっき飲ませたんやけど…。
舞衣:あぁ…じゃあ後は、こまめに冷やすぐらいしかないですね。
碧:うーん、まずいわねぇ。これじゃ明日の補修は無理っぽいな〜。
命:なあ、舞衣。なつき、死ぬのか?
なつき:誰が死ぬ…っごほっごほっ。
静留:なつき、しっかりしい!
碧:よし、かくなる上は最後の手段よ! 舞衣ちゃん、さっきの料理の材料、長ネギ、残ってるわよね。
舞衣:う、うん。でも、どうするの?
なつき:うぅん、ネギだと?
碧:科学の力が潰えた時、人は何に頼るか。それはすなわち、神秘の力と紙一重。病も気からの民間療法よ!
なつき:まさか…。
碧:そう! 長ネギを某所に挿入すると、熱はたちどころに下がるという!
楯:某所?
黎人:あれ、知らないのかい?ほら、(ごにょごにょ)
楯:へっ、尻の穴ー!?
なつき:―!! 静留、やや、やめさせろっ!
静留:せやなぁ、その手がありましたがな。なつきのためやもん、うちがこの手で。
碧:みこちん、ネギを持て!
命:うむ!
碧:男性陣は退場!
黎人:じゃあなつきさん、お大事に。
楯:成仏しろよ、玖我。
なつき:なっ、舞衣、頼む助けろ!
舞衣:えーと…でもさ、それで熱が下がれば、それに越した事ないんじゃない?健康って、大事だよ?
なつき:そんな…。
命:碧、一番太いの持ってきたぞ!
なつき:持って来るな!!
碧:それでは、覚悟はいいかね、玖我なつき君。
なつき:やめろ…
碧:ふふふ…
なつき:やめてくれ…あっ、あぁぁぁ!
静留:ぷすっ。
<FiN>

●Comment
静留様…バージンより先にバックバージン奪ってどうするんですか!