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1.顕微授精とは
顕微授精は1980年後半からヒトの不妊症治療法として臨床応用され、顕微鏡下に、細いガラス管を使用して精子を卵に注入し受精させるものです。卵の透明帯にガラス管で穴をあけ精子の進入を助ける透明帯開孔術(PZD)、囲卵腔に精子を注入する囲卵腔内精子注入法(SUZI) 、細胞質に直接精子を注入する細胞質内精子注入法(ICSI)の三種類がありますが、ICSI法の成功率が高いので現在の顕微授精はICSIが主流になっています。ICSI法は卵に直接精子を入れるため重症男性不妊症にとって非常に有効な治療法と言えます。
2.顕微授精の対象者
顕微授精を行うのは、体外受精で受精できなかった場合、体外受精では受精率が非常に低い場合、あるいは精液所見から見て最初から体外受精では不可能と考えられる場合です。
3.顕微授精の受精率
顕微授精を行うのは通常の体外受精では受精率が0%、もしくは0%に近いケースのみですが、顕微授精により生存卵の半数以上(50%〜60%)が受精します。しかし逆に顕微授精をしても40%〜50%の卵は受精しない訳で、顕微授精を行っても受精卵が1個も得られず胚移植を行えない場合もあります。
4.先天性奇形
現在までにICSI法により1万人以上の赤ちゃんが生まれていると推測されます。 1996年5月に発表されたコーネル大学のデータでは、同大学のICSIによる出生児177名のうち大きな先天性奇形は1例(0.6%)、小さな先天性奇形は2例(1.2%)で、これは通常妊娠における大きな先天性奇形率3.6%、小さな先天性奇形率2.8%に比べて低い値になっています。他の施設からも、顕微授精により先天性奇形の発生率は上がらないと報告されています。
6.具体的方法 顕微授精の採卵、胚移植は体外受精と同様です。したがって、顕微授精を実施するにあたり患者さんへの新たな処置、手術等はありません。
7.精巣精子採取法(TESE)について 射精された精液に精子の存在しない無精子症においても、精巣に精子が存在していれば、精巣を生検することにより精子を採取し、顕微授精によって妊娠する事ができます。
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最近(1995年)ICSIによって妊娠が成立した婦人において、妊娠初期に染色体検査をしたところ、性染色体異常に頻度が高いという報告がありました。 ランセットに発表されたこの報告では、ICSIによる性染色体異常率は理論上5%程度になると推測しています。 一般の妊娠におこなわれた羊水による染色体検査では、0.19%と報告されています。しかし、プリュッセル の大学からの報告では、ICSIによる性染色体異常は0.85%と報告され、アメリカコーネル 大学では、性染色体異常は0.17%、大奇形は1.6%の頻度で、体外受精児(3.5%)やニューヨーク州の正常婦人から出生した児(3.7%)の場合より低いと報告されました。また、ICSIでは、精子造精能力に関する遺伝子が受け継がれ、男児が生まれた場合には精子減少症になる可能性があります。 IVFでは、小学生まで達した児の学力、発育に差はないとされています。ICSIの場合も、これまでの報告からはあきらかに異常があるとは考えられません。現段階では、安全と判断してよいと考えます。
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・アシスティド・ハッチングとは、卵子の回りにある透明帯というカラの一部にひびを入れ、着床しやすくするというものです。奥様の年齢の高い患者さんや体外受精を数回行うも妊娠に至らない患者さんには、この方法を行います。採卵された卵子を顕微鏡拡大し、透明帯の厚さを測定後、顕微受精用の針を使って、透明帯にひびを入れます。アシスティド・ハッチングは、特に40歳台の患者さんの妊娠率を飛躍的に向上させます。