靴の選び方  旅の「成否」を 左右します。

靴選び


高価で立派そうな靴を履きながら、歩き遍路の道中で、痛みをこらえながら歩いているお遍路さんが実に沢山いらっしゃいます。 その方々たちは、「これも修行…」と受け取りビッコを引きながらも歩いていますが、それは、「修行」でなく「苦痛行」です。
「苦痛行」となる大きな要因の一つは「
靴選びの失敗」です。

靴を選ぶポイント

 普段のサイズより1サイズ大きい靴(最低でも +1㎝以上)を選ぶこと。
日々、鍛錬しているスポーツマンを除いて、一般の方の足サイズは朝と夕方とで大きさが異なります。
人間の身体は、疲労につれて体液が身体の下部に溜まります。 朝に比べて夕方の足は約1㎝大きくなるのです。 お遍路は一日に20~40㎞歩きます。 で すから、朝はぴったりフィットしていた靴も、夕方には小さ過ぎる靴を履いて歩いていることになります。 硬く丈夫な靴と柔らかな足の皮膚が靴下を挟んで擦 れ合う状況が生ずるのです。 擦れ合った結果、足の皮膚を痛めてマメが発生するわけです。 
推奨  +1.5cm サイズの靴がお奨めです。


 厚底の靴を選ぶこと。

へんろ道では、尖った石や折れ枝を踏み越えて歩きます。衝撃を靴底が吸収し足への影響を少なくするためにも厚底の靴が望ましいと思います。 
(注意)靴底が硬く、衝撃吸収力の少ないタイプの靴は選ばないで下さい。ある有名ブランドの靴を履いている方のほぼ全ての方は道中で肉刺に苦しみ、膝や腰を痛めて途中挫折しています。ブランドに騙されないようにして下さい。


 
防水性と通気性の両方が必要。
○お遍路は雨の中も歩きます。 ⇔ 防水性が必要です。 
○足の皮膚が湿ると脆くなり、マメができやすくなります。 ⇔ 湿気を逃がすため通気性が必要です。
登山靴や長靴は防水機能が優れていますが通気性に劣り、重いです。 スニーカーは通気性に優れ、軽いですが防水機能はありません。 お遍路に登山靴とスニーカーの二足を持参し、履き替えできればいいのですが、荷物が重くなりそれも難しいことです。
○可能なら一足で防水性と通気性の両機能を備えた靴(ゴアテックス素材)を捜し、選んでください。
(
注意)撥水性の靴は防水ではありません。靴内部に水は浸透しますので勘違いしないようにしてください。


 
足のサイズを測定する時は、夕方か、運動の後で測ってください。
足は、朝と夕方とでは足の大きさが違います。大きい時のサイズで測ってください。
注意)足の専門家を装い、足のサイズを測ってセールスする靴屋さんもあるようですが、貴方が運動した後か否か? を尋ねることもなく、あるいは午前午後に関係なく 来店のその場でサイズを測ろうとする場合は、疑った方がいいと思います。 そのお店は、単に高く靴を売りつけようとしているに過ぎませんので、信頼しては失敗します。 店員さんのほとんどは、歩いた体験など全く無い、ずぶの素人さんなのですし、単なる耳学問のセールストークに惑わされないようにしてください。
 ⇒ お遍路さん! 我が身を守るのは、店員さんではなくて自分自身なのです。


 
なるだけ軽く、なるだけ廉価な靴を選択する。
高額な靴
ブランド靴が良い靴とはかぎりません。 雨の中でも、尖った石でも、長距離・長時間歩いても貴方の足をガードしてくれる靴が良い靴です。 の靴やにこだわることなど全く不必要です。 軽ければ軽いほど足が疲れませんし、廉価であれば、支出も抑えられます。  高額な靴をもっともらしく売り付ける靴店のセールストークに惑わされないようにしてください


 靴紐で締めるタイプの靴を選択する。

靴を締めるのに、「靴紐」・「靴紐+チャック」・「チャック」・「マジックテープ」や「紐無しの革靴」タイプなどの種類があります。 歩き遍路では
靴紐タイプを選択してください。 道中では長い下り道や嶮しい山道も越えて歩きます。 場面や場合で靴紐の締め方も変えて対応しなければ足を護れません。 歩き遍路はウォーキングとは違うのです。 必ず靴紐タイプを選んでください。


  躊躇せずに、道中で靴を交換すること。
足にマメが発生し続ける場合もあります( ⇒ マメの下に新たなマメができる、マメの横に新たなマメができる、あちこちにマメができる、治療してもなかなか症状が回復しない等々)。 足のマメに苦しみ ながら我慢我慢で歩いているお遍路さんも稀にいらっしゃいます。

 ⇒ 靴選びの失敗です。 道中の靴屋さんが在れば、いま履いている靴よりもワンランク大きい甲高・幅広・厚底の靴に履き替えてください。

*靴は800km~1000kmぐらい歩き遍路すると、靴底踵部分が相当に磨り減ります。 ですが、結願するまでは一足の靴で歩くことができます。
歩いた経験を持つ方のご意見を参考にして、慎重に歩き遍路に使用する靴を選んでください。

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 昔と変わらぬ本物の「歩き遍路」に関心のある方はこちらをご覧ください。⇒ お四国センター 直心(じきしん)


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