無理言造

 表題の不可能理論とやらをお題目に掲げた都合上、グーグルにて検索をかけた。
 『アクセスアップ』と。
 するとどうだ。
 ………。
 何処までつづく、検索結果の列また列。
 雨また雪。
 雪また豪雨のアクセスアップ。
 さらに、その横には、金を出しての広告も『アクセスアップほにゃらら〜』
 その関心の高さに、
 ムムムム。
 やはり。
 ……。
 人々の欲望は、アクセスアップ。
 なぜに、そんなにアクセスアップしたいのか?
 まあ、私も含めてだが。
 アクセスアップのその向こう、そのまた彼方に何があるのか。
 ……。
 そう、何だろう。
 ……。
 認知されたいという欲望か。
 ここに我ありを知らしめしたいのか。
 そして、その先の先に、金がぶら下がるのか。
 前回にも述べた。
 とある御仁のホームページが人気沸騰し、その結果、たくさんの人々が見に来るホームページと知った広告会社が、広告を載せてくれるように依頼した。
 つまり、多数の人々が見るホームページに広告を載せれば、人々が見る事による宣伝効果が期待できる。つまり、テレビの広告と同じだ。
 アクセスアップ数が、テレビの視聴率と同じになるのだ。そして、その番組の内容に関係なく、様々なスポンサーが、その番組に広告を出してもらう代償として、金を出すのだ。
 なんだ、テレビと同じなのか。
 はは〜ん。
 つまり、莫大なアクセスを受けるホームページというのは、有効な広告宣伝媒体なのだ。
 なるほど。
 つまり、そのホームページの内容はともかくとして、どんな形であれ、多くの人のアクセスを稼ぐ事ができる事イコール、広告宣伝価値が高くなる。視聴率が高いに等しい。よって、スポンサーが付く、よって、金になる……。
 まあ、多くの素人ホームページ作りの面々は、そんなテレビのような広告宣伝媒体としての視聴率を稼ぐために、アクセスアップを目指しているのでは無いと、言う御方もおられよう。
 それはそれでいいのだ。
 だが、自分の商店の宣伝の為のホームページ。
 会社のホームページ。
 その他営利目的のホームページは、つまりは、視聴率を稼ぎ、その宣伝効果によって、商品なり、仕事を請け負う事を目的としている。
 そのためには、アクセスアップは極めて重要な意味を持って来る。
 よって、グーグルの検索に、数多のアクセスアップの方法を探る、ホームページが並ぶのだ。
 なるほど。
 つまり、そのアクセスアップの大本、ホームページ、あるいは、それを流す、ネットの世界には、無限の金づるが眠っている事になる。
 その無限の打ち出の小槌を振る方法として、様々な事が考えられる。
 企業であれば、ホームページを今どき持たない所は無い。
 となれば、ホームページ作ります商売が成り立つ。さらに、そのホームページ維持管理商売も当然成り立つ。
 これほどネットが社会に浸透すると、じいちゃんばあちゃんがボツボツやってる店や宿でも、ホームページぐらい作るかとなる。
 ようするに、無尽蔵に、このホームページ代行商売は可能だ。
 人々は、そこに、不思議のアリスの世界を見ているから、金を出すのだ。
 そこにいち早く気がついて、六本木でホームページ代行商売を立ち上げ、十年足らずで、さらに31の若さで数百億稼ぐ会社を作り上げた御仁もいる。
 もう、その資源を使い果たしかと思われるかもしれないが、まだ無尽蔵に、このホームページ代行業は可能だ。
 確かに個人でも楽にホームページを作れる環境ではあるが、いやいや、世の中、作りたいが作れないという人は数多の数程埋もれている。
 狙わない手は無かろう。
 5〜6人のパソコンを使える人を集め、会社を設立。そして、新聞チラシに折り込むのだ。『貴方の店のホームページを作りませんか?』ってね。
 注文は来る。
 後は、基本的なホームページはいくら。そして、様々なオプションはいくらと、値段を決める。ついでに、維持管理費も年単位で設定する。家にパソコンの無い店や個人店には、回線の設置や、サーバーの接続もやってあげるというコースを作れば、それも金になる。
 金がなる木ができるのだ。
 それを、指揮、運営すれば、社長だ。
 よ、社長。
 宣伝をあちこちにかけて、仕事を取り、業務を拡張してゆく。
 現在就職難のおり、大卒も、コンピューター関連の各種学校を出た若い連中を採用し、人員を増やし、株式会社上場だ。 
 ベンチャー企業が成功。
 稼いだ金で、傾いたソフト会社を買収して、仕事を与え、いよいよ会社はでかくなってゆく。
 やれ、誰か。
 これでやる奴が社長になるのだ。
 そして、起業家と言われるのだ。
 稼いだ金で、ごうかマンションに住むのだ。
 高給レストランで、ステーキをたらふく食うのだ。
 金にあかして、フェラーリを買うのだ。
 そして、働きまくるのだ。
 イケー。
 稼げー。
 まだまだ資源はあるぞー。
 で、稼ぐ奴あり、風に吹かれる奴あり。
 ああ、そこで、私は……。
 そうさね〜。
 わたしは、まあ、風に吹かれていたいものだ。
 森の木陰に、1000円で買った、中国製の布張りの折り畳み椅子に座り。
 コンビニで買った、週刊文春のコラムをホクホク見ながら、
 120円のムスビをかじり、体に良いという豆乳を飲むのだ。
 風に吹かれて。
 ああ、安上がりで、気持ちいい。
 
 今日は無理、あんまり言わなかったか?
 そんな事ではイカン。
 次回は、どんどん無理言うぞう。
 無理 言造