ロレッタの肖像
ここから物語は始まる… |
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プロローグ
それは、雨降る朝、我々がお茶の時間を楽しんでいるときだった…。
通りに馬車の止まる音が聞こえ、まもなくドアの呼び鈴が訪問者のいることを告げた…。
彼の名はクレイの弟と名乗った |
これがロンドン市内の地図だ |
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訪問者はクレイの弟と名乗ると、兄の経営する画廊で肖像画が盗まれたので探して欲しいと依頼をしてきた。
私が「絵のこと」「画廊のこと」「エバンスのこと」について訊くと彼は去っていった。
彼の兄が経営するクレイズ・ギャラリーでニール・エバンスの「赤い帽子の少女」と題する肖像画が盗まれたらしい。私は部屋にある「ステッキ」「銃」「バイオリン」と暖炉の中に置いておいた「パイプ」と右の引き出しにしまっておいた「笛」を持って、助手のワトスンと一緒にクレイズ・ギャラリー(B−5)を向かうことにした。
クレイズ・ギャラリーの場所は手持ちの赤いアドレス帳で簡単に調べることが出来た。
私がクレイです |
私はこの画廊の店員です |
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クレイズ・ギャラリーに着くと、クレイが出迎えてくれた。私は彼に「絵のこと」「画廊のこと」「「エバンスのこと」を訊き、店員が絵を運ぶ最中に盗まれてしまったことと、エバンスが肖像画を画くときは頼んだ人の家で画いているという情報を得られた。続いて店員を呼び「絵のこと」を訊くと、殴られた際に見た犯人の後姿がエバンスに似ているという情報が得られた。私はニール・エバンスに会ってみようと思いアドレス帳を調べてみたが彼の住所は載っておらず、行方は掴めなかった。
これ以上の情報は得られそうもなく、私達は一度自宅(B−1)に戻ることにした。
やはり紅茶はダージリンにかぎるね |
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自宅に戻ると私はハドスン夫人を呼び一服することにした。婦人は紅茶と一緒に届いたばかりの「新聞」を持ってきてくれ、私は「新聞」を手に取ると「記事」に目を通した。目を引いたのは、
記事1:ニール・エバンスの名作展が開かれる。クレイズギャラリーにて。「赤い帽子の少女」のほか、ラグランド伯爵、マダム・カトリーナの肖像も、公開される。
記事2:家庭教師求む。10才の少女相手。ライゲート リチャード・レベル邸。
の2つだった。
ごめんください |
私がラグランドだが… |
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記事1にあった、ニール・エバンスの肖像画のモデルである2人ならエバンスについて何か知っているかもしれない。そう考えた私は、先ずはラグランド伯爵(B−7)を訪ねてみることにした。伯爵はB−7地区の左から二番目の扉の家に住んでいた。
伯爵に「エバンスのこと」を訊いてみたが、何度も家に来ていたもののあまり話したことはなかったと、大した情報は得られなかった。
私がカトリーナよ |
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続いて私達はマダム・カトリーナを訪ねることにした。マダムはD−2地区の一番右の緑色の扉の家に住んでいた。
マダムに「エバンスのこと」を訊くと、弟のフィリップが知ってるかもしれないと教えてた。
僕がフィリップです。へへへ… |
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私はアドレス帳でフィリップ(E−6)の家を調べると、E−6地区の一番左側の大きな扉の家を訪ねた。何を訊いても金儲けのことしか考えていない様子で、エバンスの住所については口止めをされているらしく、頑として口を割らない。
私は手持ちの金を彼に握らせると、エバンスがノーウッドに住んでいることを話してくれた。
ロンドン駅前 |
右が私、左がワトスン |
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一度家に帰り、左の引き出しにしまってるお金を手にすると、C−4地区にあるロンドン駅に向かい、そこから汽車に乗ってノーウッドに向かった。
ノーウッド。のどかな町だね |
おや、天井に包みが… |
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「赤い帽子の少女」の肖像画だ!! |
この脅迫状が示す意味は… |
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ノーウッドに着き、歩いている男に「エバンスのこと」を訪ねると彼の家を教えてくれた。彼の家に向かうと玄関は開いており、中には誰もいなかった。私は彼の家に「赤い帽子の少女」があるのではないかと、「ステッキ」を使って天井裏を調べると、包みに入った「赤い帽子の少女」の肖像画を探し当てた。
と同時にエバンスが部屋に入ってきた。彼に「絵のこと」を訊くと、絵を傷つけるという強迫の手紙が届いていたことと、絵のモデルが3年前にモール河のほとりで傷つき倒れ、記憶をなくしていた「レティシア」と呼ばれる少女であることと、次のような暗号めいた言葉が手紙に書いてあったことを話してくれた。
レースの
ベルが鳴る
ルネッサンス
その始まりは
赤い帽子の少女の
危険地帯…
暗号めいた言葉の意味は解らなかったが、とりあえず画廊に絵を戻すためにロンドンに戻ることにした。
その後、「赤い帽子の少女」の肖像画をある金持ちが買ったと聞き、B−5地区にあるクレイズ・ギャラリーにを訪ねた。誰が買ったのか店員に訪ねると「レ……」から始まる名前の金持ちが買ったことを話してくれた。
「レ……」。私は手に持っていた新聞に「…ライゲート リチャード・レベル邸」という記事があったことを思い出した。この人物だろうか…?
私達はレベル邸のあるライゲートに向かった。ライゲートに向かう汽車の中でエバンス宛ての手紙のことを思い起こしていた。何かが引っかかる…。ライゲートに着くと体を休めるために宿に泊まることにした。
材料はまだで尽くしていない…。そう考えながら、エバンス宛ての手紙の暗号めいた言葉を再び思い起こしてみる。
レースの
ベルが鳴る
ルネッサンス
その始まりは…
その始まりは、………!!
「レースの」「ベルが鳴る」「ルネッサンス」、の始まりの1文字を繋げると…「レ・ベ・ル」!!
偶然だろうか???
続けて解釈すると、レベルは赤い帽子の少女、つまりレティシアの危険地帯…!?
私は妙な胸騒ぎを覚えずにはいられなかった。
ライゲート駅前 |
ここがレベル邸だ |
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翌朝、宿屋を後にした私達はライゲート駅前でレベル邸の場所を訊いてみることにし、新聞を通りがかった人に見せるとレベルの館の場所を教えてくれた。
レベルの館に着くと入り口には門番がいた。何を訊いても同じ事しか答えない門番を後に、レベルの館に入ろうとすると「どなたですか?」と問われ、とっさに「先ほど呼ばれた医者だが…」と答えると、すんなり中に通してくれた。
私がリチャードだが… |
ここに仕舞ってあったのか |
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門番に案内されてリチャード・レベルの部屋へ。中に入ると私は素直に絵を追ってここまできたことを告げ、「絵のこと」「娘のこと」を訊くと、3年前にリチャード娘の「ロレッタ」が川に散歩に行ったきり帰ってこないという。そこに落ちていたというものは、グラスの置いてある棚の左端のあたりに仕舞ってあった。「軽くウェーブした髪」と「血の付いた片方の靴」である。
………。私はリチャードの話を聞きエバンスの話を思い出した。エバンスが描いた「赤い帽子の少女(=レティシア)」は3年前にモール河のほとりで傷つき倒れ、記憶をなくしていた。そして「赤い帽子の少女」はリチャードの行方不明の娘「ロレッタ」にそっくりだという。
レティシア=ロレッタ
であろうか?
成金趣味だね |
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その疑問を解くためにリチャードの部屋を後にしようとすると、愚痴を聞いてくれたお詫びにと食堂に通された。
食堂にあるピアノやテーブル、お皿など調度品を調べていると、突然部屋の中に手紙が投げ込まれた。
手紙には「これ以上かぎまわるな!さもないと命を落とすぞ。」と書いてあった。脅しか!?
ワトスンが外に飛び出して行き、私もそれを追いかけた。
きれいな庭だね |
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外に出るとワトソンが「見失ってしまった」と語った。飛び出した先は屋敷の庭できれいな緑と河のある風景が広がっていた。
レベル邸マップ |
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メイドですが何かご用ですか |
私は執事ですが何かご用ですか |
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館の廊下 |
私はリチャードの弟、エドワードです |
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私はリチャードの妻のジュリアです |
空き部屋 |
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私はパトリシアよ。おじさん遊んで |
私はリチャードの会社の社員でオスカーといいます |
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「嗅ぎ回るな」とは3年前のことであろうか?
一度、屋敷に戻り、住人と話してみることにした。食堂でメイドと執事、他にはリチャードの弟の「エドワード」、リチャードの妻の「ジュリア」、リチャードとジュリアの娘「パトリシア」、リチャードの会社の社員「オスカー」と話をした。ジュリアが11年前にリチャードと結婚したと言っている事から、行方不明になったロレッタはジュリアの子ではないということだろうか?
また、このレベル邸はリチャードがインド貿易で一代にして財産を築き、1875年にストバート伯爵より譲り受けたものということがエドワードの部屋の壁のプレートでわかった。
レッドヒルという町です |
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ひと通り屋敷内を歩き回った後、私達は食堂から庭に出た。庭先には河のある美しい風景が広がっており、河向こうには町が見えた。私達は町に向かった。
あたりの人にこの町の名がレッドヒルということと、モール河のほとりにバロンという宿屋があることを教えてくれた。「モール河のほとり」と言えば、エバンスがレティシアと出会った場所だ。私はバロンという宿屋に向かうことにした。
ん?そこに掛かっている絵は? |
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宿屋に入ると若い亭主が出迎えてくれた。ロビーには風景画がかかっており、なかなかの雰囲気の宿だ。私は風景画を良く見ようと調べると「ニール・エバンス」のサインが…!!
亭主に「絵のこと」「娘のこと」を訊くと、風景画はエバンスの連れの女性の怪我の手当てのお礼にプレゼントしたもので、彼女の首筋には大きな傷があったということが聞けた。もしレティシアがリチャードの娘のロレッタなら、首筋に大きな怪我の跡があるはずである。
レティシア=ロレッタの考えをますます強くした私達はノーウッドのエバンスを訪ねようと宿を後にした。その際、亭主は自慢のブランデーをサービスしてくれた。
レティシア、君はロレッタじゃないのか? |
イーゼルを動かして…、あっ、こんなところに靴が! |
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エバンスの家に着くと、私はレティシアを呼び出した。レティシアの髪の毛を調べるとリチャードの家に仕舞ってあった髪の毛と同じ色をしており、また首のあたりを調べようとすると、彼女は大きな傷があるからと嫌がった。
私はレティシア=ロレッタと確信し、リチャードが会いたがっていたことを話した。
ところがエバンスは「レティシアがリチャードの娘だという証拠はあるのか?」と食い下がる。
私は飛び出した引き出しに仕舞ってあった「Lの刺繍の入ったハンカチ」とイーゼルの足元を動かし「リチャードの持っていたものと同じ靴」を見つけ出した。さすがのエバンスもレティシアがリチャードの娘であることに理解を示し、私達が彼女の手を取り連れて行こうとすると、一緒に行くことに同意してくれた。
私達はレティシアとエバンスとともにリチャードのもとへ向かった。
3年ぶりの親子の再会。私も嬉しいよ |
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リチャードにレティシアを会わせると、リチャードは「ロレッタ!!」と叫んだ。私はエバンスの家にあった靴とハンカチを見せると、それはロレッタが身に付けていたものだと語った。彼女が記憶をなくしていることを話すと「記憶はきっとすぐに取り戻す。これでロレッタがオスカーと結婚してくれさえしたら安心なのだが…」と語り、部屋を出る私達を呼び止め、お礼を込めて食堂に案内し、食事を振舞ってくれた。
「安心なのだが…」私はこの一言と、エバンスの持っていた強迫の手紙の「赤い帽子の少女の危険地帯…」というメッセージが、またもやロレッタの身に何か起こるのではないか…という想像を掻き立て不安を覚えた。
ホネとランプはもらっておこう |
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食事を済ませると、テーブルの上の「骨」と「ランプ」を手に取り執事を呼んだ。話を聞こうとするとメイドが駆け込んできて、「パトリシアが…」と慌てた様子。メイドの言う通り、私達はパトリシアの部屋に向かった。
あぁ、パトリシアが… |
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パトリシアの部屋に入ると彼女はうつ伏せに倒れていた。調べてみると既に息をしておらず死んでいるようだった。彼女を少し動かすとコーヒーカップが1つ転がっており、カップからは微かにココアの香りがした。彼女の死に関係があるのだろうか?
私は屋敷の住人にパトリシアのこととココアのことを聞いて回ることにした。
まずリチャードはロレッタの母親のトレイシーが死んだときと同じぐらい悲しいと語ったが、やはりロレッタはジュリアの娘ではなかったようだ。またリチャードはパトリシアにココアを欲しがるままにあげていたらしいことも聞けた。
次にジュリアは「アレを飲んでしまったのね」と、どうやらココアに何か入っていたことを知っているような口ぶりだった。
続いてエドワードは「そんなことよりポーカーをしませんか?」などと、彼女の死を悼む様子もなかった。
続いてエバンスは彼女のことを知らない様子だった。
オスカーは「誰かリチャードを殺そうとしていたのではないかと思うんです。ロレッタの記憶が戻らないうちにリチャードが死ねば財産はあの二人のものですし…」と語った。確かにリチャードの飲むココアをパトリシアにあげていたから彼女が死んだと考えられる。それにしてもあの二人とは…ジュリアとエドワードのことだろうか?エドワードの人に外れた発言は死んだのがリチャードではなくパトリシアだったからなのだろうか?
続いてメイドはパトリシアがリチャードの部屋に行ってココアをもらっていたことと、そのココアを毎晩ジュリアが持っていっていたことを話してくれた。
最後に執事に訊くと「パトリシアがロレッタの腹違いの妹」であることと、「パトリシアがココアは虫歯になるから飲んではいけないと言われていた」ことを話してくれた。
どうやら、ココアを飲んでしかられることを嫌がったパトリシアが、リチャードを殺害するためのココアを飲んで、今回の悲劇が生まれてしまったようだ。
私は次はリチャードが殺されるのではないかと思い、彼の部屋に向かった。
リチャードさん!!どうしたんですか!! |
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リチャードの部屋に入るとリチャードがピクリとも動かず気絶しているようだった。とりあえず死んではいないことに安心し、手持ちウィスキーを彼に嗅がせ目を覚めさせた。
目を覚ましたリチャードは手紙を差し出した。手紙を調べると「ロレッタを預かった。あの書類にサインしろ!さもないとロレッタの命はないぞ!」という脅迫の内容が書かれていた。書類について訊くと「館をS伯爵に譲る」という内容のものだと話してくれた。
S伯爵…エドワードの部屋のプレートに書いてあったストバート伯爵を指すのだろうか?S伯爵が誰にせよ、財産目的でジュリアかリチャードがリチャード殺害を企てたと考えるのは間違いのようだ。でもジュリアがココアを運んでいたのは事実。ジュリアはS伯爵ゆかりの人物なのだろうか?
私はジュリアを訪ねたが彼女は何も語らなかった。次いでエドワードを訪ねた。ロレッタについて訊くと「ロレッタがいい娘」と語った。さらに訊くと「ロレッタがピアノ好きで子犬のワルツという曲を引いていた」ということを語った。どうやら彼はロレッタにのことを良く思っているようだった。オスカーの言う二人のうちの一人はエドワードではないのだろうか?私はオスカーを再び訪ねることにした。
オスカーの部屋に入り彼に訊くと「ロレッタが戻ってこなければ、屋敷はジュリアのものに、財産はジュリアとエドワードとで分けることになっている」という話が聞けた。オスカーの言う二人はやはりジュリアとエドワードのようだ。
ここでひと休憩入れよう |
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オスカーの部屋を後にした私は今までの出来事を整理してみることにした。
「3年前のロレッタの事件」
「リチャードのココアを飲んで死んだパトリシア」
「ロレッタの誘拐」
全てはリチャードの財産目的で事件なのだろう。先ず相続人であるロレッタを殺害しようとしたが、何かしらの原因で怪我を負わせただけしか出来なかった。しかしその後ロレッタが行方不明になり、リチャードが死ねば財産を手にすることが出来る立場になった。ところが記憶喪失ではあるがロレッタがレベル家に戻ってきてしまったため、ロレッタを誘拐し、リチャードも殺そうとした。それでココアに毒か何かを入れて殺そうとしたが、それをパトリシアが飲んでしまい死んだ。それに関与しているのがジュリアというところだろうか。
整理したところで、私は少し休むことにした。
それっ、取って来い!! |
ん?何かあるのかな? |
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翌朝、朝の涼気に誘わて庭に出ることにした。私達は事件について語り合いながら散歩をしていると、犬がいたので手持ちの骨を犬に見せ、放り投げた。すると骨をとりに行く途中で何かを見つけたのか、我々を呼ぶように吠え出したので我々は犬のいる草むらを調べに向かった。
お花畑マップ |
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ここがスタート地点だね |
うわっ、血痕だ!!小屋まで続いているぞ!! |
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犬はどんどん草むらを進んでいってしまったので、犬の足跡を頼りに犬の後を追っていった。
草むらをどんどん進むと血痕が…その血痕は、その先にある農具小屋まで続いていた。
オ、オスカー!! |
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農具小屋にはいるとオスカーがナイフを刺されて倒れていた。彼を調べたが出血多量で既に死んでいたい。さらに刺さっていたナイフを調べると「E」のイニシャルが…。やはり「エドワード」が!!
私はオスカーに刺さったナイフを取るとエドワードの部屋に向かった。
エドワードの部屋に入りナイフを見せたが「私のではない」と否定を繰り返すばかり、ただオスカーの事を聞くと「優秀な青年」と褒め称えており、彼はしたたかな人間なのか、本当に犯人ではないのか考えが揺らいだ。
他の人がこのナイフを知らないか訊こうと部屋を回っていると、リチャードはロレッタとオスカーを結婚させて、財産を二人に譲ろうとしていたことがわかった。やはり財産目的の犯行であることは間違いなさそうだ。
それからエバンスから「逸れは私がオスカーに貸したもの」と予想に反する結論が聞けてしまった。確かにエバンスも「E」で始まる。ナイフをオスカーに貸したとなると誰でもナイフを奪って刺すことが出来ることになる。追求材料としては弱くなってしまった。
途方にくれた私達はオスカーが殺される前に何か残していないかと期待し、彼の部屋を調べることにした。
花瓶の乗った机の引き出しを調べてみると日記が出てきた。日記には「僕はリチャードの期待に応えるためにロレッタを助けたい。あの女がココアに毒を入れるのを見たといって、あいつを問い詰めれば、きっと彼女の行方がわかるに違いない…」と書かれていた。
「あの女」とはおそらくジュリアのことだろう。では「あいつ」とは…?ロレッタとの結婚を目的にエバンスがジュリアと組むとは考えにくい。やはりエドワードのことだろうか?それともリチャード宛の手紙にあったS伯爵だろうか?
私達は一度食堂に戻って考えをまとめていた。するとメイドがやってきてジュリアの部屋で見つけたというメモを見せてくれた。「あの彫刻を・・・しないかぎり地下室の入り口はみつからないはず…。」廊下にあった彫刻のことだろう。
これが例の彫刻だね |
おっ、ドアが現れたぞ!? |
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レベル邸マップ2 |
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地下室マップ |
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真っ暗で見えないよ |
おや、何か落ちているぞ? |
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私達は彫刻の前に行き彫刻を動かしてみた。するとドアが現れ、ドアに入るとさらに廊下が…さらに奥にはまた彫刻があり、動かしてみたが何ともなく、叩いてみたらまたドアが現れた。ドアをあける真っ暗な部屋に入った。手持ちのランプを灯すと地下室の中が良く見え、床にはくすりの瓶と写真が落ちていた。くすりの瓶を調べると「毎日少しづつ飲むと体が弱まって死にいたる」毒薬であることがわった。また写真はジュリアの若い頃の写真だった。私は2つを手にすると廊下に戻ろうとしたが、何者かによって扉が閉められてしまった。
他に出口がないか地下を歩き回ると庭先に出ることが出来た。
ピン落としましたよ |
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食堂に戻りメイドを呼ぶと「ヘアピン」を落としていった。次いで執事を呼んで「写真」と「ビン」を見せると、ビンを見せたときは返答にそっけなさがなく、ナイフを見せた時も同じような返答をしていた。
食堂を後にしジュリアの部屋へ。ジュリアに写真を見せるが「似ているけど私じゃない」と否定。クスリの瓶も知らないとシラを切られてしまった。
その後色々と聞き込みをしたが、依然ロレッタの消息は掴めず、ジュリアから何も聞き出すことが出来なかったため、一度ロンドンに戻ることにした。
リージェント劇場前 |
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駅から自宅に戻る途中、リージェント劇場(C−3)の前を通りかかった。折角なので劇場に入ろうとすると「今日はもうおしまいよ」と一人に女性に声をかけられた。何気に彼女にジュリアの写真を見せると「ブレンダの写真ね。彼女も昔、この劇場の歌手だったのよ」と思いもかけない情報が得られた。「彼女も」ということはこの人も歌手なのだろう。さらにブレンダについて訊くと、「痩せすぎの男と結婚するので辞めた」と話してくれた。
先ほどはおしまいといっていたが…劇場に入ろうとすると入ることが出来た。
劇が終わって出てくると彼女がいて、歌の感想を聞かれたので「実に素晴らしい歌でした」と感想を言うと「ブレンダのことはラグランドに訊くといい」との貴重な情報が得られた。
ラグランド…久しぶりに聞く名だ。私はB−7地区の左から二番目の扉の家を訪ねた。伯爵にブレンダの事を聞くと「ストバートと付き合っていた女」ということが聞けた。さらにストバートについて訊くと「ストバート伯爵の血を引く貴族で、彼の父が事業に失敗して古くから伝わる屋敷を手放してから落ちぶれてしまった」ということが聞けた。ブレンダの写真を見せると「彼女は金持ちと結婚した」「ストバートはロンドンの北に住んでいた」ということが聞けた。
ラグランド伯爵の話で話がかなり見えてきた。
おそらく…ストバートはブレンダ(=ジュリア)と結婚する予定だった。ところが、彼の父が事業に失敗したことで古くからの屋敷を手放すことになり、貴族の血を引く彼は屋敷を取り戻すことに必死になった。先ずはブレンダをリチャードと結婚させ、ロレッタを通り魔に襲われた風を装って殺し、リチャードを病死に見せかけて殺して屋敷をブレンダのものとし、その後、ブレンダと結婚して屋敷を取り戻そうとし、実行して行った。
ところが何かしらの原因でロレッタを致死に至らせることが出来ず、数年たってロレッタが戻ってきてしまった。
それで強引な手段でリチャードに屋敷を手放すように迫った。
というところだろう。
ロレッタ!!大丈夫かい? |
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私はロンドンの北にあるというストバートの家を探しに向かった。隈なく調べていくと、A−4地区の右から二番目の通りより奥まった家の扉をノックしたときに、微かに聞き覚えのある女の人の声がきこえてきた。入ろうとしたがカギかかかっていてドアが開かないため、ピンを使ってカギを開け中に入った。
するとロレッタが縛られたまま椅子に座っていた。
ロレッタに話を聞くと眠り薬をかがされ気づいたらこの部屋にいたということだった。私は彼女の縄を解いてレベルの屋敷に戻ることにした。
こ、この曲は…!!! |
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屋敷に戻るとエバンスが出迎えた。食堂でロレッタと話をしたが、まだ記憶が戻らないようだ。エバンスは自分が絵を書いたことでロレッタを危険な目にあわせてしまったことで自分を責めていた。私は早く犯人を捕まえて安心をさせてあげたいと思い、何か記憶を取り戻す方法がないか考えていると、エドワードの「ロレッタがピアノ好きで子犬のワルツという曲を引いていた」という話を思い出した。
私は得意のバイオリンを持ち出し子犬のワルツを弾いた。すると…ロレッタが「この曲知ってるわ」と叫び、ピアノを弾き始めた。弾くにつれてロレッタの記憶が戻り始め、とうとう事件当日のことを思い出した。事件のあったあの日、ロレッタは河辺を散歩しているときに覆面の男に刺されたこと。そしてその時、リチャードが借金をして困っている人から、騙すようにしてこの館を手に入れたことを聞かされたことを…。
「きゃー!!」
あいつが犯人だ!! |
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突然ジュリアの悲鳴が聞こえた。私達は彼女の部屋に向かったが部屋にはおらず、リチャードの部屋に入ったとき、そこにジュリアがいた。
話を聞くと、誰かが部屋に入ってきてリチャードにナイフで切りかかってきて、それを庇おうとしたジュリアが悲鳴をあげたようだった。私はジュリアに「ビン」を見せると観念したのか、彼女は「私が毒をいれたんです。ストバートの企みに乗って誤って娘を…。」と白状し、「もう人が死ぬのは嫌!あの人を止めて下さい!」と叫んだ。
「あの人」とは…ジュリアの近くにいて、ナイフやくすりの瓶に強く反応を示した人物…。
君の推理が間違っていると… |
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そう「執事」だ。
ストバート、待つんだ!! |
もう観念したまえ |
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彼は例の隠し通路から逃げるつもりだ!!
私達は彫刻を動かして隠し通路を通り、例の地下室に入った。地下室は真っ暗でランプをつけると、ストバートがいた。ストバートはピストルを打ち、その場から逃げ出した。私達は彼を追いかけ出口に近づいたところで彼に追いついた。私はピストルを抜き彼のピストルに向けて弾を放った。弾は見事に命中し、ストバートはピストルを落とした。
「くそっ、これまでか…」
彼は観念したのか全てを語り始めた。
「私の父は事業に失敗し多額の借金を背負うと、館を失い、失意のうちに他界してしまった。父の遺品を整理していると、父の日記が見つかり、そこにはリチャードが父から騙し取るようにして、この館を奪い取ったことと、その失意の念が書き連ねられていた。それを読んだ私は先祖代々のこの館を是非ともリチャードから奪い返したいた思った。
それからリチャードのことを調べていると、彼がたまにリージェント劇場に足を運んでいることと、彼が彼の妻と死別していることがわかった。そこで私はジュリアを利用することを思いつき、リチャードと結婚させたのだ。
ジュリアと連絡を取りながら数年、私はレベル家の執事として館に住むことに成功し、ジュリアを利用してリチャードに少しづつ毒を飲ませ、徐々に殺そうとした。リチャードが死ねば館はジュリアのものになるからだ。ただロレッタが邪魔だった。
そこで3年前、切り裂きジャックを装ってロレッタを殺すことを思い立った。ロレッタがモール河のほとりを散歩しているときに、覆面をして彼女に切りかかった。ところが人の足音が聞こえてきたので私はロレッタの死を確認する前にその場を立ち去らねばならなかった。しばらくしてロレッタを襲った場所に戻ったが、その場にロレッタはおらず、行方不明になったという噂がたった。
このままロレッタが戻ってこなければ全て思い通りに行くはずだった。しかし、エバンスの絵でロレッタが生きていることを知り、そしてあなたがロレッタを連れ戻してきてしまったので、ロレッタを誘拐し、リチャードに館を譲るようサインを迫った…。
ところが、この企みを知ったオスカーが私とジュリアに全てを白状するように迫ってきたので、彼に全てを話すからと夜の庭に呼び出し、そこで口封じのためにオスカーを殺してしまった。
これが全てです。
ジュリアには何の罪もありません。全て私が仕組んだことです。旦那様にそう伝えてください。私が罪を悔いていることも…。」
幸せそうで何よりです |
事件解決おめでとう |
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事件後ジュリアは修道院に入り、ロレッタはリチャードを助け、むつまじく暮らしているという。ニールもロレッタとの仲を認められ、その手紙は我々をも幸せにせずにはおかなかった…。
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